12/30(土)
 
ひとまず、皆さん、ありがとう、そしてお疲れ様でした。
 
 
 
その感謝とねぎらいの気持ちは一言では名状しがたいものがあって、名状し難いがゆえに、
 
 
 
全人類に向けて伝わるスピーカーがあるならば、シンプルに「ありがとよ!」と大声で叫びたい。
 
 
 
そんなやたらとでかいスケールで語りたくなるのも、
 
そして心が弱っているわけでないのに「みんなありがとう…(;_;)」モードに入るのも、
 
今こうして、ここ3年間のグローバルかつローカルかつインディビジュアルな諸々の我慢を経て、また再び自由に旅ができるようになり、
 
そして成田空港に向かうこの電車の中で、
 
久しぶりに旅の「初期衝動」を感じているからだ。
 
ああ。
 
俺たちゃ頑張った。
 
地球規模で3年間頑張った。
 
ホントよくやったよ俺たちゃ。
 
そして、みんなに「ありがとう!」
 
それでおしまい。
 
それでこの過去はもう終わりにしよう。
 
新しい時代が来た。
 
入国時にホテル隔離必須だったときの狭いホテルでの手持無沙汰なんかは、もう忘れよう。
 
前を向こう。
 
 
そして。
 
旅に初期衝動を感じなくなってきたここ数年。
 
「それが大人になることだ」と自分に言い聞かせながらも、
 
どこかで飢えている自分がいた。
 
しかし今、3年間ぐーっと我慢した結果、
 
東南アジアなんかの近隣諸国が持つ、圧倒的な旅の引力に打ち勝つ「脱出速度」を超えることができ、
 
久しぶりにインドシナもインドも越え、行ってくる。
 
トルコ、イスタンブールに。
 
 
 
 
 
 
 
イスタンブール。
 
かつてまだツヤツヤの23歳の坊やだった自分が
 
 
 
「ひとりでできるもん!」と、
 
 
 
欧州3ヶ月間の旅をしていたときに寄った街。
 
 
 
当時スイスに住んでいた友人に、
 
「ヨーロッパの隣のトルコはちょっとばかり危険だけど行かずじまいかい?」と、
 
なかば挑発の発言に発奮して寄ってきた街だ。
 
 
 
当時は行く予定に入ってなかったため、トルコには急遽行くことにした。
 
結果としてヨーロッパとは一味違う、アジアの癖のある旅情を体感できた。
 
そう、やたらと商魂たくましい絨毯屋や、
 
「なんでそんなに器用に日本語を操るの?」という謎のトルコ人、
 
吸い寄せられるかのように、はたまた逃げてきたかのようにヨーロッパから来た白人、
 
人とのめぐり会いという旅の要素がやたらと多かったのを今でも覚えている。
 
 
 
 
 
一方、その時前準備を大してしていなかったがゆえに、
 
トルコのシルエット、イスラムのシルエットがあやふやなままで旅をしてしまい、
 
まるで小学生のように「ブルーモスクは!大っきくて!すごかったです!!!」
 
のような感想しか抱けなかったのも確かだ。
 
なので、トルコに対してはウブな感覚がいまだに温存されていると言える。
 
 
 
 
 
そんな街そんな国に再び足を踏み入れる。
 
初の海外旅行だったあの時の旅立ち寄ったとき感じた以上のものを感じたいという欲張りな気持ち、
 
もしくは、あの時よりも多くのことに深く感動できる感性を磨いてきた自信かおごりがある。
 
自身の中で半ば神聖化された「初めての海外旅行経験」に対して、真っ向から向かい合ってみたい。
 
そんなちょっと特殊な意味合いを含んだ今回の旅だ。
 
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そして、その初期衝動や諸々の思いを吐き出す先を求めて今、こうして久しぶりにブログを書いているのだ。
 
2023年は5月・6月と2度立て続けに行っているのにもかかわらず、旅行記ブログに落とし込む気が起きなかった。
 
というのも、5月のフィリピン「最後の秘境」パラワン島の旅は、男一人がリゾートに行ってキャッキャワイワイするという話で、
旅行当日の時点で「あ、これはワクワクじゃなくてまったりだ。ブログという体裁に落とし込むまでもなく、Twitterに書いたことが全てだわ」と確信していたし。
 
