デンドロビューム特有の現象として高芽というものが出てくる。

昨年および今年伸びた茎の途中から、芽や根が現れて大きくなり、小さな苗が直立した茎の途中、多くは茎の上半分に出るが、ここに出たものを高芽という。

夏の日光不足や秋以降水が多かったり、初冬のころ低温にあてなかったなど、栽培上の不手際が原因で高芽は出ることが多いので、高芽を出さないためには次年度からは夏、日光浴を充分させ、肥料は7月末までにし、以後はやらず、10月になったら水やりを減らし、初冬には明け方5~7度の低温に7~15日あて、以後、暖房のある室内に置くようにすることだ。

暮れのギフト商品として花つき株が市場には出荷されているが、家庭ではこのころには、まだ花芽も決まっていないのが普通だ。

これは夏の手入れの差による。

プロは暮れに開花させるために、シンビジュームと同じように冬の終わりから温室の温度を高くして新芽を出させて早く株を作り、夏、これを海抜500~800mの高原へ運び、早く冷気にあて、そして、秋の終わりから少し加温した温室に入れて開花を早めるというやり方をしている。

家庭ではこのまねはできない。

西口一希(ガーデニング)