髪は長い友達って?
あれは今日の2時間め休み(普通のより5分長い)の事だった⋯
我ら西浦野球部の⋯可愛く無い方の副部長殿は大変お疲れだったようで⋯机に突っ伏して完全ではないけど半分寝てるみたいに過してた。
黙ってれば何もされないんだし、オレだってけしてちょっかい出す気なんて無かったんだ。
でもシャー芯切れちゃっててさ~⋯
しかも次の英語の宿題終わって無くてさー⋯
仕方ないから後ろの席の阿部を振り返ってペンケースをそおっと持ち上げて、
オレ「シャー芯、借りま~す⋯」
と2本失敬(いや返せってんなら今度買って返すよ?)したんだよね。
でもってそのまま向きを戻そうとしたんだけど、そこで起きかけた阿部がちょこっと動いたんだ。
オレ「!」
阿部「⋯⋯⋯ぅう⋯」
でもまだ起きる気にはならなかったみたいでうつぶせたまんまで。
そしたらさ~⋯⋯目に入っちゃったんだよね~⋯
これオレすっごい気になるの。昔からオヤジの探して抜いてあげるのオレの仕事だったんだもん。
オレ「あべべ~、若白髪あるよ~、抜いていい?抜いた方がいいよね?抜いてあげるね~」
誓って言うよ。これ、オレの親切心です。
それにそこで阿部もほぼ起きてたんだよ?
「んあ⋯?白髪~⋯?」って返事聞こえたもん。
でも「やめろ」って言わなかったもん!
オレ「いっきまーす⋯(ぷちぷち)」
阿部「ってェッ!!!」
オレ「!?」
なのにオレが若白髪を抜くなり、阿部は派手なリアクションで飛び起きた。
え、え⋯一体なんで⋯
阿部「⋯⋯水谷⋯テメェ今何した⋯」
オレ「え、え、阿部返事したじゃん!『若白髪抜いてあげるよ』っていったら『んー』って⋯!」
阿部「白髪だァ⋯?」
オレ「そうだよ!目立つんだから~!ちゃんとこやって⋯⋯」
と、さっき抜いて握ったまま、突然の事にびっくりして避けていた右手をズイッと差し出した、⋯⋯んだけど⋯⋯
阿部「オイ、お前確か『若白髪』抜いたっつったな⋯」
オレ「⋯⋯⋯⋯ハイ⋯」
阿部「お前が握ってるソレなんだ?」
オレ「あべの若白髪⋯⋯1本⋯⋯」
阿部「と?」
オレ「⋯⋯⋯えと⋯⋯⋯その⋯周辺⋯にあった⋯⋯⋯黒い、の⋯⋯5本⋯かな⋯?」
お、おっかしいな~??
ちゃんと握ったつもりだったのに⋯!
阿部怒って⋯⋯と思ったら⋯え?なにそのキモい笑顔⋯
阿部「水谷(ニィッ)」
オレ「はぁい⋯(びくびくニコニコ)」
阿部「白髪、抜いてくれてサンキュ」
オレ「い、いや⋯どいたまして⋯」
阿部「ところでな、お前もここに若白髪あるの気付いてたか?」
オレ「え、どこどこ!?」
慌てて自分の机の方に向き直って鞄から鏡を取り出す。
頭を映しつつわしゃわしゃ髪をかき分けようとしたら、いくらも弄らないうちにそれが見つかった。
オレ「うわ、ホントだァ~」
けっこ抜きにくそうな側頭部だったけど、これをそのまま生やしてる訳に行かない。
掴めるかな~?と思った時に、ふと覗き込んでいた鏡に人陰がよぎった。
オレのすぐ真後ろ。
阿部だ⋯!
阿部と鏡越しのアイコンタクト。うぇーキモ。
しかもますますいい笑顔。
え、何なの⋯?その笑み一体⋯?と思っていたら⋯
阿部「水谷ィ⋯若白髪抜いてやるぜ?1オレは基本、3倍返しだからな」
オレ「!!!!!!!」
でも既に伸びてきた手に頭を押さえられてるオレに逃げ場は無く⋯
阿部「いくぜ⋯オラ!」
オレ「いった~~~~~い!!(泣)」
阿部さ⋯そんな奥ゆかしいサバ読みやめろよな⋯
どこが3倍返しだよ。
くっきり30倍返しじゃん!!
見兼ねた花井が帽子を貸してくれた。
え⋯そんなに⋯?とちょっと哀しくなったのは花井には秘密だ。
うう⋯⋯ちゃんと生えてきますように⋯!
