男は女と比べて浮気性です。
男は多くの子孫を残すために遺伝子をばらまけるようにできていますが、女は身籠れる数が限られているため最も強い遺伝子を残そうとします。男は100人の女と関係を持てば100人子供をつくれる可能性がありますが、女は100人の男と関係を持ってもそうはいきません。精子は1日で数千万~数億個作られるのに対し、卵子は1か月で400個程度です。
「一般に、オスはメスに比べて相手かまわずに交尾する傾向が強い。メスは限られた卵子を比較的ゆっくりした速度でつくりだすので、異なるオスとやたらに多くの交尾を重ねても利益は何もないのである。一方、オスのほうは、毎日莫大な数の精子をつくることができるので、相手かまわずできるだけ多くの交尾をおこなうことで大いに利益を上げることができる」(リチャード・ドーキンス/「利己的な遺伝子」などの著書で知られる動物学者)
「男性と違って、女性にとっては、多くのセックスパートナーをもつ生物学的メリットがほとんどない。そのため、男は女よりもはるかに多くのセックスパートナーを求めるような淘汰が働いている」
「一生につくれる子供の数が限られていることを考えると、望ましくない相手とのセックスの潜在的なリスクは、女性のほうがはるかに大きい。それゆえ、女性は見ず知らずの相手とのセックスに非常に慎重だ。女性はセックスに踏みきる前に、時間をかけて相手を知ろうとする」
「大学生を対象にした有名な研究では、男子学生の75%がゆきずりの魅力的な女性と喜んでセックスをすると答えたが、見知らぬ魅力的な男性とセックスしてもよいと答えた女子学生はゼロだった」
「クリントンと他の大統領(未来の大統領も含め)の違いは、在任中に不倫をしたことではない。進化的には、不倫をしないほうが不思議だ。クリントンの場合は、不倫が発覚し、派手な政治的スキャンダルになった点が特別だった」(アラン)
性科学者のアルフレッド・キンゼイは、「人間男性は、もしも社会的束縛がなければ、全生涯を通じて乱婚的に性的パートナーを選択することであろう」と言います。
また、政治的指導者の配偶行動と繁殖について研究しているローラ・L・ベツィグは、「権力をもつ男は、法律上は一度に1人の妻しかもたず一夫一妻の結婚生活を営みながら、例外なしに愛人なり、女奴隷をもち一夫多妻の性行動をしてきた」と言います。
フリーライターの亀山早苗は「なぜ人は不倫をするのか」をテーマに8人の専門家に質問していますが、全員が不倫を否定しなかったといいます。
「意外でなおかつ非常に興味深かったのは、学者が誰ひとりとして不倫を『してはならないもの』と否定しなかったことだ。動物学的には当然のことであり、社会学的に見ても『やむを得ないこと』という結論しか出てこない」(亀山)
たとえば次のような話を紹介しています。
「人はなぜ不倫をしないのかのほうが不思議です。その前段階として、人はなぜ結婚という守れない約束をするのか、がもっと不思議」(上野千鶴子/社会学者/立命館大学教授)
「動物にとって浮気は当たり前の事実。でもだからといって、人間もしていいというつもりはありません。そこには人間社会ならではの価値観があるのですから。ただ『動物としては当然ですよ』とだけ言っておきたいと思います(笑)」(竹内久美子/動物行動学者)
「人はなぜ不倫をするのか、という答えは『しちゃうから』ですよ(笑)しちゃうようにできている」(山元大輔/行動遺伝学者/東北大学教授)
・事例紹介
・心の浮気
・女から男に変わった人の視点
・煩悩は消せない
・縁がくれば誰でも浮気する
・どんな性犯罪でもする
・単なる物体に思えない
・2種類の浮気
・簡単にやらせない
・並列の愛
・男は浮気を悪いと思っていない
・どんな美人でも飽きる
・釣った魚に餌をやらない
・頼りがいがなくなる
・振る前に振られている
・真剣度を金で測る
・努力の裏に性欲あり
・男には狩猟本能がある
・浮気は悪か
・「この女は俺に気がある」という勘違い
・男はもっと好意を伝える
・対象外の男を見直す
・事例紹介
実際、浮気する人は多く、コンドームメーカー相模ゴム工業の浮気率調査によれば、男性26.9%、女性16.3%という結果が公開されています(20~60代の男女14,100名を対象に2013年に調査、性に関する最大規模の調査だという)。
連日、有名人の浮気が週刊誌で撮られているのも周知の通りです。
有村昆が活動自粛しレギュラー全5本を降板へ(東スポ2021年5月14日)
紅白8回 コブクロ不倫相手が「自殺未遂」していた(文春オンライン2021年5月11日)
宮崎謙介氏は直撃取材に…《4年ぶり2度目の不倫発覚》(週刊文春2020年11月27日)
ブラザートム、熊本地震支援の陰で「モラハラ」不倫!(FLASH2020年10月13日)
アンジャッシュ渡部建 複数女性との不倫認める(週刊文春2020年6月18日)
杏に同情の声集まる 夫・東出昌大の不倫は、父・渡辺謙の不倫問題と同時期!(リアルライブ2020年1月23日)
屋外不倫は「……してはいけないことです」直撃取材に完落ちした“丸腰デカ”原田龍二(文春オンライン2019年5月29日)
