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人を信用させる物質特定 ホルモンの一種、悪用心配 
 
記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2005年6月2日】


 【ワシントン1日共同】鼻に噴霧すると、人に対して抱く信頼感を強める働きがある物質を特定したと、スイス・チューリヒ大のエルンスト・フェール教授らのチームが2日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 この物質は、人体でつくられるホルモンの一種「オキシトシン」。他人に対して健全な信頼感を持てない、ある種の障害の解明や治療法の開発に役立つと期待される一方、人の精神や行動を操作できる可能性もあるため、悪用を懸念する声も出そうだ。

 オキシトシンは脳の視床下部などでつくられ、母乳を分泌させたり、出産時に子宮を収縮させたりする働きがある。動物では親子やつがいのきずな作りに重要と分かっているため、チームは「人では信頼感に関係しているのでは」と仮説を立て、損をする可能性もある投資ゲームの参加者にオキシトシンを与え、行動にどんな変化が出るか調べた。

 投資家が受託人にどの程度の資金を預けるかによって信頼の強さを評価したところ、オキシトシンの噴霧を受けた29人は、偽薬を与えられた29人に比べ、より高額を預ける傾向があった。一方、受託人をコンピューターに置き換えた場合は、預ける額に差はなかった。

 この結果から、チームは「単にリスクを冒しやすくするのではなく、人への信頼感を強める働きがある」と結論付けた。

 ネイチャー誌にコメントを寄せた専門家は、考え得る悪用例として、選挙の候補者の演説中に聴衆にオキシトシンを噴霧することなどを挙げたが、研究の重要性には変わりないことを強調した。