先に説明した話は心身医学が発達した今日では受け入れられやすいですが、意識が肉体を離れて作用するという話になると支持者が減ります。

しかし、心的意志が生命体に影響を及ぼすことを調べた研究は数多くあり、この分野は、DMILS(Direct Mental Interaction with Living Systems 生体系との直接的心的相互作用)という名称で知られています。

フライブルク大学病院のステファン・シュミットらのメタ分析(メタとは「分析の分析」という意味で、複数の研究結果を収集し解析すること)によれば、40の実験で総計1055試行なされ、全体の偶然比(偶然である確率)は1000分の1とのことです。

・気
・祈り(遠隔治療)
・記録
・時空の超越

・気

佐々木茂美著「『見えないもの』を科学する」から事例を1つ紹介します。

100ccの水が入った瓶を北京にある実験室におき、その瓶に向かって気功師が東京から気を送るというものです。

気功師は北京にいるスタッフとは一切面識がなく、また、気の受け皿である水がどんな容器にどれほど入っているか、それがどんな管理をされているかも一切知らされていません。目印として気功師が事前に書いたBの文字を瓶に貼りつけました。その結果、水の電気伝導率が高くなり、その場で気功師が気を入れたものとほぼ同じような変化でした。

また、国際生命情報科学会会長の山本幹男も、鉄筋コンクリートビルの4階から1階の受信者に向けて気を送るという実験を行っています。

気の送信者は、80秒間に1度、ランダムに決められた時間帯に1階の受信者に向かって気を送ります。受信者は80秒間に1回、4階から気が送られて来ることは知らされますが、それがいつなのかは知らされません。開始の合図があってから終了までの合図を受ける間に『気』が送られたと感じたらそれを報告します。この実験の結果、送信者が気を送った時刻と受信者が気を受け取ったと感じた時刻がかなり一致することが判明したといいます。

他にも、気功師が被験者に一瞬触れただけで、被験者と気功師との間に生理的な相関関係が継続して生じるという事例もあります。

・祈り(遠隔治療)

1人の人間の意識が、他者の健康に好影響を与えることができるかどうかを調べた研究も多くあります。

「遠隔治療とは、心で念じるだけで、離れたところから、他者の健康を改善させようとすることだ。それらの研究で、治療を受ける側になった患者たちは、被験者が、自分たちのために祈っていることも、遠隔治療しようとしていることも知らなかった。これらの研究の結果、心臓病やエイズなどの病気でも好結果が得られることが明らかになった。ある総説論文によれば、23件の研究のうち13件で統計的に有意な効果が得られたことがわかっている。これは、偶然で予測されるよりもはるかに高い比率だ」

「研究者は、被験者が様々な過程(たとえば、植物の生長や動物の麻酔からの回復、動物の腫瘍の成長、動物の傷の治癒、イースト菌やバクテリアの成長など)の変化率に影響を及ぼす力を調べるため、数十にものぼる研究を行ってきた。最終的には、それまで行われた191件の管理実験のうち、そうした結果が偶然によって得られたとした場合の比率が100分の1以下になる統計的に有意な研究が83件、100分の2から5になる有意な研究が41件だった。有意な結果が偶然によって得られる研究は少数にすぎないはずなのに、191件中124件もの実験で、肯定的な結果が得られたのだ。対象が機械であれ生物体であれ患者であれ、これらの研究のすべてから示唆されるのは、意識が、脳から離れたところにある対象に影響を及ぼしうるということだ」(ジム・タッカー)

「130件以上の、適切な管理下での実験により、祈りや、祈りに似た思いやり、共感、愛などは、一般に、人間から細菌に至るさまざまな生物に健康上プラスの変化をもたらすことが示されている。薬品や手術でも同じだが、これは祈りが常に有効だという意味ではない。しかし、統計学的にみて祈りには効果があるのだ」(ラリー・ドッシー/「祈る心は、治る力」著者)

「ヒーラーから祈られていた患者が明らかに測定可能なほど回復していることがわかったのだ。この実験は、他のいくつもの似たような祈りの治癒効果についての調査でさらに確証を得た。どの研究でも、ヒーラーの宗教的背景や手法に関係なく、祈れば祈りが届いているとわかった」(ブルース・リプトン)

「ポジティブに捉えれば肉体にも良い影響を与え、ネガティブに捉えれば肉体にも悪い影響を与える」というのが心と肉体の関係でいえることですが、「祈り」にも同じことがいえるのでしょう。

医療ジャーナリストのリン・マクタガートは、意識の送り手が複数いる場合での祈り実験を行っていますが、その結果から、被験者と直接つながりがなくとも象徴するもの(写真など)さえあれば影響を与えることができるといいます。