千原兄、威風堂々の「名古屋不倫」(文春オンライン2019年5月15日)
桂文枝「絶句」 20年愛人『紫艶』が41歳で孤独死していた(FRIDAY2019年05月02日)
小塚崇彦、大島由香里アナの妊娠中に「自宅」で不倫(FLASH2018年12月17日)
安田美沙子 夫の浮気でブチギレ「自分が前科あんのにどの口が言うとんねん!」(デイリースポーツ2018年06月29日)
世界遺産「薬師寺」トップが不倫辞任(週刊新潮2018年5月24日)
小室哲哉 妻・KEIKO介護の陰で看護師との裏切り行為(文春オンライン2018年1月17日)
インディ王者「佐藤琢磨」が「内藤聡子」と7年不倫(週刊新潮2017年11月23日)
板尾創路、グラドルと不倫…事務所認め「おおむね報道の通り」(スポニチ2017年11月19日)
スリムクラブ真栄田、100回の不倫を経験(AbemaTV2017年09月22日)
雨上がり宮迫博之“決死の不倫”直撃動画を公開!(文藝春秋2017年8月8日)
「君の名は」新海監督が不倫、30代美人編集者と(日刊スポーツ2017年6月13日)
仲間由紀恵の留守を狙い、田中哲司3年目の浮気(FRIDAY2017年06月02日)
渡辺謙(57歳)不倫 in ニューヨーク 仰天2ショット(週刊文春2017年4月6日)
8・6秒バズーカーのシングル“16股不倫”で妻から人殺し呼ばわり(デイリースポーツ2017年03月11日)
KANA-BOON・飯田、清水富美加との不倫は「妻との離婚をほのめかしつつ交際を続けた」(サンスポ2017年2月21日)
「嫁大事芸人」COWCOW善しが“あたりまえ?不倫”(週刊文春2017年1月25日)
民進党議員、舞台女優をホテルへ引っ張り玉砕のすごい言い訳(週刊新潮2016年12月29日)
コブクロ・小渕健太郎の過去の不倫が次々と発覚 2人の女性が証言(週刊新潮2016年10月27日)
日教組委員長の「ダブル不倫」が発覚 組合費での豪遊も(週刊新潮2016年10月20日)
橋之助、25分間で「不徳の致すところ」8回 不倫報道受け会見(スポニチ2016年9月15日)
元SMAP森且行糟糠妻と別居!始めてた杏里似美女との不倫同棲(女性自身2016年08月22日)
鈴木紗理奈 封印してきた離婚理由を解禁「浮気や浮気!浮気ばっかり」(スポニチ2016年7月16日)
ファンキー加藤、アンタ柴田の妻とW不倫!デキたベイビーを認知へ(週刊女性2016年6月21日)
「乙武洋匡」氏が不倫を認める 過去を含め5人の女性と(週刊新潮2016年3月31日)
米米CLUB石井竜也が不倫発覚で“即日謝罪”した複雑な家庭事情(デイリーニュース2016年3月23日)
イクメン議員が妻の出産中に自宅で…ゲスすぎる不倫に物議(デイリーニュース2016年2月10日)
「おしどり夫婦」「愛妻家」「イクメン」「好青年」「純愛を唄うアーティスト」etc.世間の印象が良い男が並んでいます。
思わずカエサルのように「お前もか!」と言いたくなりますが、それだけ性欲は強いのです。ちなみに、オシドリも相当な率で浮気による子供が生まれているそうです。
こんな話もあります。
兵庫県、西宮神社の「福男選び」は、年始の恒例行事となっており、2019年は消防士の男性が選ばれました。これをたまたまテレビで見ていた交際相手の女性は驚きました。実は、この「福男」には妻子がおり、そのことをこの時まで知らずに交際していたからです。不倫がバレた「福男」は酷く落ち込んでいるといいます。
僧侶も大して変わりません。
薬師寺管主、村上太胤(71)の浮気が週刊誌に撮られたので、そのやり取りも参考までに抜粋しましょう。
「薬師寺は夫婦の愛をめぐる寺である。(中略)寺のトップががんに罹患した妻を裏切るように、道ならぬ恋に現を抜かしていたのである。(中略)法話のために上京した管主を東京別院前で直撃すると、『冗談でしょ』そんな事実は毛ほどもないと言わんばかりだが、その後、管主側から『夜に取材を受けたい』と申し出があった。(中略)蛇が鎌首をもたげていることに変わりないのを悟ったのか。翌日、管主の長男で薬師寺の僧侶を務める定運氏、そして弁護士同伴での取材と相成った。以下、その問答である。
太胤:愛人なんて本当に思ったこともないし、あの、お店でね、「係の、当番の女性や」としか。
記者:一般的にこれを何と呼びますかね。
太胤:まぁ飲み友達ぐらいの、という言い方は変ですかねえ。
記者:飲み友達と性行為するんですか、管主は
太胤:何と言うのか。ちょっと言葉が(出ない)
(中略)
記者:仏教における「五戒」。当然ご承知だと思うんですが、今、そらんじていただけますか。
太胤:不殺生戒、不偸盗戒、不邪淫戒、不妄語戒、不飲酒戒。
記者:不邪淫戒とは?
太胤:邪なそういった関係ということですね
記者:不道徳な性行為ということですね。不妄語戒とは?
太胤:ウソ偽り(を言ってはいけない)ということですよね。
記者:昨日、我々がお話を伺ったときに、「そんな御冗談を」と全否定されましたね。
太胤:そうでしたかね、すいません
記者:では、不飲酒戒とは?
