【日常と中島みゆき】

 

現在大学2年の私は、英語の授業で「magnetic」という英単語をふと目にした。

高3のときに散々覚えた数多くの英単語も、いつの間にか頭の中から消え去っている。

だが、流石に「magnetic」くらいは覚えているし、意味だって容易に想像できる。

 

ジーニアス英和辞典には以下のように記されている。

magnetic

①磁石の;磁気の

②磁気を帯びた,磁気を持った,磁気[磁石]を利用した

③[通例限定]人を引きつける,魅力的な     (「ジーニアス英和辞典」より)

 

磁石にはS極とN極がある。異なる極同士であれば反発し合い、同じ極同士であれば引き合う関係にある。

たしかに、上記に記した③の意味にも納得である。

 

「あれ、こんな解釈をどこかで見た気がするな...?なんだっけ...?」と、私はふと思った。

 

星も見えない砂漠の日々も
あなたの呼ぶ声を聞く 風に耳をすます
ああ心の中に磁石がある
みんなひとつずつの磁石がある 
  (中島みゆき「ただ・愛のためにだけ」より)

 

「ただ・愛のためにだけ」は、2005年に岩崎宏美さんに提供された楽曲である。

中島みゆきさん自身も2006年発売「ララバイSINGER」内でセルフカバーを果たしている。

 

(「岩崎宏美公式YouTubeチャンネル」より)

 

 

ここでいう「愛」には、あらゆる意味が込められているのだろう。

 

「人は孤独じゃない」

 

「誰かが必ずあなたを求めている」

 

そんな奥深さを感じる。この楽曲は私たちへの応援歌なのかもしれない。

 

中島みゆきさんがmagneticの意味を知って、この2行を書いたのだろうか。

いや、彼女の「言葉」に対する思いが、単なる一つの「言葉」の意味の多様性などを引き出したのではないだろうか。

本当のところは分からない。

ただ、「中島みゆき」の歌詞は様々な解釈ができるはずだ。

 

私たちが何となく目にする日常。そこに、彼女の思いが隠れているのかもしれない。

 

そんなことをただただ思う日々である。