苫米地英人『立ち読みしなさい!』ありがとう出版、2013年。
この書評ブログでは、今後苫米地英人『テレビは見てはいけない』(PHP新書)、同『原発洗脳 アメリカに支配される日本の原子力』(日本文芸社)、同『電通 洗脳広告代理店』(サイゾー)などを取り上げていく予定でしたが、それよりも先に、この『立ち読みしなさい!』を取り上げます。
以下、「苫米地本」を何冊か読んできている人、あるいはビジネス書や自己啓発書を何冊も読んできている人が読むことを前提に簡単な書評と紹介をします。
著者はすでに100冊以上の書籍を出していますが、その中でも「立ち読みしなさい!」という不可思議な題名のものは初めてではないでしょうか。
もちろん「本屋で様々な本を立ち読みしなさい」と薦めている本ではありません。本屋で本書を手にして、最初の7ページ分、001~007ページの部分に目を通して、ピンと直観で「この本は読んでおくべき」と思った人は、購入して読んでほしい、という思いを込めた題名です。
そして本書は、できるかぎり多くの人が「叶えたい自分の本当の夢」を叶え、「幸せな人生」を選んで歩むための方法論を説いています。
いわゆる「苫米地本」で説いている内容を敷衍したものではありますが、その中でも「方法」について分かりやすく説いているものだと思います。
個人的には、漫画の154ページの「ゴールと今の自分の位置」を輪ゴムの伸び縮みの作用で説明した部分は、今まで苫米地本を読んでいてもあまり気に止めなかった部分(「コンフォートゾーン」になっていた部分)でしたが、良く分かったように思います。
また同じく漫画の155ページの「過去・今・未来」の関係も、初めてクリアに理解したように思います。
いままで「苫米地本」を読んだけれども何も変わらなかったという人にも、本書は響くと思います。
この書評ブログを初めてまだ1か月ほどですが、本書のプログラムを実行することで、本書の紹介がこのブログ最後の更新になるかもしれません(皮肉なことですが)。

吉野敬介『やっぱりおまえはバカじゃない』小学館、1998年。
代々木ゼミナールの人気講師だった吉野敬介先生の著書です。今は東進ハイスクールで教えておられるようです。
「大学の名前にこだわるなよ。もういいだろう、ブランドは。いつまでもあの大学に行きたかったのだの、あの大学じゃないとカッコつかないだの、目先のくだらないことに振り回されるなよ。言っちゃ悪いが社会に出たら『どこの大学出たの?』なんてセリフは『どこの小学校出たの?』と同じだ。誰も気にしなくなる。言う奴がいる?そんな奴は相手にする価値すらない人達です。その周辺でいい仕事ができるとは思えない。時間のムダだから離れてろ。そんなことより四年後。四年後までに何かを成し遂げるための下準備をしておくんだぞ。おまえたちが生きていくこれから先の世紀は、これまでのどの世紀より、とんでもない早さで動きます。そしてこの世紀は、おまえに絶えず聞いてくるはずだ。おまえの最終学歴なんかじゃないぞ。おまえの容姿でもない。そいつはな、『おまえは何ができるの?』『おまえは使える奴なの?』『やっぱりおまえはバカだったの?』それだけを聞いてくるんだ。」(p.213)
吉野先生については毀誉褒貶、色々あるようですが、この部分だけでも、この本は買って読む価値はあると思います。

三田紀房『汗をかかずにトップを奪え!『ドラゴン桜』流ビジネス突破塾』大和書房、2007年。
著者は、東大合格は低学力からでもやり方次第で可能であることを示した伝説的な受験漫画『ドラゴン桜』や、高校野球は興行であるというテーマの高校野球漫画『砂の栄冠』の作者の漫画家です。
本書は、ビジネス書を読む人がなかなか上昇気流に乗れないということを誰にでも分かるように説明してくれます。「最後のビジネス書」といえる1冊かもしれません。この本を読んで、これ以上、ビジネス書をあれこれ読むのはやめにしましょう。


米長邦雄『1手3手の詰将棋』マイナビ、2013年(初出1976年)。

一手詰61問、三手詰139問の計200問が収録されています。
ある本の中で米長先生は「アマ初段の人でも、自分の書いた『一手・三手の詰将棋』(本書の旧版。倒産してしまった山海堂から出版)をしっかりできるかどうかは怪しい」と述べていました。つまり、初段であればこの詰将棋集は完璧にできていないければまずいでしょう、ということを主張されたのだと思います。
問題の筋はアトランダムですが、良問ぞろいで素晴らしい詰将棋集だと思います。
初段を目指す方は完璧に仕上げると良いと思います。(2013年12月11日終了(旧版)。詰将棋・必至計500勝。)


棒銀堂古書店店主・棒銀鬼平治の古書案内。


森信雄『詰め将棋ドリル 一手詰入門編』廣済堂出版、2011年。

詰将棋1手詰め300題です。易しいのですが集中力を切らすとたまに間違えます。また問題によっては盲点に嵌ってしまって1手詰めなのに解けないことがあります。1手詰めだからと言って馬鹿にできないのが詰将棋の面白いところでもあります。将棋を覚えたて以上の棋力の方にお薦めの1冊です。

(2013年12月1日1回目終了。計300勝。)