太胤:お酒を飲みすぎないようにということですね
記者:実際は「飲んではいけない」という戒めですよね。
太胤:本当ですね。仰る通り」
江戸後期の国学者、本居宣長に次のようなエピソードがあります。
ある時、弟子の齋藤彦麿らが宣長を誉め称えていました。
「学問といい人格といい、本居先生こそ本当の活神様だ」
すると、傍にいた女中が急に泣き出しました。どうしたのか聞いてみると、女中はこう答えました。
「その活神様が年甲斐もなく、夜になると毎晩のように私のもとへ遣ってくるのです。昨夜も遣ってきて、あまりにうるさいので足で蹴とばしてやりました。活神様を蹴とばしたので、私はきっと罰があたると思うて悲しくなったのです」
これを聞いて彦麿らは、しばらく開いた口がふさがらなかったといいます。
本当にあった話かどうかは別として、こういった話が伝わっているというのが興味深く、男性心理からしてさもありなんと思える話です。
もちろん日本人だけが浮気するのではありません。
「アシュレイ・マディソン」という不倫専用の出会い系サイトがあります。「人生一度。不倫をしましょう」というキャッチコピーでも有名なこのサイトは、ハッキングされ会員情報が流出したことがあります。内容が内容だけに、事件に関係して自殺者まで出たといいますが、注目したいのは流出した数が3200万人分もあったという点です。それだけ不倫したい男がいたということです。
ちなみに、このサイトは女性ユーザーの割合が15%しかいませんでしたが、ほとんどはダミーだったことも今回の流出で明らかになりました。存在しない女に金と時間を使った上、個人情報まで公開されたのです。
どれほど頭が良くても性欲はあります。アインシュタインはエルザという妻がいながら、6人の女性と関係を持っていました。
どれほど忙しくても性欲を満たすためなら時間をつくろうとします。クリントン大統領は浮気していました。アメリカの大統領ほど忙しい人はそういないでしょう。浮気する時間は作れたのです。
女優のスーザン・ストラスバーグは、ケネディ大統領のパーティに呼ばれた時のことを次のように語っています。
「大統領特別補佐官のアーサー・シュレジンジャー、国連大使のアドレイ・スティーヴンソン、大統領の弟で司法長官のロバート・ケネディといった立派な男たち全員が、まるで10代の男の子のように、彼女(マリリン・モンロー)の近くの場所を占めようと押し合った。これが国を司る男たちなのか?さらなる幻滅。リンドン・ジョンソン副大統領がわたしのドレスを手で撫でまわし、わたしを誘った。『わたしの膝にすわってごらん、いい子だね』と」
「英国『ロックダウン教授』が“パンツダウン” 人妻と濃厚接触で電撃辞任」(週刊文春2020年5月21日号)というニュースもありました。
イギリス政府の非常時科学諮問委員会(日本では専門家会議にあたる)のメンバーであり、感染症数理モデルのスペシャリストであるニール・ファーガソン教授が人妻と密会していたというものです。教授は英国では「ロックダウン教授」と呼ばれていたため、マスコミから「ロックダウン教授のパンツダウン」などと皮肉られているそうです。
日本でも、「自粛が足りない」と首相を批判していた高井崇志議員が、緊急事態宣言下に風俗店へ行き除籍処分となりましたが、どこも似たようなものです。
インドネシアで「不倫にむち打ち刑推進派の男性、不倫発覚でむち打ち」というニュースもありました。男の悲しい性がわかる話です。
カマキリのオスは、メスに頭部を食べられてしまっても残りの残骸だけで交尾を続けるそうですが、人間のオスと似ているところがあります。
・心の浮気
これまで紹介した浮気の事例は、身体の行為となって表面化したものの一部にすぎません。あらゆる行為の大元である「心」に目を向ければ、誰もが浮気しています。
それは、今日「聖僧」と評されるような人でも同じです。
鎌倉時代の僧侶、親鸞は、9歳から29歳までの20年間、比叡山延暦寺で修行していました。
当時の比叡山には、にわか坊主となった平家の落武者がたむろしており、元より修行する気のない彼らは、祇園などへ行き女遊びに興じていました。そのような姿を見て親鸞は、「自分だけは身を清浄にして修行してみせよう」と固く決意します。
しかし、ある日のこと、次のようなことに気がつきます。
「彼らは性欲を満たした後は一時的とはいえ女のことを忘れている(いわゆる賢者タイム)。しかしこの親鸞は、性欲を消そうとすればするほど女のことが思われてならない」
親鸞といえば、煩悩を消すために血みどろの修行をし、「叡山の麒麟児」とまで評された人です。
中には有名な千日回峰行もあります。この修行は、地球1周分の距離を走ったり、堂入り(9日間、堂に籠って水や食、睡眠を断ち、横にもならず不動明王に向かい続ける)といった荒行です。もし病気になったりして途中で失敗すれば自害しなければなりません。
このような修行を20年も行ったといいますから、人間ができる限界に近い修行をしたといえるでしょう。それでも煩悩は消すことができず、心では女を抱きずくめであり、愛欲の海に沈没していると言うのです。
「定水を凝らすといえども識浪しきりに動き、心月を観ずといえども妄雲なお覆う」(歎徳文)
(訳:波一つ立たない水面のように心を静めようとしても煩悩の荒波がしきりに動き、心に悟りの月を観じようと思っても煩悩の群雲が覆ってしまう)
「凡夫というは、無明煩悩われらが身にみちみちて、欲もおおく、怒り、腹だち、そねみ、ねたむ心多く、ひまなくして臨終の一念に至るまで止どまらず、消えず、絶えず」(一念多念文意)
(訳:凡夫というのは、煩悩が身に満ち溢れ、欲も多く、怒り、腹立ち、嫉み、妬む心が多く、常に絶え間なく、完全に命が終わる一念に至るまで止まらず、消えず、絶えない)
