代表的な欲として5つあります。
食欲:食べたり飲んだりすることに対する欲求
財欲:金や財産に対する欲求
色欲:性に対する欲求
名誉欲:名誉や権力に対する欲求
睡眠欲:睡眠に対する欲求
欲そのものは善でも悪でもないですが、悪に染まりやすいという性質があります。依存症など欲に振り回されて苦しんでいる人は多いでしょう。
欲が苦しみの根源だと考え、欲を消そうと考える人もいつの時代にもいます。たとえば食欲を何とかするために断食したり、性欲を何とかするために男根を切り落としたりといった具合です。しかし、いくら肉体を痛めつけても、欲を含めて煩悩は消せるものではありません(詳しくは第6巻「自力と他力」)。
ではまったくコントロールできないかというと、そうでもありません。
・禁欲ではなく直視
その方法の1つとして、禁欲しようとするのではなく直視します。依存症など、習慣の力から、欲を満たそうとすると心が自暴自棄になり欲望のなすがままになってしまうでしょう。その時の心の動きを直視し続けるのです。摂食障害であれば食べる時に心が自暴自棄となり、アルコール依存症であれば酒を飲む時に心が自暴自棄となりますが、目を逸らさずに心を直視し続けるのです。最初は恐怖でいっぱいでしょうが、次第に自暴自棄にならずコントロールできるようになります。
・禁欲も有効
一時的な禁欲も手段としては有効です。一時的に欲を我慢することで、心の動きがわかりやすくなります。逆に、習慣の力は強いため、我慢しないと気づきにくいです。たとえば、欲を満たしながら重い依存症などを治すのは難しく、たとえば、重いアルコール依存症の人が酒を飲みながら治すのは難しいということです。
どれくらいの期間、禁欲したらいいかですが、まずは「今日だけ我慢」を勧めます。今日だけ我慢して明日から飲む、ということにするのです。1日だけでも我慢する期間があるという点がポイントです。それを達成できたら色々と気づきが得られ自信もつくでしょう。ずっと禁欲するわけにはいかないので、やがては欲を満たしながら直視する方法に移行します。
・強制力
自分の意志の力だけでは難しい場合、環境を大きく変える必要があります。施設に入ったり、欲しくなっても手に入らない環境に身を置くのです。強制的な外からの力を期待する人は多く、そのため、警察に捕まって安心する人もいます。現代の日本は誘惑するものが多く、これも豊かになる悲劇の1つでしょう。将来的にはそういう人向けに、仏教療法を活かした施設を作るかもしれません。
・欲を活かす
欲も活かし方次第では悪いものではありません。
たとえば名誉欲。宮迫博之は、相方から「どうせ禁煙できない」と言われ、悔しくて「絶対に禁煙してやる」と思い禁煙できたと語っていました。
先に説明した通り、「意地」や「我慢」「頑固」というのは悪い方向に向かうと恐ろしい結果になりますが、このように良い結果に活かすこともできます。
1.6自己を知る(クセに気づくだけ)
〇直視する
〇心の病は自分が生み出した世界
〇罪悪観
〇欲はコントロールできる
〇性を知る
〇仏教は自己を知るためにある