「男の沽券にかかわる」というように、男は体面やプライドといったものが非常に高いです。

「ルビーの指環」という歌があります。この歌の中に「指環を俺に返すつもりならば捨ててくれ」という歌詞がありますが、これが男の沽券です。女なら「もったいない!バカじゃないの!?」と理解できないでしょう。

また、「股の下をくぐれば100万円もらえる」という話があったとしましょう。女なら喜んでくぐるでしょうが、男はできないのです。

〇男の暴力性

国連の報告書によれば、殺人は、加害者の95%、被害者の79%が男性だといいます。

アランは、「どんな人間社会でも、凶暴な犯罪や暴力行為を犯すのは、圧倒的に多くの場合、男であるということがあげられる」と言い、進化心理学者のマーティン・デイリーらの説を紹介しています。

彼らによれば、女は地位の高い、評判のよい男を選ぶので、男にとって地位と評判は繁殖成功度に直接的に影響し、そのため男は(無意識のうちに)自分の名誉を守ることに固執するのだそうです。そして、時には男を極端な行動に走らせると言い、殺人の根源にあるのは、命がけで地位と名誉を守ろうとする男の心理メカニズムであると論じています。

「男は競争に勝って、多数の女と配偶関係を結ぶ特権を得れば、百人単位、それどころか千人単位の子供を残せる。競争しなければ、かなりの確率で子供をまったくもてない可能性に直面する。競争に勝った場合の報酬と競争を避けることの代償との差が非常に大きい。女性はこの差がずっと小さい。(中略)だから女性は全体として男性ほど攻撃的、競争的、暴力的ではないのだ」

「犯罪者は普通の男たちとさして変わらない。犯罪者を含めて、男はすべて多かれ少なかれ同じような衝動をもっている。犯罪者だろうと、音楽家だろうと、画家、作家、科学者だろうと、彼らが犯罪なり芸術活動なり科学研究にいそしむのは、突き詰めていけば女にもてたいから、セックスをしたいからである。自分の力を誇示して、女に認めてもらいたい一心で、男たちはあらゆることをする」

「ちなみに、多くの進化心理学者が死刑には殺人を抑止する効果がないと考えているのもこのためだ。(中略)些細な口論がどんどんエスカレートして、抜き差しならぬ事態になるような現実の殺人事件の歯止めにはならないということだ」(アラン)

 

犯罪心理学が専門の精神科医、加賀乙彦は145名の殺人犯と面接して「犯行前に死刑を念頭に浮かべた者はただの1人もいなかった」と言い、「殺人の防止には、刑罰を重くするだけでは駄目なことは、私が多くの殺人犯に会ってみた結果、知り得た事実である」と言います。

女も男をめぐって競争しますが、暴力よりも悪口といった社会的攻撃が多いようです。

「女性に典型的に見られるタイプの社会的攻撃は、最も望ましい男性をめぐる同性間での競争であると同時に、子どもが産めなくなってしまう身体的損傷のリスクも回避している」(ジェシー・ベリング/実験心理学者/オタゴ大学准教授)

・結婚すると落ち着く

良くも悪くも結婚すると落ち着くようです。科学者は創造的な発見が減り、犯罪者は犯罪に走る確率が減っています。

「男たちは思春期に入ると競争心が高まり、第一子の誕生後は競争心が衰える。若い男を暴力や盗みや創造活動に駆り立てていた衝動は、子供ができたとたんに薄れて、なんとなく落ち着くたくなるのだが、その理由は本人もわかっていない。興味深いことに、犯罪者だろうと科学者だろうと、男たちがすることの多くは、たった1つの心理メカニズムに牛耳られていると推測されるのである」(アラン)

 

〇沽券の中傷はタブー

男女間には「言ってはいけないタブー」のようなものがあり、男の場合は沽券を傷つける言葉です。

たとえば、「甲斐性がない」とか「嫉妬深い男は嫌い」といった具合です。知らず知らずのうちに男の沽券を傷つけ、激情されたり恨まれたり、最悪殺されてしまった、という事件も少なくありません。

1回目の新型コロナウイルス緊急事態宣言が出される2日前、東京都江戸川区で、夫(59)が妻(57)を平手打ちしてケガをさせる事件がありました。夫は自ら119番通報しますが、その後、妻は頭を強く打ち搬送先の病院で死亡しました。夫は調べに対し、「妻から稼ぎが悪いといわれ、頭にきてやった」などと供述しているといいます。結婚して30年以上、近所の人たちによれば仲良し夫婦だったようです。

「地元では若いころからおしどり夫婦として知られている評判の夫婦でした。みなさん本当に驚いているし、気の毒に思っていますよ。旦那さんがなんとか情状酌量で無罪にならないかと願っています」

「夫婦は酒が強く、20代の若いころからよく連れだって飲みに行っていました。ホントに珍しいくらい仲のいい夫婦だった。なんで、こんなことになってしまったのか・・・・。コロナでストレスがたまっていた奥さんが、珍しく余計なことを言ってしまい、夫婦ゲンカに慣れていない旦那さんが、つい手を出してしまったのかも。でも、いまは旦那さん自身がいちばん後悔しているでしょうね」

