前回紹介した『ハイドラの告白』の続編。三部作の最終巻。
今回も現物が手元に無いので画像はないのですがプシュケやハイドラのような神秘的な青色の水彩チックな表紙が目印です。作者は柴村仁さん。
今回のセイジャはどういう意味なんでしょうね。聖者、生者、正邪…沢山の考えはあるけれど、全部正しいような気がしてなりません。まあ、答えが出ないだけなんですけど。
今回の前半語り部は柏尾さん。相変わらず厄介事背負い追い込みそうな人。まあ実際そうなんだけど(笑
この人と由良の縁はすごいですね。でもきっとこの人は吉野さんの存在を知ることはなさそうな気がします。知ってほしいけど知ってほしくないです。知ってしまったらなんだか、柏尾さんじゃなくなりそうで。
同じ美大に通っても、柏尾さんの学部と由良さんや天才美大生(名前を忘れてしまった)はちょっと違う次元なんだなあと…それでも戻れる位置にいて、引っ張り上げてくれる存在を探し彷徨っているのが由良、自ら奥へ奥へと進みまくっているのが天才美大生という印象でした。天才美大生は、理性を持ってやっている印象なので、イメージは女癖の悪くない布施正道みたいな感じです。個人的に。
前半部だと個人的にモヤモヤが残ります。
後半、由良が教育実習生として母校へ戻ってくるお話。語り部は美術部の男の子。
美術室にはそこから飛び降りて自殺した幽霊が出るらしいです。でも、そこで自殺した人なんていない。それは変わることのない事実。
由良の時と似たような状況が起きてて、でもやっぱり違うんですね。語り部の子が書いてた絵は油絵だし。由良の時は教育実習生なんて話にも出なかった。でもこの出会いのおかげで変わったともいえるのだから一概に違うともいえないの、かな?
それもでもやっぱり語り部君と女の子を救ったってのは大きな違い。この2人のこれからは今までと違う色彩で見えるんじゃないかな。由良自身も。
「絵なら枯れない」
この一言でぐっときました。最後の挿絵の由良。いろいろなしがらみは残るだろうけれど、心の底から嬉しいんだろうなって事がわかる挿絵と文章に心がほっこりして前半部のもやもやもなくなりました。
三部作すべて素敵な作品でとてもお勧めしたいです。確か元がライトノベル(?)だったからかとても読みやすいので手に取りやすいのではないかと思います。
あくまで個人的感想なのでこの感想そのままのイメージで読むとイメージと違うということがあると思うので個人の主観で読むことをお勧めします。
あと榎戸川くんを間違えて江戸川くんて書いてた…ごめんね…
最後になりますがこんな素敵な作品を世に送り出してくださった柴村仁先生に感謝!!