伝えていきたい絵本『てぶくろ』 | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

 

ひゆ~どろどろどろ~ おばけのげげみで~す。

 

 

 

 

8月15日のオンライン絵本会 にじのひろばの

夏まつりに参加させていただいちゃって、

一緒におばけカード作りができちゃって、

と~~~~っても楽しかったで〜す音譜音譜音譜

みなさんありがとうございました\(^o^)/

 

 

 

 

でね、

今夜は、絵本仲間の「しまし乃」さんの

本棚に遊びに来ちゃっていまーす👻

 

 

あれぇ?どうしてかしら~?

夏なのに『てぶくろ』の絵本が

机の上に置いてあるわ~。

それに、同じタイトルの絵本が3冊。

 

 

 

 

ここからは、

しまし乃さんのメモから抜粋するわね

 

 

************

 

ラチョフ画伯の絵と、横内譲画伯の絵の

ウクライナの民話『てぶくろ』2冊の絵本を

対比させてみた。

 

 

 

横内の「てぶくろ」は一方向から動物が現れる。

反して

ラチョフの『てぶくろ』は

多方向から動物達が現れる構図になっていた。

これによって動物達の森の住処の地図が見えてくる

ように工夫されていた。

 

さらに、

両画家とも動物に服を着させているが、

ラチョフの衣装の方が、民族服に多様性をもたせている

 

 

「シベリアで自然に囲まれたラチョフにとって動物は身近な存在だった。

画家になってからは、動物園に行って、よく実物写生をした。

ラチョフが服を着た動物を好んで描くようになった

のは1947年以降のことであるが、

動物昔話の依頼を受けるようになってから、

ラチョフの前にプリーシヴィンなどの作品に

挿絵をつけていた頃には思いもよらなかった課題が現れていた。

ラチョフはこのジャンルの本質をいかにして絵で表そうかと

考えた。その時大道芸、ルボーク(ロシアの民衆版画)、民芸品

サーカスなどに登場する服を着た動物がとても滑稽で人間に

似ているのを思い出し、服を着せることを思いついたのである。

 一言で服といっても、民族や階級、職業など様々なものを表す。ラチョフは、ロシアの昔話にでてくる動物にはロシアの、ウクライナ昔話にでてくる動物にはウクライナの民族衣装を着せることで、それぞれの話の民族色を大事にした。

また、農民のボロ外套、貴族が身につけていた上等な裾長外套などを着せることによって風刺の要素を表現した。」と

田中友子は冊子カスチョールの中で書いている。

 

ラチョフは、

動物に衣装を着せることで民族の姿を映し出す手段としたのだ。

 

 

さらに、

ラチョフの描いた「てぶくろ」は、

動物達が増えるに従い、家に見立てた「てぶくろ」に土台や梯子や煙突などを徐々に描がかれている。

 

背景に夕暮れを連想させる色を加え

一日の出来事のように見せながらも、

 

時間の経過をダブル構造にして、

歴史の長さをも表しているのではないかと

思えるように描かれている。

 

 

 

次に、

ラチョフが描いた2冊の絵本を見てみてる

 

 

 

 

 エウゲー二ー・M・ラチョフは1906年ロシアに生まれた。

『てぶくろ』を発表したのは1950年。

ラチョフ、44歳の頃。

(日本では、1965年に出版されている)

 

 

 

ラチョフの生きた時代背景を追ってみると

ラチョフはスターリンの独裁政治の

目撃者でもある。

スターリンとラチョフは28歳差。

スターリンが「大粛清」を行った1930年

スターリン52歳。ラチョフ24歳。

 

 

ラチョフが最初に動物に服を着せたとき、

出版所は困惑したそうだ。

体制批判と受け取られることを恐れ、服を着ていない動物を描くように説得したが、ラチョフは聞き入れなかった。

出版するかどうかで、7ヶ月も迷ったあげく、

あらゆる機関の官僚に加えて、作家や芸術家たちが召集され、長い協議の末にやっと出版が決まった。

それは、

スターリンの死よりも5年も前のことで

まだ、検閲が厳しかった頃です。

と、

ラチョフ夫人は語っている。

 

 

 

ラチョフは、

1970年代に画風を大きく変化させていて、

1978年、72歳の時、ウクライナ民話集

《麦の穂》のために、『てぶくろ』を描き直している。

 

動物達は笑みを浮かべ

時間は短日のみになり、

背景の描き込みもなく

色調が明るくなり

全体的にデザイン化され

物語の面白さに

視点を当てたものになっている。

 

1950年に描かれた『てぶくろ』から

私がもらったメッセージ性は

なくなっていた。

 

 

 

 

ラチョフは、

第一次世界大戦、第二次ロシア革命、

第二次世界大戦、少数民族強制移住という

悲惨な時代を見て生きてきた。

 

 

絵本を比較することで、

私がもらった、

ラチョフからのメッセージ。

 

 

戦争という時代を生き抜いてきた絵本作家の

平和への祈りと願い。

覚悟を持って描いた『てぶくろ』を

大切に伝えていきたい。

 

 

絵本の持つ

感じることば、

ことばの向こう側を

大切にしていきたいと思う。

 

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そう

締めくくってあったわ。

 

 

 

そっかあ。

これが、しまし乃さんが

絵本『てぶくろ』から

もらったメッセージなんだわね〜。

 

 

ひとり一人、、受け取るものが違うから

絵本って、こんなに魅力的で、

人と人をつなげていけるのかもしれないわね〜。

 

 

 

そして、

ミャンマー

アフガニスタンなど、

内戦は終わっていないのよね。

 

 

伝え続けていかなくてはいけないものが、

まだまだ、

たくさんあるんだわね〜。

 

 

あらあ、また、すっかり長くなっちゃったわ〜。

げげみ、そろそろ消えなくっちゃ〜。

 

みんな、

みんな、

いっぱいありがと〜🌈

 

 

 

 

 

書誌情報

 

 

「てぶくろ」ウクライナ民話

エウゲー二ー・M・ラチョフ絵

うちだりさこ 訳

1965年11月1日初版 

2008年10月20日 第143刷

福音館書店

 

 

 

名作おはなしメイト

「てぶくろ」ウクライナ民話 

横内襄絵 田中かな子訳

1990年1月1日発行

メイト保育事業部

 

 

 

「てぶくろ」

民話/ラチヨーフ・シリーズ1

エヴゲーニイ・ラチョーフ絵

田中潔訳

2003年11月30日 第1刷発行

ネット武蔵野