皆さんこんばんは星空西森ですニコニコルンルン


本日はメイアクターズアカデミー静岡校の講師の日でした!
日帰り静岡出張だった訳ですが、先日のがたふぇすで日帰り新潟出張を体験したせいなのか、静岡がめちゃくちゃ近く感じる…!


やーでもやっぱり遠方に行くならゆったり行きたいなぁ笑い泣き

 

さて、こちらのポストがぷちバズりした件について。
個別での返信はしておりませんが、様々なご意見を拝見しました。


その中で、僕の意見に対し「反AI」とカテゴライズしている方もいましたが、僕はAIに対して反対をしているつもりは全くありません。
むしろ生活が便利になるなら、個人的にはぜひ取り入れるべき!という考え方です。

西森もNAFCAの事務局スタッフですので、全く同じ意見です。
現在の生成AIの「学習」と「生成」のあり方のままでは誰かの権利を侵害する可能性が非常に高く、また無断生成AIは確実に侵害するレベルのことをしているので、これについては大・大・大反対です。


そして今回の生成AIアニメについてですが、僕が問題だと考えているのは、「生成AIがアニメ業界の人手不足解消のカギになる」という報道のあり方についてです。
これは映像にも出ていた生成AIが今の日本のアニメ制作の作業の一端を担う事が出来る、もしくは出来るようになるという前提のもとに成り立ちます。
その様な報道しているところに「アニメクリエイターへのリスペクトがない」と感じた次第です。


現在のアニメ業界の問題ですが、


◉日本アニメ全売上の1割しか制作現場に降りてこない経済構造のせいで、アニメ従事者達の低賃金問題が改善されない。
◉ビジネス思考優先でアニメの本数が増えすぎたせいで、見習いレベルのアニメーターまで現場に駆り出され、労働時間も増加している。
◉技術のあるベテランが本来やるべき以上にフォローの作業に追われ、これも労働時間の増加に繋がっている。
◉ベテラン勢が後進育成に時間を割くことが出来ず、技術継承もままならない。
◉未成熟のまま精神、身体をすり減らしたアニメーターがどんどん辞めていき、更なる人材不足に。


と言った様々な問題があるのです。
まさに自転車操業で、ギリギリの状況になっているのが、今の日本のアニメ業界です。


技術のあるベテランアニメーターも50代60代になり、あと10年しない内に引退するような年齢にある今、日本のアニメ文化を守る為には『如何に技術を継承し、後進を育てるか』しか選択肢はありません。
その解決策として、NAFCAによるアニメータースキル検定の話に繋がる訳です。


生成AI自体はこれからも発展していくでしょうし、今後アニメ制作の一端を担うことも可能になるかもしれません。
しかし今世界に評価されているのは、日本のクリエイター達が作った、クリエイター達の技術の集大成でもある、日本のアニメーションなのです。
様々な知恵を絞り、技術を結集させた作品だからこそ、人々は日本アニメに様々な付加価値を感じているのだと思います。


仮に生成AI技術が発達して優れた道具になったとしても、扱う人間が育たなければ、今の日本アニメと同じものを作ることは出来ません。
またAI単体では、クリエイター達が生み出す付加価値を生み出すことも出来ません。
だからこそ「生成AIアニメが人手不足のカギになる」ことは、現時点では100%ありえないのです。
あの生成AIアニメを、日本が誇るアニメーションと同等に語って欲しくはなかったのです。


業界に対する理解を、もっと深めて欲しい。
そして本当に業界にとって何がプラスになるのが、どうすれば文化を守り、発展させることが出来るのか。
報道機関にも、そしてファンの皆様にも、是非そこを考えて欲しいと切に願います。


僕自身も声優業界の片隅に席を置く、一声優でしかありません。
それでも日本のアニメが好きだからこそ、この文化を守りたい、その為のNAFCAの活動になります。
自分に出来ること限りのことを、これからも引き続きやって行こうと思っています。


皆さまご理解とご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。