事態が一変したのは5日後でした。

ちょうど締め切りだった原稿が終わり、少し休もうかと思っていたところでした。

連続殺人事件の第5の事件が発生したのです。

この事件をリアルタイムで見るのは初めてだったので、不謹慎ながらも少しワクワクしていたと思います。

ですがその胸の高揚感が別の感情に移るには時間は掛かりませんでした。

第5の事件が起こったのは品川区。本日未明に新聞配達員によって発見されたのは、首の骨が折れ、顔が180度後ろを向いた女性の死体で、服装と身に着けていた生徒手帳から、昨晩から捜索願が出されている都内に住む高校3年生ではないかと確認を急いでいるという内容でした。

これが私の小説の中での第5の事件とほぼ同じ内容でした。

さらに朝一のニュースから少し経ったワイドショーでは新たな新事実として、被害者の右手の人差し指が切断され見つかっていないというニュースが入ってきていました。