「薔薇くい姫」・「枯葉の寝床」  森 茉莉著



拙い感想です。


「枯葉の寝床」をなんとか読み終わり、ギランとレオの不毛すぎる生涯の耽美的恋愛志向の世界にどっぷり嵌った後に、解説を読んだときから気になっていた「薔薇くい姫」を読み始めたら、止まらなくなって、一気に読みました。

どこで終わるのか?という修飾語と補足の多さよりも、著者の詳細な感情の吐露が面白くて、読み耽りました。


芸術家肌故の、俗世間の中で生きていく上で生じた怒りを、滑稽に書いています。


創る側の人間は、やはり、世間ズレしていて、そういう人ほど傑作というものを創るのか?・・・ちょっと考えてしまう内容でもあります。



「枯葉の寝床」を読むのは大変でしたが(マホガニィ(桃花心木)はもういいよ・・・なんて思ったり)、
日に日に執着に狂ってレオを殺すことを正当化する考えになるギランの姿と、そんなギランに殺されることを感知し畏れながらも離れられないレオの姿は、せつなくて、奥深くに残りました。

身も蓋もない言い方をすれば「心は求め合っているのに、性の不一致が無理心中になった同性愛」なんですが、ギランのレオへの執着の表現が凄くて、人間の業の深さというのでしょうか?
ギランとレオの心理的葛藤の表現に酔い痴れました。

ギランの狂った執着的愛情を耽美的芸術志向で、絵心を掻き立てまくる、枯葉の寝床にしたことに、心が囚われています。



「薔薇くい姫」で著者が日常どんな事を考えて、どんな風に過ごしているのか、そんな姿を少しでも知ることができました。

薔薇の葉を食べて、パンジーの葉を食べて、どこか彼方に思いを馳せているような空気を常に纏って、でも、そんな彼女の姿を軽視する世間に対して憤慨したり・・・共感できるものが、かなりありました。


実際食べていたかもしれないのは、解説によると柿の葉だけらしいですが。


解説で、著者が惚れ込んだ西洋の俳優をベースに、小説を書いたと知ったとき、ナムギルさんに魅せられて創作したい気持ちも同じだと思いました。

ご都合主義の恋愛妄想ではなくて、美文調の中にも心理的葛藤をたっぷりと含ませた、美と人間の業の世界観だから、囚われます。


私の場合は、石膏像に見惚れて、よくデッサンしたのですが、実際の西洋の芸能人に夢中になることはなく、実態としては東洋人のほうが好みで、ナムギルさんのアジアンビューティーの虜です。
イラストを描くために、二次創作として考えるお話は、耽美的悲劇しか妄想できません。

耽美的芸術志向の破滅的発想じゃないと、絵心が動かないんです。


この二作を、また読み返してみようと思います。


いまさらですが、この著者を薦めてくれた方々に感謝します:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


なんとか読めるようになったので、BL三部作の残りの二作にもチャレンジ予定です。