「意識を送る実験を始めた頃の私は、参加者が意識を送るにはターゲットのライブ画像が必要だと仮定していた。よって初期の実験では、ターゲットの現物をウェブカメラで見せることにこだわっていたのだ。しかし、実験を重ねるうちに、それがなくとも人間の意識は互いにつながることができ、事実上、ターゲットに影響を与えられ効果があることを発見したのである」

「意識を送る人間が一堂に会していても、あちこちに散らばっていても、ターゲットから何万キロ離れていても、ターゲットが水であろうが植物であろうが、意識の力で変化をもたらすことはできた。また、意識を送る際に必ずしもターゲット自体に直接意識を送る必要はなく、はるか離れた実験室にあるターゲットの象徴となるもの、つまりその写真がありさえすればいい」

この実験から、彼女は「ブードゥー人形のようなことが起こった」と言います。

さらに、写真など物質的なものがなくとも、何かしらの情報さえあれば影響を与えることができることを示唆する実験も紹介しています。数値化するなど意識を送る内容が詳細であるほど上手くいったといいます。

ちなみに、もし人体に影響を与えることができるのであれば、歴史を見ればわかるように必ず悪用されます。

「超能力について信じる信じないという問題以上に、現実は進行していて、すでに超能力が戦略兵器として考えられている面もあり、もしそれが実用化されたとしたら、恐ろしい事態を引き起こしかねないことは確かであろう」(猪股修二)

・記録

リン・マクタガートは、水がテープレコーダーのように思念を記録できる事例も紹介しています。

たとえば、バナナを思い浮かべて水に送ると、受け手がその水からバナナのイメージを受け取るという具合です。リンは「バケツから漏れる水のように、私たち自身からも意識があふれ出し、他人や食べ物まであらゆるものに意識が埋め込まれていくのではないか」と推測します。

文部科学省や経済産業省の評価委員等を歴任した理学博士の川田薫(川田研究所所長)は、人間が作る商品に、その人が持っているエネルギーが入ると想定し、そのエネルギーの重さを量ろうと実験しています。

超精密天秤で、正確な商品の重さを出し、次に、この商品をバラバラに分解して、1つ1つの部品の正確な重さを量ります。各部品の重さを全部足して合計を出し、商品の重さと比べると、商品の重さのほうが部品の合計の重さより重かったといいます。5つの商品で試し、その差はおおよそ商品の重さの1000分の1から10000分の1程度だったということです。

「気迫がこもる」といいますが、比喩ではないのかもしれません。

臓器移植をして性格が変わったりするのも同じような理屈なのでしょう。

「アメリカでは『記憶する心臓』という本がベストセラーになりましたが、心臓を移植された人に提供者の性格が現れた例が多数報告されております。提供者の気持ち、心まで背負い込むことになるのです」(樋口雄三)

透視の一種であるサイコメトリー(物体に残る人の残留思念を読み取ること)というものもあるのかもしれません。

ドイツの航空宇宙学研究所のベルントー・ヘルムート・クレペリン博士による水滴の実験も興味深いです。

多数の人が水で満たされた注射器を手にした後、数滴の水を顕微鏡のスライド上に落とします。その水滴を写真に撮ると、水滴は人それぞれで大きく異なる一方で、同じ人が落とした水滴はほぼ同じ形をしていたといいます。たとえば1人が20滴の水を落としたら、20滴すべてで同じパターンが識別でき、別の人が作り出す水滴のパターンとは異なったということです。人間の指紋が1人1人異なるように、それぞれのエネルギーフィールドも人によって異なるのだといいます。

「科学は実際に物質を客観的に測定することなどではない。むしろ科学者の心の中の意識と、物質でできた世界の間で行われるダンスのようなものが科学なのだ。意識が変われば、それに伴って物質も変化するのだから」(ドーソン・チャーチ/「思考が物質に変わる時」著者)

水の特徴は「固体」「液体」「気体」の3つの相だけでは説明できないことは古くから言われており、たとえばワシントン大学生物工学科教授のジェラルド・ポラック博士は「第四の水の相」を提唱していますが、以上のような点を考慮すれば、今でも賛否両論がある「水からの伝言」のようなことも、もしかしたら可能なのかもしれません。

 

・時空の超越

この世で起こることはすべて時空が支配する因果から成り立っているという偏見があるために、科学では説明困難な現象が多々見られます。

「数えきれないほど多くの実験で、人間の意識は自分の脳内に閉じ込められているものではなく、時間と空間を超え、物体の境界をも越えて他の人間や物質に働きかけることができるという意味深い発見を科学的に立証したことになる」(リン・マクタガート)

 

「心的現象の存在、そして心的現象が人間の脳や肉体に及ぼす影響を示す確かな証拠は数多くある。その証拠はまた、人の精神とは肉体の外で起こる現象にまで作用するのだということをも物語っている」(マリオ・ボーリガード)