最近読んだYA世代向けの本『僕は上手にしゃべれない』 | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

 

みなさんこんにちは!札幌はよさこい祭のまっただ中。街中もとてもにぎわっています。

 

今日は、最近私が読んだYA世代向けの書籍をご紹介をいたします。

 

YAって??

 

 

YAとは、Young Adult 「若い大人」

年齢的には12.3歳くらいから18.9歳くらいの年齢の若い方たちのことです。

和製英語っぽいですが、アメリカで使われだした言葉のようです。

図書館や出版業界以外で使われているのを聞いたことがないのですが・・・。

 

 ちょうど思春期から大人へさしかかる年齢であり、感受性豊かでや心のゆらぎが多い年代。

 自分を振り返っても心がジェットコースターのように上下する悩み多き年代でした。

 そんな年代にこそぜひ良い本に出合って欲しいという思いから特別にカテゴライズされているのかもしれません。「かも」ですいません(笑)

司書の方に今度きちんと聞いておきます。

 

このYA向けの書籍、侮るなかれ、とても素晴らしい作品が多いのです。

 今の世相や社会課題を扱ったものもどんどん出版されます。

最近はヤングケアラーやジェンダー問題、子どもの貧困なども描かれているものも多いです。

 

 我が家の3人の子どもはまさに今YA世代であることからもなるべくYA世代向けの作品もチェックして読むことにしています。でも義務感というよりは楽しくて読んでいますよ!

最近とても良かったと思った本をご紹介。

 

『僕は上手にしゃべれない』

作:椎野直弥

ぽぷら社(2017年)

僕は上手にしゃべれない|teens’ best selections|児童読み物(国内)|本を探す|ポプラ社 (poplar.co.jp)

 

 

    

(あらすじ)出版社のHPより

小学校の頃から吃音に悩んできた主人公・柏崎悠太は、中学入学式の日、自己紹介のプレッシャーに耐えられず、教室から逃げ出してしまう。なんとかしたい思いから、「誰でも上手に声が出せるようになります」という部活勧誘チラシの言葉にひかれ、放送部に入部する。クラスメイトで同じ新入部員女子や、優しい先輩、姉など周囲の人に助けられ、途中くじけながらも少しずつ変わっていく悠太の、葛藤と成長の物語。

 

 とても心動かされる本でした。
何度か涙が出ましたが、憐れみではなく、人の心の優しさや、勇気、強さに心打たれたのです。
吃音の少年が主人公ですが「吃音」について、初めて知ることばかりでした。

 もちろん吃音の人がいるのは知っていますし会ったこともありますが、どんな思いをされているか、深く考えたことがなかったんだな〜と気づき、なんだか反省しました。


 特に構えず、フラットにしていたつもりですが、どう対応したら良いのか戸惑った...というのが本音かもしれません。あれこれ聞くほど親しくない関係性だとなおさら。

 

 実はときどき職場のあるビルのエレベーターでも吃音の若い男性に出会います。

 どうして吃音だと気づいたかというとその方がいつも挨拶をしてくれるからです。

「何階ですか?」と聞いて、私がエレベーターの操作をしていると必ず「ありがとうございます」「よろしくお願いします」など、ちょっと時間がかかりますが言ってくれるのです。

 言い終わる前にエレベーターが閉まってしまうこともありますが、同じことをしても何も言わない人もいるし、会釈だけでもすみそうなことを、そんな風に声に出して言ってくれる自体が私はとても嬉しくて私も元気に挨拶しています。

 

 そして、吃音ではなくても、タイトルにある「上手にしゃべれない」ということを思っている方が結構多いのではとも思っています。深刻さの違いはあれど。
 私も苦手意識があるので、ドキドキしたり、言葉が上手く出てこないもどかしさもほんの少しかもしれないけどわかる気がしたのです。

だからこそこのタイトルに惹かれて手に取ったのです。


 医学や様々な技術の進歩で吃音が治る有効な方法が見つかるといいなとももちろん思いますし、周りの人もゆっくり耳を傾けることも必要なんだろうと思います。ご本人がその時話すのがいやなら違う伝え方でもいいんだとも思う。
 傷つけたくないという気持ちや、でもやたら特別扱いもどうなのとか余計なことひとりでいろいろ考えるより、話してみたらいいんだよね。きっと。


 とても、とても感動と学びがある本でした。
そして作者の方が北海道、北見に在住ということでとても親近感がわいた本でした。

 

それではまた次回お会いしましょう!

読んでいただきありがとうございました。