結婚のために恋愛し、どんなに好きでも結婚できないと別れてしまうという人は多いです。「人生の3大イベント」として、結婚を「生」「死」と並ぶぐらい重要なことだと思っている人も少なくありません。
「すべてはあなたに出会うためのストーリー」というCMを流す結婚式場もありましたが、結婚を「人生の目的」ぐらいに思っている人もいます。特に女性はそうです。男は仕事、女は結婚というのが相場です。
「一般的に女が男ほど稼がないのは、必要なぶんだけしか稼ごうとせず、金を稼ぐよりもやりがいのあること(子供の世話)があるからだ。男は女の気を引くために、必要以上に稼がなければならない」(アラン)
政府の統計(平成26年)によれば、生涯未婚率は男が約3割、女が約2割で、平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.4歳、未婚化、晩婚化が進んでいるようです。
また、18歳から34歳の未婚者のうち、男性の約7割、女性の約6割が「交際している異性はいない」と答えており、この割合は増加傾向にあるといいます。
しかし、「結婚する意思をもつ未婚者」は男女とも9割弱で推移、「いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は、いぜんとして高い水準にある」とも述べています。
多くの未婚者は「結婚の利点」として、「精神的な安らぎの場が得られる」と考えているようです。
確かに、種々の統計によれば未婚より既婚のほうが、生活満足度は概ね高いようですが、果たしてどうでしょうか。
〇結婚の難しさ
バーゼル大学のブルーノ・フライ教授らによる数千人を何年にもわたって観察したコホート研究によれば、結婚式直後が最も幸福度が高く、結婚式後の1年間で幸福度はピークに達し、そこから下がっていくといいます。そして、幸福度は研究対象期間の結婚式後10年間、ずっと連続的に下降していくそうです。
また、2017年に、ニュースサイト「しらべぇ」が20代~60代の既婚者の男女746人に調査したところ、7割以上が「結婚が幸せとは限らない」と回答したといいます。
世にある名言なるものを見ても、恋愛と違って結婚は厳しい言葉で溢れています。少し紹介しましょう。
「結婚するとき、私は女房を食べてしまいたいほど可愛いと思った。今考えると、あのとき食べておけばよかった」(アーサー・ゴッドフリー/俳優)
「結婚生活というものは幻滅であって、ある意味においてすべての結婚というものは、決して幸福なものではないと思う」(芥川龍之介)
「ウェディングケーキはこの世で最も危険な食べ物である」(アメリカの諺)
「人間は判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する」(アルマン・サラクルー/劇作家)
「独身者とは妻を見つけないことに成功した男である」(アンドレ・プレヴォー/テニス選手)
「私には女たちが象と同じように思える。眺めるのは好きだが、家に欲しいとは思わない」(W・C・フィールズ/俳優)
「一人でいるとき、女たちがどんなふうに時間をつぶすものか。もしそれを男たちが知ったら、男たちは決して結婚なんてしないだろう」(オー・ヘンリー/小説家)
「結婚はデザートよりスープが美味しいコース料理である」(オーマリー)
「金のために結婚するものは悪い人間であり、恋のために結婚するのは愚かな人間である」(サミュエル・ジョンソン/文学者)
「『人生最良のときは結婚式の日だった』『最悪のときは?』『それ以後の毎日』」(映画「シティ・スリッカーズ」より)
「妻を選ぶのはネクタイを買うのとよく似ている。選んだときは素敵に見えるが、家に帰って首に締めてみるとがっかりする」(ジョイ・アダムス/政治家)
「『いいことがある。僕たちは結婚しよう』『もっといいことがあるわ。結婚しないでおきましょう』」(映画「ジョルスン物語」より)
「指輪によって結婚はなりたつ。つまり、指輪とは鎖を編むものなのです」(シラー/歴史学者)
「一度結婚してしまうと、善良であること以外には何事も、そう、自殺でさえも残されていない」(スティーブンソン)
「朝夕の食事はうまからずともほめて食うべし」(伊達政宗/武将)
「あなたがもし孤独を恐れるのならば、結婚すべきではない」
「もし人生をやり直すのだったら、私は結婚しないでしょう」
「結婚生活で一番大切なものは忍耐である」(チェーホフ/小説家)
「結婚をしばしば宝くじにたとえるが、それは誤りだ。宝くじなら当たることもあるのだから」(バーナード・ショー/劇作家)
