最近の不動産賃貸業は、なかなか厳しい環境が続いています。 金利の上昇、そしてインフレの影響で、管理費や修繕費といったランニングコストはじわじわと上がっている一方で、賃料は簡単には上げられない。 

こうなると、キャッシュフローは確実に圧迫され、気づけば「持ち堪える」という状況になってしまいます。 そんな中で、 「このまま持ち続けるのがいいのか?」 「物件価格が上がっている今、売却も視野に入れるべきなのか?」 と、あれこれ考えていたときに、ふと思い出した出来事があります。

銀行から突然紹介された物件

一昨年前のことです。 収益中古マンションの価格がすでにかなり上がっていて、東京都内でもものによってはグロス利回りで4%を切るような厳しい状況だった頃です。 たまたま、自宅の住宅ローンを借りている銀行の担当者から、「東京都内の収益物件があるのですが、興味ありませんか?」と声をかけられました。 正直、あまり期待せずに話を聞いたのですが、これが驚きでした。 中古ワンルームマンション、ネット利回りで5%超。しかも東京都内。 背景を聞くと、所有者はご高齢の方で、相続を控えて子どもたちに分配したい意向が強く、価格にはこだわっていないとのこと。いわゆる親族間の事情でした。

「紹介のみ」という微妙な距離感

銀行の担当者、不動産業者とのやり取りが始まりました。

融資は当該銀行では対応できない。 あくまで「紹介のみ」というスタンス。

せっかくなので、近隣の信用金庫を2〜3行あたってみたところ、 一行は条件次第ではとの回答が返ってきました。 少し現実味が出てきたのですが……。


結局のところ、この話は途中で頓挫しました。 実は業者が他の業者にも声をかけていたようです。 私自身の購入意欲が、当初はありましたが、その勢いはなくなりました。というのも価格競争に突入したからです。それでもまだ相場よりは安かったものの、面倒になりおりました。マネーゲームするつもりはなかったからです。 「今回は縁がなかったんだな」と、念じて、フェードアウトしました。

意外だった「銀行ルート」という発見

今回、改めて思ったのは、住宅ローンを借りている銀行から、収益物件を紹介されたという点です。 「投資物件を買う資金を融資できるなら、先に住宅ローン返せよ!」 と思われるかもしれません(笑)。 でも銀行側からすれば、住宅ローンはそれほど旨味はありません。 なるほど、そういう考え方もあるのか、と少し意外に感じました。


あれから数年経ちながら、同じような紹介は一度もありませんが……。


資産の再構築をいかに進めるか。 「持つ」「売る」だけでなく、どこから、どう手に入れるか。 改めて考えさせられた出来事でした。