とらくんは明るく優しいとらくんに

戻った






だけど

もう私の心は動かない






とらくんが少し電話で話そう

と言ってきたので話したら






私と結婚の話をちょっとしたことを

自分で1人で先走っちゃって

他の男に触られたくない

の気持ちが強くなったそう






私は感情は動かなかった






とらくんの気持ちわからないことはない






むしろ正常だと思う






あんまり連絡しない方がいい?

と聞かれたので





うん

と答えた





結局その後

俺は怠慢であんなことにならない

ように、月子が他の人に

触られるのだと思うことにする





月子がいなくなると思ったら

絶対に俺はあんなふうにもうならないよ





月子がいてくれるだけで

本当に幸せ

今度こそ月子の全部を受け入れたい






冷たい短文で返しても

電話も生気の抜けた声で話しても

とらくんは変わらない






完全に信じてないけど

少し信じかけてる





無償の愛は無敵





ただ私を好きだと言ってくれてた

とらくんに戻った





私も無償の愛を

差し伸べることができる人になりたい





大好きだよと何回言われても

こちらは返してない





それでも許されてる現状にも

ホッとしてる





ただとらくんの愛を受け取り

心の氷が少しずつ溶けていく

緩やかな体感





私はただここにいるだけでいい

そんなふうに自分を思えた安心感