「悲しきかな、愚禿鸞、愛欲の広海に沈没し、名利の太山に迷惑して、定聚の数に入ることを喜ばず、真証の証に近づくことを快しまず。恥ずべし、傷むべし」(教行信証)
(訳:何と悲しいことだろうか。この愚かな親鸞は、愛欲の広い海に沈み切っており、山のように大きな名誉欲や利益欲に迷い惑っており、真実の幸福が欲しいと思う心が微塵もない。何と恥ずべきことであり、傷ましいことであろうか)
親鸞は修行に限界を感じ、比叡山を下りたのでした。
同じく鎌倉時代の華厳宗僧侶、明恵も戒律を非常に厳しく守っていたことで知られています。
「母親以外、眼を上げて女を見なかった」とか「肉体を切ろうとまで思い詰め耳を切り落とした」といったエピソードがあります。道徳・倫理の目からいくら粗探しをしても、それらしき言動は彼には見つかりません。今でいえば、いくら文春が追跡しようがネットの履歴を見ようが見当たらないような人です。
そんな、一見すると非の打ち所がない明恵ですが、夢の中で女と性交したことを彼は告白しています(夢と現実は密接な関係があり、この点については第2巻参照)。
仏教が「心の行い」を重視していることがわかる次のようなエピソードもあります。
明治時代に原坦山という僧侶がいました。彼は最初、儒学と医学を学んでいましたが、仏教僧との論争に敗れて禅宗の僧侶になったという人です。
坦山が連れの僧と2人で諸国を行脚していた時のことです。
川を渡れずに困っている美しい娘に出会いました。見かねた坦山は娘のところへ寄っていくと、両手で娘の体をひょいっと抱きかかえて川を渡してやりました。娘は恥ずかしさのあまり、お礼を言うのも忘れて去っていきました。そして坦山は何事もなかったかのような顔をして、また旅を続けました。
ところが、それまでよくしゃべっていた連れの僧が一言も口をきかなくなりました。「火柱抱いても女を抱くな」という禅宗の戒めを破った坦山に腹を立てていたのです。
やがて日も暮れにかかってきたので、坦山が連れの僧に「そろそろ宿を探して泊まることにしよう」と声をかけました。連れの僧は、その言葉を待っていたかのように初めて口を開き、「女を抱いた生臭坊主と一緒に泊まれるか」と言いました。すると坦山は、「なあんだ、お前はまだあの女を抱いていたのか。俺は川を渡したところで放してしまったぞ」と言って笑ったといいます。
仏教が「心の行い」を重視するのは、「思っただけ」で済まない重大な問題があるからですが、それについては後述します。
マリリン・モンローのような美女が近くを通れば、心が動き目が向きます。心で女を犯し、欲を満たしている姿です。本当は肉体でも満たしたいのですが、大抵は惜しみながら見過ごすしかありません。そしてまた別の美女が通って心が動き・・・・ということを死ぬまで繰り返します。
もっと男の本性を抉り出せば、美女だけでなく、すべての女を心で犯しています。ある哲学者が言ったように、「もし男が目だけで女をはらませることができるならば、80、90のお婆さんに至るまで、道行く女性は1人残らず妊娠する」のです。
そして、心だけでなく実際に肉体で犯すこともあります。
「ババアなんて相手にしたくない」と思うでしょうが、飢えれば対象になります。食欲と同じです。平時は美味しい食事(若い女)が手に入るから、そう思わないだけです。たとえば戦時中には、敵兵に犯されないようにお婆さんが顔に墨を塗って逃げたという話が伝わっています。
ちなみに、性欲は食欲とかなり似ているので、食欲でたとえるとわかりやすいです。
先に紹介したように、ガンジーは夫婦の交渉を絶ちました。意志が強い人であったのは間違いないでしょう。しかし、それで根本解決になったかというとそうではないのです。依然として「心の行い」は絶たれていません。
どれほど性欲がないと主張する男だろうが、勃起しなくなったジジイだろうが性欲は消えておらず、美女が通れば心は勃起します。
人前では、いかにも性に興味がなさそうに振舞ったり、嫌悪しているように見せかけたりする男はたくさんいます。両親のセックスで誕生し、自分にも性欲があるというのに、それを素直に認めないようとしないのです。小説家の梅崎春生は「近頃の若い者云々という中年以上の発言は、おおむね青春に対する嫉妬の裏返しの表現である」と言いましたが、嫉妬心から批判する人もたくさんいます。
また、口や身体の行為の1部を見て、浮気しない誠実な男がいると思ってしまう女もゴマンといます。タレントの小倉優子は以前、夫について「遊び人なのかなと思ったらすごくまじめ」「好きなところは誠実なところ」「夫の浮気は絶対にないと思います!」などと言っていました。しかし夫は浮気しました。
すべての男は、実際は性欲が逆巻く「性実」な男であり、浮気しっぱなしの淫獣です。誠実で立派な男が浮気したのではなく、浮気したいいっぱいの本性を隠して誠実で立派そうに見せていた男が浮気したのです。
・女から男に変わった人の視点
これまで説明したことは女には理解し難いでしょう。
性転換手術で女から男になった人の次の体験談は理解の助けになるかもしれません。
「世界が、まさに変わります。1番圧倒的だった感覚は、性的衝動が信じられないほど増えたということと、女性に対する感じ方の変化でした」
「素敵なくるぶしや何かだけで十分に、私の頭の中は、攻撃的でポルノ的なイメージで溢れかえったのです。次から次へと」
「私が見るものすべて、私が触れるものすべてがセックスになるんです」
「大抵の場合に、私は怪物のような感じでした。それで、男というものがわかったんです。思春期の少年がどんなか、ということも、すごくよくわかりました」
