風立ちぬ。
アニメーションは、現実の映像を簡略化したものだと思っていた。
それは幼児性であり、そもそも大人の鑑賞に堪えるものではないと信じていた。
この映画を見て、違う方向性の表現もあるのだと感じた。
これはもう、連続する絵画である。
ゴッホが、セザンヌが、ピカソが絵画で表現しようとしたのに対して、
宮崎監督はアニメで表現したのだなと。

熟成された赤ワインのような、ボディのしっかりとした余韻が残った。
主人公は、葛藤などしていない。美しいものを求める、そのことに一途である。
美しいものに妥協をしないということは、ときに残酷なことである。
イタリアの工業製品のデザインが美しいのは、美しいことも機能のひとつである
という考えが浸透しているからと聞いたことがある。
美しい映画を見た。