ましてや。
ましてや6月のバンコクに関しては、もはやバンコクについてはたぶん入国回数だけなら10回を超えていて、
いまさら何を書こうかという感じで、僕は親分に呼ばれたから行って現地で旅の終着点にいる親分の生の言葉を聞きたかっただけだ。
 
そんな中、久しぶりにブログを書いているというのは、つまり、
 
さっき言った「初期衝動」を、書きなぐりたいのだ。
 
なんか、「今更ブログという表現形式で書くことの意義」「そもそも日記に書けばいいものをブログで書く意義」とか、
 
急に思いついて書きたくなったけど、これはまた別の機会に。
 
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今回の旅のルートは、中国東方航空利用、上海経由でイスタンブールに向かうことになる。
 
往路の乗り継ぎでは7時間、実に7時間もの乗り継ぎ時間があり、
 
そうなったらもう、一旦中国本土に上陸するにかぎる。
 
これが何を意味するか。
現在、中国本土の観光ビザを入手するのは諸々の事情により面倒だし金がかかるものになっている。
つまり、日本→中国本土→日本みたいな旅行は基本めんどいのだ。
 
一方で。
日本→中国本土→その他の国
というルートだと、「旅行者の皆さん、立ち寄ったついでに遊んでったって!」と言わんばかりの措置が施されており、
現地の空港でトランジットビザがおりるのだ。。。
 
そう、コロちゃんの件があって以降、すっかり近くて遠い国になってしまった中国に、立ち寄ることができてしまうのだ(ニッコリ)
 
本来げんなりするはずの7時間のトランジットの合間に中国本土に入国できる、その事実にニッコリできる私はもしかしたら酔狂な旅好きなのかもしれない。
 
 
まあまあ。
 
 
 
そして。
上海に立ち寄ってからはいよいよ、イスタンブールまで12時間のフライトとなる。
 
10時間超えのフライトはキューバ旅行の際に羽田からカナダに行く際の夜行便ぶりとなる。
 
これが、
この長時間の拘束が嫌で!
俺はしばらくインドより東の日本寄りのアジアばかりを旅していた。
 
 
そしてインドより東のアジアに飽きた。
何も起きないシンガポールとマレーシア、韓国、台湾、
一年に七回という怒涛のペースで入国したタイ、
既に南北横断してしまったベトナムとインド、
極めつけに100年前も100年後もきっと変わらないであろうミャンマーの地方の旅情、
 
行ってない国はあれど一通り、味わい尽くした。
そして、
身近な東南アジアとインド<長時間のフライトで行く他国
という不等式がようやく成り立った。
 
そして、
10時間を超えるフライトで今回は何をするのがいいか。
今回の旅程では答えはシンプルで。
 
現地時間に合わせて寝るに限る。
 
上海を出てイスタンブールに向かう時刻は、イスタンブール現地の20時。
時差ボケ対策として、テイクオフとできるだけ同時に寝るにかぎる。
 
 
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で。
成田空港に着いた。
ここ数回利用した成田空港は閑散としており、旅に対するワクワクというものをあまり感じず、
事務的に諸々手続きを済ませる場という感覚があったが。
さすが、2023年末年始。
出発2時間前ジャストに着いたのに、航空会社のチェックインカウンターの前には長蛇の列。
チェックインを済ませてから両替やらなんやらを済ませようと思っていたが、
明らかに時機を逃した長蛇の列に、
 
 
俺はたまらずコンビニに駆け込み、
 
 
ビールを買った。。。(昇天)
 
ビールがあれば、チェックインカウンターの長蛇の列もエンターテイメントのひとつだ。
 
そしてビールを飲みながらこうして旅行記を記している隙間時間が、
過去の複数の体験を反芻し、ときに閃いたように一本の線で繋がる。
旅と酒は切っては離せない。
 
 
 
 
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チェックイン待ちのこの手持ち無沙汰に、今回旅をするイスタンブールについて、
そう、
言わずと知れたイスタンブールについて一応触れておきたい。
 
