死の解決をしなければ、無間地獄に堕ちます。

「この信心を獲得せずは、極楽には往生せずして、無間地獄に堕在すべきものなり」(御文)

(訳:死の解決をしなければ、極楽には往生できず、無間地獄に堕ちるのである)

〇絶対にしなければならない

ですので、死の解決は「絶対に」しなければならないものであり、「したほうがいい」とか「できたらいいな」というものではありません。

どんなに苦しくても、どんなに年を取っても、ずってでも這ってでも求めてゴールする必要があります。

どんなに真面目な求道者でも、ゴールしなければ意味がありません。

死の解決をして極楽に行く100点の人生となるか、死の解決をせず無間地獄に堕ちる0点の人生となるか、人生は2択です。

ですので、昔から求道者は「進めば極楽、退けば地獄」と言い聞かせながら求道したのです。

・死ねば仏でも救えない

一度地獄に堕ちれば助かる方法は無く、阿弥陀仏でも救うことができません。

「ああ、夢幻にして真にあらず、寿夭保ちがたし、呼吸のあひだ、すなわちこれ来生なり。一たび人身を失ひぬれば、万劫にも復せず。この時悟らざれば、仏、衆生をいかがしたまはん。願わくは深く無常を念じて、いたずらに後悔を貽すことなかれ」(教行信証)

(訳:ああ、この世は夢、幻であって真実ではない。命は保ち難く、吐いた息が吸えなければ死んでしまう。一度死んでしまえば、無間地獄に堕ち、永遠に抜け出すことはできない。生きているうちに死の解決をしなければ、阿弥陀仏でもどうしようもできない。どうか深く無常を問い詰めて、いたずらに後悔しないでほしい)

 

・急いでしなければならない

人間は死と隣り合わせであり、今日死んでもおかしくありません。今日死ねば、今日から地獄が始まるのです。今、幸せの絶頂にいようが、不幸のどん底にいようが関係ありません。

ですので、肉体が健康なうちに、一刻も早く心の臨終を済ませ、死の解決をしなければなりません。

「一日も片時も、いそぎて信心決定して、今度の往生極楽を一定せよ」(御文)

(訳:一刻も早く急いで死の解決をし、極楽浄土への往生を決定せよ)

 

「人生死出離の大事なれば、これより急ぐべきはなく、またこれより重きはあらざるべし」(御裁断申明書)

(訳:死の解決ほどの一大事より急ぐべきことはなく、これほど重いことはない)

 

「仏法には、明日と申すこと、あるまじく候う。仏法のことは、急げ、急げ」(御一代記聞書)

(訳:今日死ぬかもしれない無常の人生なので、仏法には「明日」ということはないのである。仏法のことは、急げ、急げ)

 

「誰の人もはやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏を深くたのみまいらせて、念仏申すべきものなり」(白骨の御文)

(訳:皆早く後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏を深く深く信じて死の解決をすべきである)

 

・必ず後悔する

疑情を晴らし死の解決ができなければ、血の涙を流して後悔することになります。

「明日も知らぬ命にてこそ候うに、何事を申すも命終わり候わば、いたずらごとにてあるべく候う。命のうちに、不審もとくとくはれられ候わでは、定めて後悔のみにて候わんずるぞ。御心得あるべく候う」(御文)

(訳:明日もわからない無常の命であり、何をしようとも死ねば意味がない。生きている間に死の解決をしなければ、必ず後悔することになる。よくよく心得なければならない)

仏教を聞いていた人であれば、「もっと一生懸命求道していればよかった」と必ず後悔し、仏教を求める気持ち、善知識を求める心が強く生じます。

「一たび地獄に入りて長苦を受くるとき はじめて人中の善知識を憶す」(般舟讃)

(訳:一度、地獄に入って長い苦悩を受ける時に、初めて人間界の善知識を憶い後悔する)

 

「彼の衆生地獄に堕つる時、仏において信を生じ追悔の心を生ず」(大悲経)

(訳:人間は、地獄に堕ちる時、仏を思い必ず後悔する)

阿育王譬喩経には、「餓鬼が寒林で屍を打つ」という話があります。

ある日、釈迦が寒林を散歩していると、泣きながら「しゃれこうべ」を打っている餓鬼を見つけました。不思議に思った釈迦が「なぜそんなことをしているのか」と餓鬼に尋ねると、餓鬼は涙で顔をくしゃくしゃにしながらこう言いました。

「私は、前世で人間に生まれておりました。このしゃれこうべは、そのときの頭です。人間界にいたときに、こいつがもっと真剣に仏法を聞いていれば、餓鬼道に堕ちてこんな苦しみを受けずに済んだでしょう。それを思うと悔しくて悔しくて、こいつを打たずにはおれないのです」

この話は、死んで堕ちる餓鬼道について説いたものではなく、人間の臨終の姿を説いています。

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第4章 求道
4.1 人間のレベル
4.2 正しい努力
4.3 死の解決の境地
4.4 死の解決をした後の人生
4.5 死の解決をしないとどうなるか