女を見るのはもちろんのこと、女が触れた物を触れることにも恥ずかしさや罪悪感を感じる男もいます。それは敏感な感覚であり、「真面目な男」といえます。そのことが少しは理解できるのではないでしょうか。
・煩悩は消せない
煩悩とは、書いて字の如く人間を煩わせ悩ませる心です。
煩悩は、一般的には108あるといわれますが、これは満数といって無限を意味します。ちなみに、除夜の鐘を108回叩くのは、この煩悩の数からきています。「今年は煩わされた一年だったが、来年は煩わされないように」という願いを込めて叩くわけです。もちろん、叩いたぐらいで何ともなるものではありません。
煩悩の中で特に強いものが3つあり、三毒の煩悩といわれます。
貪欲:欲を貪るように求める心
瞋恚:怒りの心
愚痴:因果の法則といった真理に無知な心
三毒の煩悩に次の3つを加えたものが、六大煩悩とされます。
疑:物事や人を疑う心
慢:自惚れる心
悪見:物事や人の悪い面を見ようとする心
他にもありますが、この6つの煩悩が根本煩悩であり、他の煩悩は6大煩悩に伴って起こります。
生きている限り煩悩は消すことはできません。いつの時代も、肉体の1部を切除すれば苦しみから解放されると考える人はいますが、その努力は徒労に帰します。
性欲を悪、禁欲を善と考える人もいます。
ケロッグ・コーンフレークの開発者である医学博士のジョン・ハーヴェイ・ケロッグは、アメリカの禁欲主義・菜食主義のセブンスデー・アドベンチスト教会の熱心な信者でした。
彼はマスターベーションを禁忌とし、性欲を抑える様々な方法を説き、そのために有効な健康食としてシリアル食品を開発・普及しました。朝食用シリアルは、もともと思春期の少年を息子に持つ親たちに、マスターベーションという「悪」を追い払う手助けになる食べ物として売られたものだったといいます。
性教育の第一人者だったケロッグは、親が息子たちの自然なエロスの自己探求をどう扱えば良いかについて、次のように答えています。
「幼い少年においては、ほとんどつねに成功する治療が、陰茎包皮切除である」
「手術は外科医によって行われるべきだが、麻酔を用いてはならない。なぜなら、手術に伴う短時間の痛みが、精神に有益な影響を及ぼすからである。とりわけその痛みが、罰という発想に結びついてくれるなら」
また彼は、「勃起を妨げるように、銀の糸で縫合する方法」も推奨しています。
「包皮を引っ張って亀頭の上に被せ、銀の糸を針に通して、それで皮を縫い合わせる。しばらくして抜糸すれば、先端はくっついて閉じてしまう。こうなれば勃起することは不可能となる」
彼は女の子に対してもクリトリスを石炭酸で焼灼し、それを自分で触れてはいけないことを教えるよう助言しています。
ケロッグのように考える人は多いですが、こういったことをいくらしても根本解決にはなりません。ですので、別の方法を取る必要があるのですが、その方法については後述します。
ちなみに、脳の特定の部位に電気的な刺激を与えるとオルガスムを感じるようです。
「オルガスムとは、性器への刺激によって得られる快感やその絶頂だというのが衆目の一致するところだと思うが、性器以外からの刺激によっても得られるという事実に、まず驚かされる方が多いのではないだろうか。肩に触れられただけで、さらに想像しただけでも、オルガスムを感じてしまうという人がおり、それは血圧の上昇や瞳孔の拡大などで医学的に確認できるというのだ。さらに、脊髄を損傷し下半身が不随でも感じる人がいる話に至っては、まさに人体の不思議と驚異に感嘆してしまう」
「去勢した男性でも、性的反応を経験したことが観察されている。去勢後何年か経ってからでも、オルガスムに至ることすらある」
「複数の証拠から、脳は生殖器の感覚活動とは関係なく、男性にも女性にもオルガスムを感じさせることがわかっている」(「オルガスムの科学」より)
・縁がくれば誰でも浮気する
このように心では女を抱きずくめなので、きっかけがくれば肉体でも浮気します。
結婚相談所のサンマリエの調査によれば、「浮気願望はあるか」という質問に対して「ある」と答えた男は75%、女は42%だったといいます。他の団体による調査でも似たような数字が出ています。では、残りの男に浮気願望がないかというとそうではなく、自分の心に気づいていないだけです。
「浮気は不誠実な人だけがするものではない。条件が揃えば、真面目な人でもいとも簡単に浮気をする。その条件を、専門家は”3つのA”と呼ぶ。Affordable(費用面をクリアし)、Accessible(相手がいて)、Anonymous(バレなければ)という条件が揃えば、浮気をする可能性が高くなる。(中略)
厚い信仰心を持ちながら浮気する人もいれば、配偶者に満足しているにもかかわらず浮気をする人もいる(浮気経験のある女性の3分の1以上、男性では半数以上が、恋人/配偶者に不満を持っているわけではないのに浮気をしたという調査結果がある)。そう、浮気は誰でもする可能性があるのだ」(ニューズウィーク2018年6月25日)
強引に女性をホテルに連れ込もうとしていたところを週刊誌に直撃されたという初鹿明博議員。この時に彼は、「女房とセックスなんて、もうしてないからね。みんな奥さん以外に、はけ口求めていると思うよ」と言っていますが、これが男の本心です。ちなみに彼のサイトには「宝物は妻と子ども達(一男二女)」と書かれています。
さだまさしの歌に「関白宣言」というのがあります。
歌の中では「俺の愛する女は生涯お前 ただ一人」と言っています。しかし一方で、次のようにも言っています。
「俺は浮気はしない たぶんしないと思う しないんじゃないかな ま、ちょっと覚悟はしておけ」