「結婚——いかなる羅針盤もかつて航路を発見したことのない荒海」(ハイネ/詩人)
「ずいぶん敵を持ったけど、妻よ、お前のようなやつは初めてだ」(バイロン/詩人)
「あらゆる人智の中で結婚に関する知識が一番遅れている」(バルザック/小説家)
「愛は結婚の夜明けであり、結婚は愛の日没である」(フィード)
「神が同棲を発明した。悪魔は結婚を発明した」(フランシス・ピカビア/画家)
「結婚は死と同じである。取り越し苦労は無用である」(ヘラルド)
「あらゆる真面目なことのなかで、結婚というやつが一番ふざけている」(ボーマルシュ/劇作家)
「夫婦が長続きする秘訣だって?それは、一緒にいる時間をなるべく少なくすることさ」(ポール・ニューマン/俳優)
「結婚したときのことを思い出すわ。あのころは最高に幸せだった。なのに、現状ときたら、どん底もいいところよ」(マドンナ)
「小さな結婚指輪に大きな苦痛が宿る」(映画「ミセスパーカー」より)
「結婚は、ほとんどすべての人が歓迎する悪である」(メナンドロス/喜劇作家)
「常に賢明な人間でありたいと思うなら、決して結婚はしてはならない。結婚というものは、ウナギをつかもうと思って、蛇の入っている袋に手を入れるようなものだ。結婚するくらいなら、まだ痛風にでもかかったほうがマシだ」(メレジコフスキー/詩人)
「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」(モンテーニュ/哲学者)
「結婚は雪景色のようなものである。初めはきれいだが、やがて雪解けしてぬかるみができる」(山本有三/小説家)
「人は、愛もなく妻を持つように、幸福もなく財産を持つ」(リヴァロール/哲学者)
「結婚とは、熱病とは逆に、発熱で始まり悪寒で終わる」
「恋は人を盲目にするが、結婚は視力を戻してくれる」(リヒテンベルグ/科学者)
「結婚を尻込みする人間は、戦場から逃亡する人間と同じだ」(R・L・スティーブンソン/小説家)
アインシュタインも結婚の苦しみを次のように語っています。
「私は元気でやっています。ナチズムと2人の妻に耐えて生き延びたことを考えると」
「信仰の異なる者どうしの結婚は危険です。が、それを言うならどんな結婚も危険です」
「結婚とは、文明的なものに見せかけた奴隷制にすぎない」
他にも「結婚は避けられない戦争」とか「結婚は成功しない試み」などとも言っています。
元東京都知事の石原慎太郎は新婚旅行で温泉に行った時、カランコロンと鳴る妻の下駄の音を聞いて、「一生この人と生活するのかと思ったらぞーっとした」と語っています。
タレントの有賀さつきも「(結婚は)刑務所に入るつもりでしようと思った」と言い、ビートたけしも次のように語っています。
「週に1回食事するんだけど、それが辛くてしょうがないんですよ。私はそれを営業と呼んでいますから。ずーっと文句を言われてそれで小遣いもらうわけですから。逆に、食事終わってカミさんとじゃあなと別れたときのこの解放感、これは凄いです。初めてタヒチ行ったような」
ホリエモンこと堀江貴文のように、「バツイチだけど、結婚は絶対しない。アホらしい。だから不倫することはないです」と言う人もいます。
私の母のように、幸せな時は「結婚も悪くないよ」と言い、不幸な時は「結婚してみなさい、大変だから」「結婚なんて詐欺みたいなもんだ」などと言う人もいます。
晩年になって「こんな家族のために苦労してきたのか」と嘆く人も少なくありません。
トルストイは最期、「妻だけはそばに寄せないでくれ」と言って死んでいったといいます。
・離婚
スザンヌ、離婚会見で大粒の涙「家族になれなかった」終始自分を責める(オリコン2015年03月18日)
西川貴教、吉村由美との離婚理由明かす「距離感あったほうが」(スポニチ2015年8月20日)
花田美恵子 元夫・虎上氏をバッサリ「家族にならなければ良い人」(スポニチ2016年6月23日)
武井壮、結婚観語った「離婚してより必要ないんだなって」(スポーツ報知2017年6月5日)
河野景子さん、涙の激白!離婚の真相「一つではなく積み重ね」(サンスポ2018年12月24日)
結婚の難しさは離婚件数の多さからもうかがえます。
結婚件数を離婚件数で割って計算される「離婚率」は、1975年12.6%、1995年25.1%、と上がり続け、近年は35%前後で推移しています。3組に1組以上の割合で離婚していることになりますが、日本が特に高いわけではなく平均的な数値です。
幸せになれると思って結婚した3組中1組が、「離婚したほうが今よりマシ」という結論に至っているわけですが、残りの3組中2組は幸せな結婚生活を持続できているのでしょうか。離婚は最終手段であることを考慮すれば、愛のない夫婦はもっと多いはずです。