妻の勤務先の店長も「うらやましいくらい、仲睦まじい夫婦でした」と語ります。

社会心理学者の碓井真史(新潟青陵大学大学院教授)はこの事件について、「言ってはいけないひと言でした。男性は基本的にプライドで生きており、仕事や稼ぎに誇りを持っている人が多いものです」と述べています。

また、少し遠回しに傷つけてしまう言い方もあるので注意すべきです。たとえば「隣の奥さんが夫に〇〇買ってもらったんだって」といった具合です。

タメ口だけでも怒らせることがあります。女はそこまで気にしないでしょう。むしろ、年上に見られたくないといった理由で敬語を嫌がるかもしれません。女には褒め言葉でも男には貶し言葉だったりすることがあります。

「あの人は何言っても怒らない」と言う女性もいますが、たとえ怒らなくとも我慢して腹に溜めています。そして、きっかけがあれば爆発してしまうのです。

大阪でも、「お前、ええ身分やのう」と言われたことをきっかけに妻を殴り殺す事件がありましたが、男は「今まで我慢していたものが全部切れてしまった」と言い、初めて振るった暴力だったといいます。前から妻の言葉はきつかったようで、親族や友人も男に同情します。証人出廷した長女は「父だけが悪いようには思えない。重い処罰は望みません」と涙を流し、妻の弟も「義兄は温厚で優しい人。これは事件ではなく事故。刑を軽くしてほしい」と訴えているといいます。

ちなみに、どんなに男らしくない男でも男心があり、どんなに女らしくない女でも女心があります。そして、どんな人でも、男は女に女らしさを求め、女は男に男らしさを求めています。裏を返せば、男は女らしくない女を嫌悪し、女は男らしくない男を嫌悪するということです。そのため恋をすると、男は男らしく振舞おうとし、女は女らしく振舞おうとします。

 

・別れ際は特に注意

特に注意しておきたいのが別れ際の言葉です。

「あなたは私にはもったいない」といった具合に、男の沽券を傷つけない別れ方をすることが大切です。

週刊誌に「“別れ上手”なモテ女が使う 恨まれずに『男を捨てる』決め台詞」というタイトルの記事がありました。

少し紹介すると、女性の恋愛事情に詳しいというライターの吉田潮が次のように語っています。

「ストーカーされやすい女性は、うまく別れられなかったケースがやっぱり多い。いわゆる“お盛ん”な女性たちにそのあたりを聞くと、経験豊富な女性ほど別れ上手です。彼女たちに共通するのが、真実を伝えない、突拍子もない理由を挙げない。たとえば、がんになったとか転勤するなんていうのは“盛り過ぎ”なんです。彼氏との関係を続けたいけれど、やむにやまれず彼氏のためを思って別れを選んだ——というストーリーを自然に作り上げるのがテッパンです。彼氏は男のプライドを保てるので、後腐れなく縁が切れます」

また、同時進行を含め、交際人数が100人を超えるという佐藤美香さん(仮名=33)は次のように語っています。

「たとえ事実でも『嫌いになった』とか、『他の人と付き合うことになった』とは絶対に言いません。言えば言うほどリベンジされますから」

「あなたと釣り合うように仕事に集中したい、とか、留学してスキルアップしたいの、はよく使います。復縁の希望を持たせるのでこじれることはないですね」

ちなみに、ストーカーの9割は男のようです。

私は「仏教を聞いて!」と逆にしつこく誘ってはどうかと思います。不真面目な人間はこういう話を嫌います。

 

・男は褒める

男は褒めるだけで動かしやすくなります。

「ハイスペック男性からモテて、パートナーから愛されている女性は、男性をヒーローにするのがとっても上手!それは、しょっちゅう悩みを相談したり困ってみせるということではありません。男性の行動に対して、感謝できるポイントを見つけて喜びを伝える回数が多くて、少しオーバーなくらいにわかりやすく伝えているのです。彼の『ヒーローポイント』をたくさん発掘できる女性は、ずっと大切にされ続けます」(「なぜ、彼女ばかりがハイスペ男子に選ばれるのか?」より)

女が近くにいるだけで男は名誉欲が刺激されます。こんな実験もあります。

スケートボーダーに男の研究者が近づき「練習中の技を10回連続で試す姿を撮影したい」と依頼しました。そして技を終えた後に、スケートボーダーの唾液を採取してテストステロンの分泌量を測定しました。次に、男の研究者ではなく美女に代えて同じように依頼、その後、分泌量を測定しました。すると、男性研究者の場合よりも分泌量が増えたといいます。さらに、テストステロンの濃度が上がるほど、スケートボーダーはより危険を冒したそうです。

 

・男は意地で破滅する

意地や我慢が強いこと自体は善でも悪でもありませんが、男は意地を張るべき時ではない時に意地を張ってしまうことがあります。場合によっては沽券のためなら命さえ捨ててしまうこともあるので、よくよく注意すべきです。一方、女は男のような意地や我慢はないので、この点、男は真似すべきです。

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第1章 性を知る
1.1 男の目当ては女のアソコ
1.2 男の性欲の強さ
1.3 男は沽券の動物
1.4 女の目当ては男の金
1.5 正しく努力する
1.6 結婚