◆【2】都心のClub 外景(深夜)
(次第に)空気を振るわせるほどのユーロビートの爆音
暗闇に交差するカクテル光線、轟く爆音、巨大なミラーボール。
ユーロビートにあわせて一糸乱れぬパラパラを踊るギャル男、ギャルたち。
彼らの中心に光を帯びたギャル男が一人。彼が人差し指を天高く掲げ、ぱちりと鳴らす。
一瞬の静寂。全ての人、音、光が止まる。
聖 夜 「今宵は聖夜ナイトだ。命、尽きるまで踊っちゃいなぁ!」
再開するユーロビートの爆音。歓声。嬌声。揺れる会場。熱気に曇るカメラ。
朝まで生テレビ出演中の聖夜。教育問題に苦言を呈し、政治家黙る。
ワイドショーレポーターが叫ぶ。ここが、聖夜が立ち寄った立ち食い蕎麦屋だと。
サッカー国際試合直前の君が代を歌う聖夜。手を胸にあてて口ずさむ選手たち。
車道を三十人ほど連れて歩く聖夜。まるで杖を掲げたモーゼのように人も車も割れてゆく。
(テロップ・スタンプを捺すようにバン! 衝撃で文字が揺れるほど)
「ギャル男の街『渋谷』制圧!」
「夜のオアシス『六本木』制圧!」
「ホストの国『歌舞伎町』制圧!」
「天下統一目前!」
(全てのテロップに重なるカタチで)
「しかし!」
(暗転→テロップ・ルパン三世風 黒地に一文字ずつタイプ、タイプ音)
『電脳の惑星 秋葉原襲撃事件!』
深夜の秋葉原。
【8―1】華やかだった秋葉原。
【8―2】荒廃した秋葉原の映像へ。
連なる店舗のシャッターは落書きだらけ。破られて夜風に揺れる萌え系キャラのポスター。夜の街を、ケバイ女を連れて闊歩するチーマー崩れの男たち。先頭を切って歩くボス風の男。若き日の毒島。下品な笑い声。舌なめずりをするそれにはピアス。
(カットバック)