この歌の通り、腹底を尋ねれば自信が揺らいでくるでしょう。
・どんな性犯罪でもする
もっと言えば、縁さえくれば浮気どころか、どんな性犯罪でもしてしまいます(詳しくは第4巻「悪は造りやすい」)。
歎異抄には、「さるべき業縁の催せば、如何なる振舞もすべし」という有名な言葉があります。「縁さえくれば、人間はどんな振る舞いもする」という意味です。
進化心理学の創始者、リーダ・コスミデスは、「心はアーミーナイフのようだ」と言いました。アーミーナイフは、柄の中にナイフやハサミ、ドライバーといった多様な道具を格納しています。普段は息をひそめている心理が必要に迫られると現れてくるさまが、アーミーナイフにそっくりだと言うのです。
以前、ある弁護士に法律相談をしていた時の話です。
傲慢な弁護士が多い中、その弁護士は親切丁寧だったためよく相談していたのですが(東大法学部出身の弁護士で、聞けばかなりの苦労人だった)、ある日、その弁護士と突然連絡が取れなくなりました。後から聞いた話によると、痴漢で捕まったのだといいます。一瞬驚きましたが、男心もよく知っていたので意外という感じはしなかったことを覚えています。自分も気をつけねばと改めて思ったのでした。
・単なる物体に思えない
このような男性心理があるので、女と接する時は注意する必要があります。女も、男にはこのような心理があることを知るべきです。
「体は物体にしか見えないし、いやらしく見えないから大丈夫」などと女性客を信じこませ、わいせつ行為をした整体院の院長もいましたが、単なる物体と思うことは到底できません。
先ほど、原坦山のエピソードを紹介しましたが、この話にも怪しい点があります。彼は「俺は川を渡したところで放してしまった」と言っていますが、女を抱いた感触を忘れられるわけがありません。坦山は嘘をついているとしか思えないのです。
・2種類の浮気
「好き」に2種類あるわけですから、浮気にも2種類あります。つまり、恋愛目的の浮気なのか、セフレ目的の浮気なのか、です。浮気も2種類がごちゃまぜになっています。
後で見るように、女性はセフレ目的の浮気より、恋愛目的の浮気を許せない傾向があります。この男性心理が経験的にわかって(半ば諦めて)、風俗などは許そうと努める女性は少なくないです。育児や家事をしっかりしてくれたら浮気も許そうとする女性も少なくないようです。ちなみに、6歳未満の子供を持つ夫の家事関連時間は、日本が先進国の中で最低水準だそうです。
・簡単にやらせない
女は恋愛したいなら簡単にやらせないことです。
動物でも「巣を作るまでさせない」とか「餌をとってくるまでさせない」という具合に、交尾させる前にオスに投資させる行為が見られますが彼らに学ぶべきでしょう。
・並列の愛
アンジャッシュ渡部の浮気(セフレ系)が世を賑わせていますが、彼はある女性に「奥さんも好きなんだけど、きみのことも好きなんだよ」と真剣に口説いていたそうです。このように男の愛は、同時に多くの女を愛することができる並列の愛なのです。カレーもラーメンも焼肉も、どれも好きなのと同様です。
・男は浮気を悪いと思っていない
統計によれば、浮気経験者のほとんどは浮気したことを後悔していません。一部後悔している男もいますが、その理由として多いのは浮気がバレたことに対してであって、悪いとは思ってはいません。浮気して謝罪する男は多いですが、心から反省しているかというと違うのです。
また、女は「裏切られた」と思うでしょうが、裏切ったという気持ちもありません。
・どんな美人でも飽きる
芥川龍之介は、「字が下手だったのを見て、好きだった女が急に嫌いになった」と告白していますが、男はちょっとしたことですぐ冷めてしまいます。女は熱しにくく冷めにくいですが、男は熱しやすく冷めやすいのです。「女心と秋の空」という諺もありますが、どちらかといえば「男心と秋の空」のほうが正しい気がします。
「あんな美人な奥さんがいながら浮気するなんて」という声をよく聞きますが、男の本性からいえばどんな美人でも飽きてしまいます。どんなに美味しいカレーでも毎日だと飽きるという理屈と似ています。「アジアで1番美しい」などとも評されるアンジェラベイビーも浮気されました。マリリン・モンローであろうが誰だろうが同じです。
この男心をビートたけしは「美人の妻より他人のブス」と表現しました。「美人は三日で飽きるが、ブスは三日で慣れる」という言葉もあるようです。他にも、男の浮気性や飽き性を表現した言葉は多くあります。
「男にとっては今日一日だけの浮気心にすぎないものに、女はその一生を賭ける」(フランソワ・モーリアック/作家)
「恋人として男と女で違う点は、女は一日中恋をしていられるが、男はときどきしかしていられないという点だ」(サマセット・モーム/小説家)
「あなたは女だ。だからこの世の中に愛ほど美しいものはないと思うに違いない。しかし、私は男だ。いくらでもかわりの女を見つける」(ヘンリック・イプセン/詩人)
「男の人って、一度女を愛したとなると、その女のためならなんだってしてくださるでしょ。たった一つ、してくださらないもの。それはいつまでも愛しつづけるってことよ」(オスカー・ワイルド/詩人)
先に出した浮気事例でも、美人の奥さんがたくさんいたはずです。よく女は「自分よりブスな女に浮気されたのが許せない」と言いますが、男心とギャップがあります。
「新しさがそれ自体魅力なのである。にわかには信じ難いかもしれないが、長期にわたるパートナーが、ハリウッドで最もセクシーな若手女優だったとしても、同じ性心理過程が起こるのである。がっかりさせられる?不公平?ひどく頭に来る?男女両方への侮辱?そう、そうなのだ。だがしかし、全部真実なのだ」(「性の進化論」より)
