朝6時半に公園に集まって、体操をする。
体操が終わったら、
カードに判子を押してもらい、
それを出欠確認とする。
6年生は集団の真ん前に立ち、体操をして
帰りにカードに判子を押す。
運動が出来るとか、かわいいとか
才能に秀でた人気者の6年生の前には
下級生が長い行列をなす。
人気のない6年生には、0。
人気者が判子を押しきるまで、
6年生は全員帰れない。
PTAのお母さんたちは早く帰りたいから
長い行列を捌こうとする。
行列の後ろの方に並んだ下級生は
人気のない6年生の前に強制的に移動させる。
下級生のなかには、
「あいつの判子を押されたくない」と
露骨に嫌がる子供もいた。
カードには自分の好きな上級生の判子で
埋め尽くしたかったのだろう。
わたしはずっとゼロの側の人間。
わたしの判子を押されたくないと
ごねた下級生の姿を思い出す。
下級生のキモチもわかる。
わたしだって判子を押したい訳じゃない。
慣わしだから仕方なく来てるだけだ。
長い行列が出来ている隣で、
判子を押すわけでも押されるわけでもなく
まんじりと過ごす、あのキモチ。
思い出すなぁ。