 
イスタンブールは地理的文化的にヨーロッパとアジアの結節点に位置する街で、いわば文明の交差点と言える街だ。
 
そして歴史的にはローマ帝国のコンスタンティヌスがビザンティオンという旧名をコンスタンティノープルと改めて以来、
地中海世界の極めて重要な街であり続けた。
 
その繁栄は現在まで続き、世界でも有数の大都市圏として1000万人を超す人口を擁する。
 
そして、ローマ、オスマンをはじめとした国々が折り重なるようにしてその街を紡いでいった結果、
町並みをワンアンドオンリーなものとしてしている。
 
なるべくニュートラルに記述した結果、たぶんあまり魅力が伝わらない文になっていると思うが、
つまり、
世界史をかじった人だとミーハーにこの街が大好きになってしまう魅力が溢れている街なのだ。
とりわけ、オーセンティックなものに対するミーハーな愛を感じてしまう俺としては、
 
大☆好☆物
 
という言葉では表しきれないほど大好きな要素しかない街だ。
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で。
喜怒哀楽が欠如するほどの長いチェックインカウンターの列を待ったうえでチェックインすると、
 
なぜか5分ほど待たされた。
そんなに待たされるなんてめったにないので、どのパターンなのか全く読めない。
そして待たされた末に担当のお姉さん曰く、
 
 
 
 
「エコノミークラスからビジネスクラスへのご案内になります」
 
 
 
 
 
はーーーい、優勝(VICTORY)
 
 
エコノミーからビジネスクラスへの無料アップグレードイベントがここで発生。
今回の俺、持ってる。
エコノミーといえば、身長が高かったり横幅が広かったりする人のみならず、ありとあらゆる人の体力を削るものなのだが。
ははは(高笑い)
 
なんだこのゆとりは。
俺はマハラジャか。
 
 
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で。
上海浦東空港に着いたわけで。
そこから先は事前にシミュレーションしたとおり一旦入国する。
トランジットビザ用の用紙に記入しながら入国手続待ちの列に並んでいたのだが、
年末年始のせいか、まあなかなか列が捌けない。
とはいえ7時間もトランジットの時間があるのだからとのんびり構えていたところ、
なんと一時間も並んでいた(白目)
 
 
 
そして無事入国を済ませ、
では現金を手に入れようとATMに行くも、
なぜかvisaもmasterもキャッシングに使えない。
おいどういうことだってばよと思い、
今度は両替に行くと手数料を50元(約1000円)取るとのこと。 
 
やむを得ねえなあということで、3000円分の両替のために1000円を使うというこれ以上ないコスパの悪さの両替を行ったうえで、短い上海滞在をすることにした。
 
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到着したときは7時間もトランジットの時間があったのに、入国手続きやら現金を手に入れるのに通常以上に時間がかかってしまった。
おかげで入国後に空港の外で吸う空気がやたらと旨い。
 
 
ほとんど中国入国については今回調べていなかったが、もしかしたらもしかして中国に対して舐めプしすぎたのかもしれない。
 
それと、上海はキャッシュレス化が進みまくっているという話がここ数年出ているが、たしかにそのとおりだ。
 
そのとおりだが、一方で出張者が行くようなところでは現金決済もいまだに現役であることも同時に強調しなければならないかもしれない。
 
一旦現金を手に入れてしまえば、ほぼ自由に行動できる。
 
両替はボッタクリレベルの手数料を取ったものの、何も活動しない我慢に比べたら安いものだし、もっといえば、中国の観光ビザの手間と値段を考えれば安いものだ。
 
ということで、本日のメンラー。
 
 
沖縄そばから日本成分を抜いたような味と具。
素晴らしい味わいだ。
これを最後にしばらく俺は東アジア飯なし縛りの食生活へと移行する。
 
そして腹ごなしに空港の隣の駅へ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
!?!?!?!????
 
 
 
失敗した。
人がとにかく多い上海のことだから、空港最寄りの駅に降りてもそれなりに栄えていると思ったが、
控えめに言って、虚無。
もう一個となりの駅に行こうとも思ったが、フライトの時間が近づいてきたのでゲームセット。
 
何も無い場所もあることを知るのもまた旅。
自分が尊敬する釣人の方が「釣れなさそうな日に釣れないことを確認するのも釣り」と言っていたが、旅もまたそうなのかもしれない。
 
 
 
なお、余裕ぶって外をほっつき歩いた結果、浦東空港第1ターミナルの広さをすっかり舐めきっており、
 
搭乗時間終了ギリギリでイスタンブール行きの飛行機に間に合い、搭乗した最後の一人となったのだった。
 
さあいざトルコへ。