「キリスト教が罪の教義をもって邪魔しようと、ユダヤ教が偉人の教義をもって邪魔をしようと、社会科学が同性愛を抑圧し性心理的未成熟を抑圧する教義をもって邪魔をしようと、進化理論が一夫一妻の男女の絆の教義をもって邪魔をしようと、文化や法が単婚を至上のものとして支持する伝統をもって邪魔をしようと、きっと男性は変化を欲望するのである」(ドナルド・サイモンズ著「人類のセクシュアリティの進化」より)
・釣った魚に餌をやらない
アソコをゲットするまでは、ふんだんに女に与えます。
高級レストランへ連れて行き、高価なプレゼントをし、歯の浮くような言葉を言い、メールも絵文字をたくさん入れた長文を小まめに送ります。紳士を演じ優しくしますが、それらはすべてホテルへ連れ込むための餌です。本当はホテルへ直行したいのですが、それだと獲物が引っ掛からないからやっているだけです。「食事が美味しい」とか「今日の服装が素敵」といったことはどうでもいい話なのです。
ですので、これだけやってホテルへ連れ込めないとなると男は大きなショックを受け、腹を立てます。ここで無理やり連れ込んでしまう理性が効かない男もいますが、大抵の男は仕方なく我慢します。
念願かなってホテルへ連れ込めたとしましょう。そこが男の喜びのピークです。程度の差はあれ、後は段々と幸福感は薄らいでいきます。遊び人の男なら、一回のベッドインで飽きます。そして、作家のボーブナグルが言ったように、「もう愛していない女の体は、この世で一番重い物体」となり、釣った魚に餌を与えなくなっていくのです。
・頼りがいがなくなる
一方、女からすると頼りがいがなくなったように感じるでしょう。「大木」につかまったぐらいに思って結婚するでしょうが、やがて「もやし」となっていくのです。
タレントの田中律子が「結婚したときは王子様と思ったけど、王子様じゃなかった」と語っている通りです。
・振る前に振られている
上記の場合、最初に男が女に魅力を感じなくなり、その結果、女が男に魅力を感じなくなっているという流れもポイントです。彼氏や夫の魅力が下がったのは自分に原因があるかもしれません。ちなみに、夫が妻を身体的に魅力的だと思っているほど高価なプレゼントをしたりし、夫の経済力が高いほど妻は化粧をしたりルックスを磨くことがわかっています。
・真剣度を金で測る
金は「大切なもの」の代名詞のようなものなので、どれだけ金を使ってくれるかで男の真剣度がわかります。女のほうも、そう考えている人は多いです。資産に対してどれくらい使ったかがわかると、より良いです。1億円持っている人が1万円出すのと、1万円しかない人が1万円出すのとでは、1万円に対する「念い」が違い、真剣さが違います。特段の事情がない限り、割り勘などというのは大して真剣とは言えないでしょう。
注意が必要なのは、恋愛目的かセフレ目的なのかは、金だけではわからないことも多いという点です。なぜなら、両方真剣だからです。いっぱい金を使うから恋愛目的、使わないからセフレ目的とは限りません。
・努力の裏に性欲あり
「良い女とのセックス」のためなら、1回で何万円と出しても惜しくないのが男です。女からすればバカに思えるでしょう。
アランは、「政治的な行動、あるいは宗教行動、経済行動とみなされるような行動でも、そのモチベーションの根源には、セックスと配偶関係がある」と言っていますが、どれぐらいかは別として、男の努力のモチベーションに性欲が関わっているのは間違いありません。
・男には狩猟本能がある
男は自分から獲物を獲る狩猟本能があり、女をめぐって他の男と争う闘争本能があります。ですので、周りの男から好意を寄せられていない場合、原因の1つとして女として見られていない可能性があります。
・浮気は悪か
いかに男が浮気性であるかを説明してきましたが、だからといって浮気したほうがいいとか、浮気して罪悪感を感じなくてもいいということではありません。女心を知ってか知らずか、浮気したことで女を苦しめたのは事実なのですから、そこは反省すべきです。
しかし、男性心理を考えると、分析心理学の創始者ユングが言ったように、「良い結婚に不可欠なものといえば、それは浮気を許すことだ」とも思えます。
社会評論家のビル・マーは言います。
「男が結婚して20年も経てば、妻とセックスしたくはなくなる。あるいは、妻のほうが夫とセックスしたくはなくなる。それはどちらでもいいんだけど、それではどうすれば良いと思いますか?もちろん浮気をした男が悪いのはわかってる。では、どうすれば良いのか?事態をぐっと呑み込んで、残りの人生を情熱も抱けないまま、妻とともに歩んでいくのか?年に三回、妻とセックスするとき、誰か他の人とセックスしているところを思い浮かべながらするのが正しい答えなのでしょうか?」
クリストファー・ライアン著「性の進化論」では、人類は一夫一妻になるよう進化してきたという定説を覆しています。
既婚男性と同年代の単身男性を比べると、テストステロン(男性ホルモンの1種)の値は既婚男性が常に低く、浮気をする既婚者は、しない者に比べるとはるかにテストステロンの値が大きいという結果を援用しながら、彼は次のように語っています。
「研究者たちによって発見されたこととして、テストステロンの値が比較的低い類の男性たちは、テストステロン値がより高い同年齢の男性に比べて、鬱や致命的な心臓発作、そして癌に苦しむ割合が4倍であるという。彼らはまた、アルツハイマーやその他の形態の痴呆症を悪化させる割合も高く、それらによって亡くなるリスクもはるかに大きいのだそうだ。
