【お気に入り度★★★★☆】

 

【あらすじ】

港町で魚を売って平凡な暮らしをしていたジョンニョン。

天性の美しい歌声を持つジョンニョンは、ある日、偶然町を訪れた劇団スターのオッキョンに見出され、女性国劇の世界に足を踏み入れようとする。

しかし、ジョンニョンの母は、なぜか猛反対をする。

姉の助けを借りて、何とか上京するジョンニョン。

オッキョンが所属する女性国劇団「梅蘭」に研究生の補欠として採用される。

オッキョンのようなスターを目指して日々奮闘するジョンニョン。

ジョンニョンの前に、エリート研究生のヨンソが立ちはだかる・・・。

 

【雑記】

女性国劇って、今まで見たことも聴いたこともありませんでした。

最初、「なんだろ、この独特の歌やセリフ回しは???」だったのですが、伝統ある韓国の歌劇なんですね。

日本でいう宝塚みたいで、男役と娘役がいて、全員女性が演じています。

宝塚と違うのは、韓国の民族的な歌劇って感じです。

 

天才少女ジョンニョンが主人公で、スターになるまでの成功物語。

でも、ただのサクセスストーリーではなく、芸の道とは何ぞや?というところも深く掘り下げていて、しかも結構な尺で、舞台のシーンががっつりで見応えありました。

舞台で演じている内容が、うっすらと、演者たちの実際の想いとリンクしているっていうシーンが多くみられました。

 

ジョンニョンは、とにかく歌うことが大好きで、人前で歌ったり演じたりすることが楽しくてしかたないという天才肌。

真っすぐな性格で、分かりやすい。

しかし、まっすぐ過ぎて、いろいろやらかしてしまいます。

劇団を追い出されたり、舞台をぶち壊すような演じ方をしたり・・・。

私は、ジョンニョンが、「アルプスの少女ハイジ」に通じるように見えました。

無邪気さ全開で、周りを翻弄していることに気付いていないというか・・・。

でも、そんなジョンニョンも、だんだんと成長していくわけなんですね。

 

エリート研究生ヨンソは、母親に認めてもらいたい一心で、ひたすら努力を重ねてきました。

そこに天才が現れて、焦りを感じるんですね。

個人的には、ヨンソの苦悩の方が理解しやすかったです。

 

オッキョン先輩は、押しも押されぬ大スター。

日本でいう天海祐樹的な感じですかね。

オッキョンは、マンネリ化した国劇にうんざりしていて、ジョンニョンに刺激をもらい、新しいことを始めたかったんですね。

でも、団長さんは、これまでの伝統を崩したくはないという信念をもっていて、最終的にはオッキョンは離れてしまいます。

オッキョン先輩も、根っからの芸術家肌の人間なんですね。

 

登場人物みんな、それぞれ一生懸命に生きている人たちで、はじめ嫌なやつだった人も、最後にはいい終わり方でした。

劇団のお金を持ち逃げしたおっさん(何となくホリケン似・笑)以外は・・・。

 

最終話では、もう泣けてきました。

舞台で演じているジョンニョンはじめ、ヨンソ達の渾身の演技。

そして、客席にいる母親や団長たちの表情。

 

感動のドラマでした。

星★★★★4です。