小学校の運動会。
小4の息子は徒競走で1等賞。
かけっこ得意じゃないと思ってたけど。

いつもは、あまり物事に一生懸命にならないのに、今年は意欲的だった。
「たぶん一番になれる。」

 聞けば、前日にも公園で友達とスタートの練習をしたそうだ。

 先行逃げ切りで圧倒的な勝利。
開口一番、
「けっこう差がついてた?」

 前しか見てなかったからとのこと。
勝ったものにしか分からない気持ちを手に入れたのだな。
 望遠200mmでファインダー越しに、感動しましたよ。

      

 あれは、僕が中3の秋のことでした。
運動会を直前に控えたまだ日差しの強い9月のことでした。
組み体操の練習。もうお昼前、だいぶ消耗していたのだろう。

 二人が向かい合ってお互いの肩に手を置く。僕はその土台の上に立ち、両手を広げる。
どうも、上で立ちくらみを起こしたらしい。気がつけば、友達や先生が上から覗き込んでいる。

 立った状態の肩の高さから落ちた、顔から行ったようで、擦り傷が。
踏み板に乗せられ、軽トラの荷台にゆられて近くの病院へ。意識もはっきりしていたし、
元気だった。念のため、1日入院。後日、脳波の検査も問題なし。

 運動会は見学にした。
翌年、高校生になった僕は風のうわさで聞いたんだ。

「あの中学、今年から組み体操、無くなった。」

 僕のせいじゃないよね。違うよね。