今回の依頼は次の三つ。

①後輪のパンク

②チェーンがガチャガチャと音がする

③テールランプが点かない

 

まず順番にパンクから取り掛かります。

車体からホイルを外す。

タイヤのエアーを抜くためにチューブのバルブを外し、バルブを固定しているナットを緩めるにつれてバルブが曲がっていく・・・。

これはエアーのない状態で走行したときに起きるチューブが一方向に引っ張られている状態です。

 

本来ならチューブに十分な空気圧が入っていればタイヤはホイルのリムとの摩擦でピッタリとくっ付いているから、ホイルとタイヤの回転差が出ません。

しかし、タイヤ内のエアー圧が極端に少なくなると、タイヤがリムに押し付けられる摩擦が無くなりホイルに回転する駆動力が伝わってもタイヤは外れているので回転差が生じてます。

チューブレスタイヤならタイヤが外れてその場で空転するけど、今回はチューブ入りタイヤ。

タイヤとチューブはお互いにゴムなので摩擦が起きるからチューブは限界までタイヤについていこうとするが、チューブバルブがホイルに固定されているからチューブは限界まで引っ張られて異常なダメージを受ける。

ひどい場合はチューブのバルブ付近が裂けます。

 

バルブを緩めるのは諦めて先にタイヤを外しました。

外したタイヤには異物が刺さっているなどは認められなかった。

 

案の定、タイヤの中でチューブが一方向にズレてシワシワになった状態でした。

チューブを取り出しパンク個所を調べると、側面と内側の二か所に穴を確認。

 

表面に跡が付いています。

限界まで引っ張られたのか、無理な力が加わって損傷したのでしょうね。

 

こちらは内側。

 

小さな穴が開いてました。

 

リムバンドを外した様子がこれ。

原因はこの錆でしょう。

リムバンドの幅は20mmほどなので、それ以上の幅に成長したこの錆からチューブを守ることができなかたのでしょうね。

穴が開いていたのはリムバンドを避けた個所だと思います。

またリムの錆もかなり進行していて、これでは規定の空気圧でもタイヤとの摩擦が少なくなりますね。

 

バルブの付け根の損傷が無かったのが不幸中の幸いでした。

付け根がやられてたら交換しかないもんね。

 

ささっとパッチを貼ってパンク修理は終了。

 

また同じことが起きないようにホイルはできるだけ錆をキレイに落とし、錆の上から配線テープをグルグルっと巻いてからリムバンドを付けてタイヤをはめて車体に取り付けて完了。

・・・と思ったその時にブレーキロッドを取り付けるときにドラムブレーキのカムシャフトレバーの動きが悪すぎる!

ブレーキペダルを踏んだら戻らない・・・。

 

固着してますわ。

 

外して錆を削っている途中のカムシャフト。

 

キレイに錆びを落として一度装着し、動きがまともに回復したのを確認しグリスアップをしてから組み込み。

 

これでもう一度ホイルを車体に組み付けて、ダランダランになってるチェーンを調整して取付完了。

 

テールランプはただの球切れだったので球を交換。

 

これで今回の作業は終了。

 

持ち主にはパンクの原因を伝え、タイヤの空気圧に気を配って欲しいことをお願いしました。

その時にリアブレーキの固着のことを伝えると、そういえばブレーキがおかしかったと言われた・・・。

また同じことにならないようにね。