親父のステレオは昭和堂。昔の電化製品はしょっちゅう故障するので、家に電気屋が来ることは珍しくなかった。
 
 高校2年の時、初めてLIVEをやった。
市民会館の館長が友人の父親だったので、1万円ほどで借りれた。

 アンプは持ち込み。先輩が、自前のベースアンプをわざわざ軽トラで運んでくれた。ビールの差し入れ付き。高校生でしたけど。

 で、PAは昭和堂で借りた。

 以前は国道沿いの小さな店舗で、ギターのピックとか弦とか売ってる、重宝しました。
グヤトーン弦っちゅうのがね、ショッキングピンク地の小袋にライトグリーンのロゴでね。アンプのメーカーなんですけどね。

 この弦が格安で、バラ売りなんですけど、セットにしても\380くらいだったと記憶しています。格安。ヤマハ弦が\800の時代です。
 1弦なんて、\30。

 これが不思議な弦でして、最初からあまり鳴らない感じなんですけど、その状態が持続するのです。ギターの弦は消耗品で、けっこう寿命は短いのです。全く弾かなくても数カ月で音色が変化します。いわゆる「弦が死ぬ」という状態になります。

 ところが、グヤトーン弦は、死なないのです。あまり鳴らないなりに、初期の状態が持続するのです。

 高校の頃なんか、オナニーを覚えた猿みたいに、飽きもせず弾いて弾いて弾き倒しでした。そんな時も、ヴィヴィッドカラーのグヤトーン弦がかたわらで支え続けてくれたのです。

 ありがとうグヤトーン、ありがとう昭和堂。

 しかし、不思議なことに、このグヤトーン弦、昭和堂でしかお目にかかったことがないのです。私、京都、大阪、名古屋と流れてきましたが、どこにもありません。
 


 昭和堂は、少し移転してました。
なぜか山小屋風。
 まさかのログハウス感。
休業でした。