皆さん乙カレーです♪

 

軍団懸賞がまだ60000に達していない炎騎一心です(笑)

いや、40人いますが、人数確保のサブも多く、一部のプレーヤーさんが必死に頑張っております・・・。

 

私も5垢の内3垢は3000達成して、今4垢目に入ってますが、なかなか大変です(泣)

 

皆さんも無理なく楽しみましょう(笑)

 

 

 

 

 

係長おにざけ 第9話

 

 

私は鬼酒30才

とある上場企業に勤める平凡なサラリーマン。

 

上司の尻ぬぐいは今まで何回もやってきた。

こいつの何処に能力があるのか?疑問に思う人間も多く存在した。

 

中山(事務員)

「鬼酒係長、ちょっとよろしいですか?」

 

私は東山君と、戸田恵梨香と沢尻エリカのどちらが好みか?について討論していたが、中断し、中山さんのところへ行った。

 

「どうかしましたか?」

 

中山

「実は、峰岸君から何とかならないか?と相談を受けまして・・・」

 

峰岸というのは東山君と同じ時期に転勤してきた本社お墨付きの社員だ。

 

相談の内容はこうだった。

ある物件のリノベーション工事でお客様からお金をもらっているのに、一部工事が完成していないとのこと。

その部分の工事業者にも支払いは済んでいて、業者が工事を終わらせていないことが判明した。

しかも2年ほど前だ。

 

「ちょっと待て、何でこんなことになっているんだ?」

 

中山

「当時、現金で業者に30万手渡してそのままになっているそうです」

 

「注文請書は?」

 

中山

「ありません。そもそも注文書が発行されていません」

 

「当時の担当者は?」

 

中山

「・・・田中支店長です」

 

「わかった、とりあえず中山さんは何もしなくていいから」

 

 

そう言って私は峰岸君を呼んだ。

 

「峰岸君、どういう経緯でわかったの?今回の件」

 

峰岸

「実は、お客様が建物に視察に来て、仕様と違っていることに気が付きまして、問い合わせがあったのです。それで当時の業者に連絡をしたのですが音信不通です」

 

「で、君は中山さんに言ってどうするつもりだったの?」

 

峰岸

「経理上、これを処理するのは難しいと思うので、他の案件で上がった売上から少しずつプールして、ここに補填できればと思いまして・・・」

 

「確かに、決算も過ぎている案件だから、それしか無いが、かなり難しいぞ」

 

会社の経理システム上、これはかなり難しいことだった。

一つの案件に対して、見積をするのだが業者からの見積と経費積算書を添付して決済書を上申することになっていた。

つまり、峰岸君の案ではこの業者からの仕入れを架空のものとして上乗せし、プールしていくことになるが、決裁書と実際の利益の数字が合わない場合は理由書を付けなければいけない。

 

「これさ、支店長に言ってしかるべき方法で解決しないといけないんじゃないか?」

 

峰岸

「しかし、支店長には・・・」

 

当然、人事評価に係ってくるので、若い峰岸君は躊躇してるのだろう。

 

「うーん・・・じゃあ、私が支店長のところへ行ってくるよ」

 

峰岸

「係長、尾崎課長に一旦相談されては?」

 

「やつは、田中の犬さ」

 

私は東山君にこの件に関する過去の資料を峰岸君と用意しておくよう指示し、支店長室に行った。

 

コンコン

「支店長、鬼酒です」

 

田中支店長

「入れ」

 

「失礼します」

 

支店長

「どうした?」

 

「実は、〇〇ビルの件ですが・・・」

 

支店長は書類を見ていた目を私に向けた。

 

田中支店長

「あそこがどうかしたか?」

 

「〇〇という業者に支払った分の仕事がなされていないようで、今ほどお客様から問い合わせありました」

 

田中支店長

「それで」

 

「田中支店長が当時関わっておられたと聞きまして、どのように処理するかご相談に上がりました」

 

田中支店長

「では、業者に速やかに実施するよう連絡しろ」

 

「それはしました。音信不通です」

 

田中支店長

「連絡が取れるまで連絡すればいいじゃないか、この件はこれ以上ない」

 

右手で下がれというような仕草を面倒くさそうにして書類に目を通し始めた。

私は一礼して退出し席に戻った。

 

東山

「係長、どうでした?一応資料は揃えました。それと、この業者、支店長が個人的に贔屓にしていた業者のようです」

 

「そうか、ありがとう」

 

私は書類に目を通し、大きくため息をついた。

 

翌日、別の案件の打合せがあり、ある業者と喫茶店でこの話をした。

 

「まったく、勘弁してほしいよ」

 

業者

「酒さん、そのお金私のところで面倒みますよ」

 

「え?どういうことですか?」

 

業者

「今回の工事のついでに、無料でそこの工事をさせてもらいます」

 

「いや、しかし」

 

業者

「半年前の借りはそこで返します」

 

「半年前?」

 

半年前、この業者があるビルの工事で漏水させ、かなりの損害が出た。

最初は業者の瑕疵と思われていたが、私は業者と調査し、竣工時の不具合工事だったことを突き止め、オーナーから一切のお咎めがなかったことがあった。

 

「あれは私の為でもあったのですから」

 

業者

「いや、普通あそこまでやらないですよ、ほとんどが業者の責任と言って押し付けますからね・・・」

 

「じゃあ、今回の案件5%上乗せして見積出して下さい。他社の見積は取らない特別案件として処理するので」

 

その後、この件は何事もなかったように片付いた。

 

私は田中支店長に完了の報告だけを伝えた。

どうやったのか?と聞きたそうだったが、睨みつけて出てきた。

 

人との繋がりはビジネスの上で本当に重要だ。

果たして仕事上のことを借りとして考え、それを返そうと思う人はそれほどいるだろうか?

 

東山

「係長良かったですね」

 

「今回はたまたまだな、東山君もこれから色んな人と出会うだろうから、大事にすべき人の見極めは間違えるなよ」

 

東山

「沢尻エリカみたいな人と出会いたいな」

 

Cにするぞこの野郎と思いつつ、この夜峰岸君と東山君と一緒に飲みに行った。

 

 

 

※この物語は実際の話を基にしたフィクションであり、登場する人物・団体等は実在するものを一部変更してあります。