・異性は理解し難い
どの年代の統計を見ても、離婚理由の第1位は男女ともにダントツで「性格の不一致」となっています。
これまで見てきたように男と女は、別の生物といっていいくらい大きな違いがあります。男性と女性は、肉体の違いよりも心の違いのほうがはるかに大きいといえるでしょう。
詩人のパット・モアは、「女は異国の土地である。どんな若い頃移住したとしても、男はついにその習慣、その政治、その言葉を理解しないだろう」と言いましたが、逆もしかりで、女からすれば「男は異国の土地」です。
たとえば、女は男の浮気性や沽券を理解できず、男は女の経済的な不安や愚痴を理解できないでしょう。夫が家族を喜ばせようと思って高価な肉を買ってきたとします。しかし、妻は経済の動物なので無駄遣いだと思います。こういったすれ違いも何度も起こるでしょう。
「男と女って、どうやっても100%理解しあえない生き物なんだと、結婚して思いしりました。だから、ぼくは無口になったんです」(32歳男)
とあるネットの投稿ですが、やがてこのように会話もなくなっていきます。
しかし近づくことはできるので、理解しようと努めることも大切です。
「大切なことは、人間は本来どちらの性をもあわせ持った存在であって、100%の男も100%の女もいない、それぞれ幾分かずつ異性性をあわせ持っているということです。その割合によって、女性っぽい男性、男性っぽい女性、あるいはどちらでもない人、その間を揺れながら生きる人というように、実に多様な存在として人間を理解してほしい」(村瀬幸浩/一橋大学講師)
「男女はそれぞれ外見的には大きく違っているようでも、男女とも男性ホルモンと女性ホルモンの二重支配を受けており、男性は女性に比べて男性ホルモンがせいぜい2倍程度多く、女性は男性に比べて女性ホルモンが5倍程度多いといった量的な差異だけだといわれている」(岸根卓郎/京都大学名誉教授)
自分が見たいように見てしまうのが人間です。ありのままに観察するよう努めるべきです。
・距離感
多くの人が言うように、結婚が難しい理由の1つに「距離感」はあるでしょう。
「1人暮らしをして、初めて1人じゃないことがわかった」というセリフが出てくる不動産会社のCMもありましたが、結婚に限らず、どんな人間関係でも距離感が大切です。
人間心理からいって、距離が近いと問題が生じやすくなります。人間関係というのはガラスのように壊れやすいのです。
高橋ジョージと離婚した三船美佳は、「今まで気にならなかったことが凄く気になる」と言っていました。
アインシュタインは、「ミレヴァ(元妻)には、一緒だったときはまったく耐えられませんでした。別れてみると好きになれます。ミレヴァは申し分ないように思えます」と語っています。
日本で「契約結婚」という人もいました。1年ごとに更新するのだそうです。
・赤い糸は血の色だった
1日平均3人と出会い、80年まで生きるとすると、87,600人としか出会えない計算になります。とすると、80億近い人口の99.9999%とは出会うことができません。次のような数字もよく見かけます。
何らかの接点を持つ人 30,000人
同じ学校や職場、近所の人 3,000人
親しく会話を持つ人 300人
友人と呼べる人 30人
親友と呼べる人 3人
いずれにしても、地球上のほとんどの人とは何の接点も持つことなく死んでいくことになるのは間違いありません。
仏教の教えからきている「袖振り合うも多生の縁」という諺もありますが、出会った人というのは、それだけで何らかの特別な因縁がある可能性があります。まして夫婦となるような人は「運命の人」といえるでしょう。
「生まれ変わり研究」で知られるヴァージニア大学のジム・タッカーは、「一つの生涯で培った関係は、次の生涯に引き継がれる可能性が示唆される」と言い、「他の人たちとの結びつきが、再生する場所を決めるうえで大きな役割を果たすかもしれない」と推測しています。
現在世で深い関係であるほど、過去世でも深い関係にあったのであり、未来世以降でも深い関係になるのではないでしょうか。
しかし、これまで見たように結婚は難しいものです。
釈迦は、「夫婦となる者は過去世で敵同士だった」と言います。さすが言うことが違います。
どうやら運命の赤い糸は血で染まっているようです。
第1章 性を知る
1.1 男の目当ては女のアソコ
1.2 男の性欲の強さ
1.3 男は沽券の動物
1.4 女の目当ては男の金
1.5 正しく努力する
1.6 結婚