翌日からは地獄が待っていました。

ワイドショーに出ていたコメンテーターはこぞって私を共犯者かのような言い方をし、画面には指名手配犯のように高校の卒業アルバムの写真が映し出されました。

ミステリー小説を書いて共犯と言われるなら、著名な小説家はみんな死刑に値します。

不在と判断したのかインターホンの嵐は止みましたが、それでもマンションの前の道路は報道陣で埋め尽くされていました。


お昼を過ぎた頃に警察から電話がありました。あの刑事さんでした。

刑事さんは私の保護を条件に捜査に協力してほしいと言ってきました。

第4の事件までのアリバイが証明されていたので、少なくとも警察は私を犯人扱いしている様子ではありませんでした。

しかし、部屋から出たときのマスコミ反応、わずか数秒でもまるで捕まった指名手配犯がパトカーに乗り込むというような映像を撮られるのは絶対に嫌だったので、警察への協力は断りました。