数百万年間の進化によって、人類の男性は、活動的で元気なセクシュアリティを生涯通じて維持しようと思ったら、時折り新しいパートナーを必要とするようにできているというのが真相だとしたら、生涯、性的な一夫一妻を守らせるためには、男性に何と言えば良いのだろうか。社会の要請と自分自身の生物学的な要請との間で矛盾が生じることを、多くの男性は理解していない」
「生涯にわたって一人の人に性的な忠誠を尽くすということを基本にして成り立っている観念的な結婚観をあくまでも押し通すことによって、われわれは自分自身を罰し、互いを罰し、自分の子どもたちを罰することになっている」
「若い男性の身体の中では、あらゆる声が『今すぐセックスがしたい!』と叫び声を上げている。しかし多くの社会は、その絶え間ない要請を無視するよう、そのエネルギーを他のことに、たとえばスポーツや宿題から軍隊に入って危険を冒すことまで多岐にわたる事柄を遂行するために用いよ、と命ずる」
「疑う余地なく明白であるのは、現在、伝統的結婚が数百万の男・女・子どもにとって正真正銘の災厄であるということだ。伝統的『死ガ——あるいは浮気ガ、または退屈ガ——2人ヲ分カツマデ』式の結婚は失敗なのだ。感情の面でも、経済的な面でも、心理学的な面でも、性的な面でも、長期間にわたって、あまりにも多くのカップルにとって、それはうまく機能しなかったのだ」
「終わりなき両生間戦争や、人間関係の原点とすべきあり方でも何でもないものへの頑固な執着を止め、むしろ人類のセクシュアリティの真実を原点として、両性間の平和を追求するべきだ」
「性的な貞操に対する考え方をもう少し柔軟なものにすれば、結婚はもっと安定するし、それによって社会や家族の安定性も増すはずです」
「性的に排他的な関係、つまり他の相手とはセックスをしないことが、あらゆる男女の絆形成の必須条件だと想定するのは間違いです。正真正銘の『結婚』を実践している社会であっても、男性にも女性にも貞操が結婚の条件と考えられていない社会はたくさんあります」(「性の進化論」より)
「休日だけ結婚する」とか「夫婦交換」とか、世界にはいろんな形態の結婚があります。
ブラジルのワラオ族は、他の女と自由にセックスをしてもいい期間があるそうで、その時の関係は名誉あるものだといいます。
また、メラネシア諸島では、結婚後何年か経つと、やはり夫の妻に対する関心が薄れ始めるようですが、そこで男が若い愛人をつくることを妻が許すのだそうです。そうすることで単調な結婚生活を回避するのだといい、そして妻はこの愛人をステータスシンボルと見なすといいます。
人間の社会で圧倒的に多い婚姻形態は一夫多妻で、一夫一妻は少数派のようですが(哺乳類全体でも3~5%ぐらい)、幸福という点では難しい問題があるようです。
「ヒトの自然な婚姻形態は一夫多妻である。『自然な』というのは、進化の歴史のほとんどを通じて、人間の婚姻形態は一夫多妻だったということである。社会が厳格に一夫一妻制を課すようになったのは、ヒトの進化の歴史ではつい最近のことである」(アラン)
ちなみに、一夫多妻は一部の金持ちの男が女を独占するため、多くの男がセックスできなくなります。
生物学的な本性と、社会的な建て前のギャップがある限り、文春などのゴシップ誌は商売繫盛でしょう。
・「この女は俺に気がある」という勘違い
男の4割以上が、「女に目を見られながら会話をすると『自分のコトを好きなのかな』と思う」というデータもあります。
「男性と女性に5分間ほど会話させる。本人たちに気づかれないように、その様子を別室でもう一組の男女に観察させる。その後に感想を聞くと、会話をした当人も観察していた側も、男性2人は、会話者の女性が相手を性的に誘うような態度をみせたと言うが、女性の会話者はそんなつもりはないと言い、女性の観察者もそうした印象は受けなかったという。また、男性の会話者の多くは女性の会話者に性的に引かれたと言うが、女性の側は相手に性的に引かれることはそれほど多くない」(アラン)
実際、勘違いした男の失敗談というのはゴマンとあります。
この点について説明した、エラー管理説なるものがあります。否定的な誤解(女が自分に気がないと思うこと)をすれば、セックスをして繁殖成功度を高めるチャンスをみすみす逃すことになり、肯定的な誤解(女が自分に気があると思うこと)の代償より大きくなるため、相手の女が自分に気があると自惚れる方向に性淘汰が働くはずだという説です。
また、エラー管理説によれば、女の場合、肯定的な誤解(男が自分に気があると思うこと)の代償は否定的な誤解(男が自分に気がないと思うこと)の代償より大きいため、女は相手の男が自分に気がないものと思い込む傾向があることも予測されます。
・男はもっと好意を伝える
このことからも様々なことがいえます。
たとえば、男は好意を伝えるようもっと意識したほうがいいでしょう。男が恥ずかしいと思うくらいのことをしないと女に伝わらない可能性があります。
しかし、男から見て「真面目な男」と言われるような人は、恥ずかしくてできないでしょう。また、そういう男は、女の荷物を持つのを手伝ったり褒めたり優しくすることに対して、「気(下心)があると思われるのではないか」という恐怖もあり、素っ気ない態度をとってしまうことも多いでしょう。そうすると女に好意が伝わらないのはもちろん、「冷たい人」「子供っぽい人」とも思われたりしてモテない、という流れになってしまいます。
一方、男から見て「不真面目な男」と思われるような人は、平気で好意を伝えたり褒めたりします。そうすると女からも「優しい人」「紳士な人」と思われモテる、という流れになっていきます。
・対象外の男を見直す
こういった男性心理もあるため、女のほうから歩み寄ると上手くマッチングするかもしれません。女から見て、あえて第一印象が悪い対象外の男を見直すのです。