ザーッザーッザーッ


雨の中、私と愛佳は外に立っていた。




愛佳:理佐。




そう言って、愛佳は手を伸ばす。
私は伸ばされた手を掴んだ。


すると、愛佳は力を込めて、私を引き寄せる。


こんなこと、しちゃいけないって
分かってるのに… 
心で思っていても、簡単には離れられない。



愛佳:理佐…理佐。



愛佳は何度も私の名を呼ぶ。
その声も、雨でかき消されそう。



雨でびちゃびちゃになったシャツが
重なり合って、余計に冷たく感じる。




理佐:優しさで抱きしめてるの…?
私に同情してるの…?




そう問いかけてみても、愛佳は
無言だった。



理佐:なんか答えてよ…



私は、愛佳の胸の中に顔を埋めた。




愛佳:理佐…ごめん。



その ごめん は何に対してのごめん…?

梨加ちゃんと付き合うことになったから?
私の気持ち、知ってたのかな。




せめて今だけは、愛佳を独り占めしたくて、
私は余計な感情に蓋をした。




強い雨に打ちつけられて、
私たちの肌に当たる雨の音はすごい音が鳴ってる。





梨加:愛佳と理佐ちゃん…?何してるの?



何も知らない梨加ちゃんが、傘を差して、
私たちを見ている。



愛佳は焦ったように、私から離れようとするけど
私は愛佳を掴む手を離さなかった。




愛佳:…理佐?




これが最後の抵抗だよ。愛佳…



梨加:理佐ちゃん…



梨加ちゃんに名前を呼ばれたから、
私はやっと愛佳から、離れた。



理佐:ごめんね、転んだから、受け止めてもらってたの。じゃあ、ごゆっくり。




そう言って、下に落ちていた鞄を手に取って、
私は逃げるようにその場から去った。








梨加:愛佳…何してたの…?


愛佳:理佐の言ったこと、そのままだよ。


梨加:そっか…



…でも、なんで理佐ちゃん泣いてたの?







3人の感情が、雨でぐちゃぐちゃになってる。





ねぇ…梨加ちゃん。
私は梨加ちゃんよりずっと前から
愛佳の事、好きだったんだよ…