京都のくぼちゃんです。
今月からお部屋を持たせていただくことになりました。
「くぼちゃんのきょう一日」として、京都から身近な出来事を綴っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
皆さんは、京都に一度は、来られたことがあると思います。京都の川と言われて真っ先に思い浮かべるのは鴨川です。北区雲ケ畑から伏見区の桂川まで約31キロを流れています。その鴨川を遡って源流へ行ってきました。
京都市内地図
地下鉄「北大路」駅から、北区北東部の山間地域である「雲ケ畑岩屋橋」まで、バスに30分乗ります。一日2便（片道700円）しかないのです。そこから歩いて約20分。北山杉が凛とそびえ立つ山の中の岩屋山志明院（しみょういん）を目指します。スマホが圏外です。森林の香りを浴びながら、さわやかな風を感じます。そして、視界を覆う緑の景色の中にやわらかな日の光が注がれ、せせらぎの音や葉の揺れる音が聞こえてきます。気持ちがす～っと落ち着きます。志明院に着くと、お寺の方が出てこられて、由緒や順路についてご説明下さいました。（拝観料400円）鴨川を守ってくださっているのです。
手水舎。このお水は飲めるとのことで、ごくごく飲んでしまいました。美味しいお水でした。とても清らかで、体が整った気分になりました。
山門の前には4月下旬から5月にかけて、天然記念物のシャクナゲが咲き誇ります。名所として知られています。
山門から中は、聖域なので写真撮影禁止です。山門をくぐると、見上げるような石段が続きます。その途中にお堂やお滝があります。お滝には、龍神さんが祀られており、鴨川を守っておられると説明を受けました。この水は枯れたことがないそうです。志明院は、平安時代、空海により「水源地を祈願し祀らなければ、暴れ川である鴨川は治まらず、都の安穏はない」と建てられました。
本尊不動明王は空海の直作といわれ、日本最古の不動明王像といわれています。境内は、豊かな自然の修行場です。また、水の伝説として有名な歌舞伎十八番「鳴神（なるかみ）」の鳴神上人が、龍神を閉じ込めた所といわれています。ジブリ映画「もののけ姫」の着想にも影響を与えたといわれています。
本堂から奥に進むと不動明王を祀った岩屋（洞窟）があります。高さ約30mの大岩窟、神降窟（しんこうくつ）です。耳を澄ますと水の滴り落ちる音が聞こえてきました。ここから染み出る水が鴨川の水源、最初の一滴です。静寂と澄んだ空気に満ちていました。奥には入らないように、結界が張られていました。近づくとひんやりして、五感が刺激され、特別な空気を感じました。
地図① 志明院の近く（特別天然記念物のオオサンショウウオが生息しています）
地図②（バスの中から）大きい石がゴロゴロしています。
地図③（バスの中から）河原の石が細かくなってきました。
地図④ 御薗橋（世界遺産・上賀茂神社への参詣道）川幅が広くなってきました。
地図⑤ 北大路橋（東側堤防は京都で指折りの桜スポット「半木（なからぎ）の道」）
地図⑥ 賀茂大橋（賀茂川と高野川が合流し、鴨川となる場所。中央の三角州は鴨川デルタと呼ばれ、鴨川を代表する景色のひとつ。鴨川の飛び石は、川の中に配置された石を伝って向こうへ渡る橋で、四角い石だけでなく、亀や千鳥、舟、おにぎりの形もあります。
地図⑦ 三条大橋（東海道西の起点はここ。石川五右衛門が釜茹での刑に処せられたという現場は三条河原）
地図⑦ 弥次さん喜多さんの石像が出迎えます。
地図⑧ 四条大橋（鴨川納涼床は、夏の風物詩。鴨川等間隔の法則が語られる場所）
志明院では、心も体もリフレッシュできました。市内のこの日の最高気温は3６℃で、温度差に驚きました。
鴨川は、千年の昔から京都を代表する景色であり、人々の生活の中心となってきました。私は、学生時代は、自転車通学で鴨川沿いは通学路でした。マラソン大会も走りました。通勤はバスで、賀茂川沿いを通っていたので、当時のことを懐かしく思い出しました。昔も今も鴨川は多くの人に親しまれているなぁと感じたきょう一日でした。
きょう、ご紹介したい絵本は…
『かわ』
加古 里子 さく/え
福音館書店 1966年9月
山の奥で誕生し、最後に海へ至るまでの川の一生が、こまかく描かれています。
『絵巻じたて ひろがる絵本 かわ』 (福音館の単行本)
加古 里子 さく/え
福音館書店 2016年9月
『かわ』を絵巻じたてにしてあります。折りたたまれたページをひろげると約7メートル。源流から海までの川の旅が一望できます。両面印刷。表と裏、二通りの楽しみ方ができます。
猛暑を乗り切れるよう水分や栄養をたっぷりとってお過ごしください