久しぶりに、思わず目の留まる中古マンションの売り物件情報が舞い込んできました。
スペックは立地: 駅から徒歩約10分、ブランド: 大手デベロッパー分譲
価格: 周辺の相場エリアと比較しても明らかに割安 利回り: ネット(実質)利回りで5%台後半
久々に胸を躍らせながらさっそく調査を開始しました。
更に詳しく読んでいくとこの物件には少し特殊な事情がありました。現居住者の方が「リースバック契約」を利用してそのまま住み続けており、オーナーが変わっても賃料は期間中「固定」という条件だったのです。
私にとっては初めて対峙するタイプの物件でした。
業者さんから詳細なヒアリングを進めると、どうやら入居者の方は「リバースモーゲージローン」を組み、自宅を売却して資金を得つつ、今後は借家人として同じ賃料で住み続けるスキームのようでした。
この手のローンを利用されるのは、一般的にご高齢の方が大半?だと思います。となると、投資家目線ではここから一気に現実的なシミュレーションが必要になります。
最低でも今後10〜20年間は、まったく同じ賃料のまま固定される可能性が極めて高いことを意味します。
一見、空室リスクがなくて良さそうに思えますが、問題は支出側です。当然、区分マンションの管理費や修繕積立金はオーナー持ちとなります。
昨今の建築資材や人件費の高騰、インフレ傾向を考えると、今後10〜20年間、管理費や修繕積立金が据え置かれるということは、どのマンションにおいてもほぼ有り得ないと言っていいでしょう。
従って年数を経るごとにキャッシュフローが悪化していく未来は火を見るより明らかです。いくらネット利回りが5%台後半と高く、物件自体が立派であっても、出口戦略を含めた長期的な投資価値としては厳しいと言わざるを得ません。
物件のポテンシャル自体は素晴らしかったため真剣に検討しましたが、最終的には「投資家目線では『買い』ではない」と判断し、今回は見送る方向で結論を出しました。 自分なりの指値をしてみても良かったかもしれませんが。
ただ、今回の件は非常に良い経験になりました。
不動産投資を長く続けていても、まだまだ自分の知らないスキームや市場の動き、新しい物件のタイプがあるのだと実感させられます。こうして新しい知識に触れ、リスクをロジカルに紐解いていくプロセス自体、やはりどこか楽しく、知的好奇心を刺激されるものです。
市場は常に変化しています。次の「本当に買うべき優良物件」に出会ったとき、瞬時に正しい判断ができるよう、これからもアンテナを高く張って学び続けたいと思います。
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