仏壇は何でもいいというわけではなく、正しい仏壇と呼べる条件があります。

〇御本尊

南無阿弥陀仏の六字の名号を本尊として、お仏壇の中心に安置します。

・南無阿弥陀仏だけを安置する

阿弥陀仏一仏だけを本尊としますので、阿弥陀仏以外の仏を置いたり、先祖供養のための位牌を置いたりしてはいけません。

 

・1体だけ掛ける

「1体だけだと不安」とか「多く掛ければそれだけ効果も上がりそう」という理由から、本尊を複数掛けたくなるかもしれませんが、本尊は1体だけ掛けます。

 

〇仏壇本体

豪華であればあるほど良い仏壇となります。

「信は荘厳より生ず」といいます。荘厳とは仏教用語で、浄土を示す美しく豪華な飾りを飾ることをいいます。装飾品や色が豪華なものであるほど、信仰も速く進むのです。

ちなみに哲学者のオルダス・ハックスレーは、実用的な価値がない貴金属や宝石といった物に喜んで法外な代価を払うのかについて、「神秘的な体験の代用品として働くから」だと言います。

「豪華」というのは、たとえば次のようなものをいいます。

・仏壇の色

金一色で統一された、金仏壇とします。

金は阿弥陀仏の極楽浄土を表しています。

 

・仏壇の大きさ

大きければ大きいほど良い仏壇です。仏教の盛んなところでは、仏壇の大きさに合わせて家を設計するぐらい仏壇を中心に考えます。

 

・仏壇の値段

基本的に良い仏壇であるほど値段が高く、中には1億円以上するものもあります。ただ、仏壇屋を儲けさせる必要はないので、値切ったりして良い仏壇を安く手に入れたほうがいいです。

 

〇仏壇内部

仏壇の中には次のものを揃えます。

・お供物

基本的に、果物や菓子など、肉や魚以外の食べ物をお供物として供えします。

 

・お灯明

ローソクや電灯を用いて、お灯明とします。

正式には左右対称に、一対のお灯明とします。火は口で消したりせず、ローソク消しなどで消しましょう。

お灯明は、暗い世界を明るく灯す阿弥陀仏の智恵を表します。

 

・お仏花

新鮮な生花をお仏花としてお供えします。

たとえば、ブリザーブドフラワーやドライフラワーより、新鮮な生花のほうが良いです。花の種類に制限はありませんが、菊を中心に、カーネーションやリンドウなど濃く明るい色でまとめるのが一般的です。正式には左右対称に、一対のお仏花をお供えします。お仏花は、勤行をしない時にも供えておきます。水の取替えは勤行時に行うといいでしょう。

お仏花は阿弥陀仏の慈悲を表します。慈悲の働きをこちらに向けるという意味で、お仏花もこちらに向けます。

ちなみに、植物には空気清浄効果もあります。

また、植物は無情といって人間や動物のような心がありません。ですので、いくら切っても殺生罪にはなりません。これを科学で示そうとすると複雑ですので、感覚的に知るほうがいいでしょう。たとえば犬や猫を殺した時の心の痛みと、植物を切った時の心の痛みは大きく違うはずです。

 

・お仏飯

炊き立てのご飯をお仏飯として、自分より先に阿弥陀仏にお供えします。

また、勤行後に、お供えしたお仏飯やお供物を頂くことで仏縁となります。

 

・線香と抹香

勤行時には、線香に火をつけて灰を敷いた香炉の上に置き、その上に抹香をかけます。お香は、人間の臭いを消す役割があります。

 

・仏具

仏具もすべて金で統一し、豪華にします。

豪華なものであるほどいいというのは、仏壇の色に限ったことではありません。お仏花や線香、お供物等々、何にしてもできる限り良い物にすべきです。

 

〇常に手入れする

仏壇は常に手入れをして綺麗にしておく必要があります。

仏具も仏具磨きを使用して、光沢が出るようにピカピカに磨きます。

庄松は、お仏花が枯れたり、お仏飯が供わっていない仏壇を見て、「御本尊様がやせていらっしゃる」と悲しみ、掃除が行き届いて、お香も絶えない仏壇を見て、「ここの御本尊様はよく肥えていらっしゃる」と喜んだといいます。

また、埃などが入らないように勤行時以外は扉を閉めておきます。

・信のための荘厳

あくまで信のための荘厳です。

蓮如は、「本尊は掛けやぶれ、聖教はよみやぶれ」と言いましたが、豪華な仏壇を権力を誇示するための道具に使ったり、世間的な宝物の如く扱っていては宝の持ち腐れです。

「僧が集まって修行する寺の建築物」を伽藍といいますが、今日、伽藍はそのような場となっておらず、「がらーん」としています。「がらん仏教」になってはならないのです。

 

・唯一の救い主

とかく阿弥陀仏が最優先の生活をします。

外出時や帰宅時は、最初に阿弥陀仏に合掌・礼拝して挨拶します。たとえ、その場に善知識がいたとしても、救い主である阿弥陀仏への挨拶が先で、善知識への挨拶はその後になります。

他にも注意点は色々とありますが、地獄行きの人間を救ってくださる唯一の方であるという視点があれば、どのように接すべきか自ずとわかるはずです。

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第2章 阿弥陀仏
2.1 仏とは
2.2 阿弥陀仏の認識
2.3 阿弥陀仏の本願
2.4 南無阿弥陀仏
2.5 念仏
2.6 本尊
2.7 仏壇
2.8 勤行
2.9 阿弥陀仏の光明
2.10 信じ難い
2.11 極楽浄土