臭い物に蓋をするのではなく、無常を直視しなければなりません。釈迦は死人や病人を見て反省する材料としました。

・四門出遊

修行本起経には、釈迦が出家する大きな動機となった有名な四門出遊の話があります。

郊外の風景を楽しもうと釈迦は王宮を出ました。

まず東門を出ると、頭は白く、歯が抜け落ち、腰は曲がり、杖をついた人が目に入りました。釈迦は御者に尋ねました。

「あれは何か。他の者と違っているではないか」

「あれは老人であります」

「老人とは何か」

「もはや寿命がいくばくもない者であります」

「私も老人になるのであろうか」

「もちろん誰でもなることであります」

次に南門を出ると、身は痩せ細り、苦しそうに呼吸をし、骨節の痛みに泣き叫んでいる人を見ました。病人でした。

さらに西門を出ると、息は絶え、身は冷たく硬直し、家族が泣き叫ぶ声にも反応しない人を見ました。死人でした。

これらの人々の姿を見て釈迦は愕然としました。やがて自分の身に降りかかってくる決して避けられない問題として感じたのです。

そして最後に北門を出ると、悠然と歩く人を見ました。沙門でした。その姿に安らぎを感じ、本当の安楽は出家の中にこそあると思ったのでした。

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2.8 無常観
無常を直視する
無常観には強弱がある
死を直視する幸せ
不幸を勝縁にする
仏教は生きている人のためにある
平生に解決する