ある墓 東京駅から中央線で一時間。その墓は東京の西のはずれ、高尾山の中腹にあった。梅雨時にもかかわらず、抜けるような青空。 父が亡くなった時に気が付いた。死者の魂は、それぞれの弔う心の中にあると。あれから、5年の時が流れたというのに、未だそれを受け入れられないでいる。自分の中にある忌野清志郎の魂を鎮める必要があった。その事実を受け止めなければならなかった。 心静かに手を合わせた。