我ら西浦野球部の⋯可愛く無い方の副部長殿は大変お疲れだったようで⋯机に突っ伏して完全ではないけど半分寝てるみたいに過してた。
黙ってれば何もされないんだし、オレだってけしてちょっかい出す気なんて無かったんだ。
でもシャー芯切れちゃっててさ~⋯
しかも次の英語の宿題終わって無くてさー⋯
仕方ないから後ろの席の阿部を振り返ってペンケースをそおっと持ち上げて、
オレ「シャー芯、借りま~す⋯」
と2本失敬(いや返せってんなら今度買って返すよ?)したんだよね。
でもってそのまま向きを戻そうとしたんだけど、そこで起きかけた阿部がちょこっと動いたんだ。
オレ「!」
阿部「⋯⋯⋯ぅう⋯」
でもまだ起きる気にはならなかったみたいでうつぶせたまんまで。
そしたらさ~⋯⋯目に入っちゃったんだよね~⋯
これオレすっごい気になるの。昔からオヤジの探して抜いてあげるのオレの仕事だったんだもん。
オレ「あべべ~、若白髪あるよ~、抜いていい?抜いた方がいいよね?抜いてあげるね~」
誓って言うよ。これ、オレの親切心です。
それにそこで阿部もほぼ起きてたんだよ?
「んあ⋯?白髪~⋯?」って返事聞こえたもん。
でも「やめろ」って言わなかったもん!
オレ「いっきまーす⋯(ぷちぷち)」
阿部「ってェッ!!!」
オレ「!?」
なのにオレが若白髪を抜くなり、阿部は派手なリアクションで飛び起きた。
え、え⋯一体なんで⋯
阿部「⋯⋯水谷⋯テメェ今何した⋯」
オレ「え、え、阿部返事したじゃん!『若白髪抜いてあげるよ』っていったら『んー』って⋯!」
阿部「白髪だァ⋯?」
オレ「そうだよ!目立つんだから~!ちゃんとこやって⋯⋯」
と、さっき抜いて握ったまま、突然の事にびっくりして避けていた右手をズイッと差し出した、⋯⋯んだけど⋯⋯
阿部「オイ、お前確か『若白髪』抜いたっつったな⋯」
オレ「⋯⋯⋯⋯ハイ⋯」
阿部「お前が握ってるソレなんだ?」
オレ「あべの若白髪⋯⋯1本⋯⋯」
阿部「と?」
オレ「⋯⋯⋯えと⋯⋯⋯その⋯周辺⋯にあった⋯⋯⋯黒い、の⋯⋯5本⋯かな⋯?」
お、おっかしいな~??
ちゃんと握ったつもりだったのに⋯!
阿部怒って⋯⋯と思ったら⋯え?なにそのキモい笑顔⋯
阿部「水谷(ニィッ)」
オレ「はぁい⋯(びくびくニコニコ)」
阿部「白髪、抜いてくれてサンキュ」
オレ「い、いや⋯どいたまして⋯」
阿部「ところでな、お前もここに若白髪あるの気付いてたか?」
オレ「え、どこどこ!?」
慌てて自分の机の方に向き直って鞄から鏡を取り出す。
頭を映しつつわしゃわしゃ髪をかき分けようとしたら、いくらも弄らないうちにそれが見つかった。
オレ「うわ、ホントだァ~」
けっこ抜きにくそうな側頭部だったけど、これをそのまま生やしてる訳に行かない。
掴めるかな~?と思った時に、ふと覗き込んでいた鏡に人陰がよぎった。
オレのすぐ真後ろ。
阿部だ⋯!
阿部と鏡越しのアイコンタクト。うぇーキモ。
しかもますますいい笑顔。
え、何なの⋯?その笑み一体⋯?と思っていたら⋯
阿部「水谷ィ⋯若白髪抜いてやるぜ?1オレは基本、3倍返しだからな」
オレ「!!!!!!!」
でも既に伸びてきた手に頭を押さえられてるオレに逃げ場は無く⋯
阿部「いくぜ⋯オラ!」
オレ「いった~~~~~い!!(泣)」
阿部さ⋯そんな奥ゆかしいサバ読みやめろよな⋯
どこが3倍返しだよ。
くっきり30倍返しじゃん!!
見兼ねた花井が帽子を貸してくれた。
え⋯そんなに⋯?とちょっと哀しくなったのは花井には秘密だ。
うう⋯⋯ちゃんと生えてきますように⋯!