足りてると言ってくれ
じゃぶじゃぶじゃぶと、夜中にこっそり洗面台で洗い物をする。
でもこれはけしてパンツとかパジャマのズボンとかシーツとかではない。
田島ほどじゃないだろうけど、夢で粗相をするほどためない主義です。
でもこんなもの⋯母さんに見られるワケにも⋯⋯
こんな事になったのも⋯元はと言えば⋯⋯(泣)
今日の部活の時に、モモカンが全員を集めてこう切り出した。
モモカン「さて、うちもだいぶチームとして形になってきたけど、勝ち上がるためにはまだ足りないものがあるよね。 まず、何が欲しい?」
こうしてモモカンが聞いてくるってのは、オレ達に欲しいモンの希望を聞いてるんじゃなく、何が足りないのか分かってる?って尋ねてきてるんだってことくらい、オレにも分かる。
あれこれ騒がなかったとこ見ると田島にだって分かってんだろう。
それでも咄嗟には言葉がでなくて、みんながまだ黙っていると⋯⋯アイツがすっと手を上げた。
モモカン「ハイ、阿部君!」
名を呼ばれて、みんなが注目する中⋯⋯阿部の言った台詞は⋯⋯
阿部「もう一人レフトが欲しい!」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯え⋯⋯?
レフト⋯⋯⋯レフトはいます、けど⋯⋯?
ていうか⋯「もう一人」ってことは、いるのは分かってんだよな⋯?
え、でも⋯⋯なんで「もう一人」⋯⋯??
阿部「レフトが水谷一人でこの先どうすんだ!」
プロや強豪校じゃないんだから⋯まして部員は全部で10人⋯⋯レフトが一人なのは当たり前だと思うんだけ、ど⋯
ていうか他のポジションも全部一人じゃないの??
阿部「今週から練習試合組んでんだぞ」
や⋯あの⋯そりゃオレもそんなスタミナ抜群のタフガイとはいいませんが⋯でも投手じゃないんだから1日2試合くらいもつよ?
阿部「水谷をレフトにおいて試合をするなら、そこにもう一人いるんだよ!」
オレ「え⋯オレひとりで守れるけど⋯」
阿部「ざっけんなっ!」
ヒィ!!(震)
すくみ上がったオレをタレ目でギロっとねめ回した阿部は、次に全員を見て言った。
阿部「そういうワケだ。西広をガンガン鍛えると同時に、新入部員も募集する。体育の授業で『これは』って奴がいたら声をかけるようにしてくれ」
ちょ、ちょっと待って⋯
オレは体育の授業のヒーロー程度に負ける部員なの!?
奴の台詞から拳が飛び出してきて脳天ボコってきてる気がする⋯クラクラする⋯
田島「篠岡!なんか書くもんかして!」
思わず座り込んだ向こうで、田島が何か騒いでると思ったら、急に背中に激痛が走った。
オレ「~~~~~!!!?*@#$%&☆!」
キューキュッキュという音と共に背中に何かがゴリゴリめり込んでくる。
くすぐったさと痛さとシンナー臭さに更にクラクラしていると、最後に一際ゴリっと何かが背中にめり込む感触と共に田島の満足げな声が聴こえた。
田島「おし!これでどーよ!」
おそるおそるまだ痛みの残る自分の背中を見ると⋯白い練習用ユニフォームに何か黒い字がのた打っている⋯
ボタンを外して一度脱いでみた背中にはでっかい「7」の背番号。
それだけならギリギリ厚意⋯⋯と思えない事もない⋯んだけど⋯⋯
7の数字の下に書かれていたのが、
「西うらのクソレフト、見参!!」
更に追い討ちをかける一言が⋯
田島「その通り名はお前のだからよ!いつもしょっとけ!」
た じ ま ⋯ !(泣)
花井「た、田島⋯!お前な!!」
おお⋯!さすがクラスメート兼キャプテン!
かばってくれるなんて、フミキ感激!(愛)
花井「どうして『見参』がかけて『西浦』の『浦』が書けないんだよ!この先、それこそ背負ってく自分の学校の名前くらいちゃんと漢字で覚えろ!」
は な い ⋯ !!(号泣)
ずれてる⋯ずれてるよ花井⋯⋯!
そんな訳で⋯夜中の洗面所でオレは自分の練習用ユニをじゃぶじゃぶ洗っている⋯⋯
こんな事になったのも、阿部があんな提案をしたからだ⋯!酷いよ阿部!!(泣)
あ~⋯⋯これ油性ペンだよ~⋯⋯
でもこれはけしてパンツとかパジャマのズボンとかシーツとかではない。
田島ほどじゃないだろうけど、夢で粗相をするほどためない主義です。
でもこんなもの⋯母さんに見られるワケにも⋯⋯
こんな事になったのも⋯元はと言えば⋯⋯(泣)
今日の部活の時に、モモカンが全員を集めてこう切り出した。
モモカン「さて、うちもだいぶチームとして形になってきたけど、勝ち上がるためにはまだ足りないものがあるよね。 まず、何が欲しい?」
こうしてモモカンが聞いてくるってのは、オレ達に欲しいモンの希望を聞いてるんじゃなく、何が足りないのか分かってる?って尋ねてきてるんだってことくらい、オレにも分かる。
あれこれ騒がなかったとこ見ると田島にだって分かってんだろう。
それでも咄嗟には言葉がでなくて、みんながまだ黙っていると⋯⋯アイツがすっと手を上げた。
モモカン「ハイ、阿部君!」
名を呼ばれて、みんなが注目する中⋯⋯阿部の言った台詞は⋯⋯
阿部「もう一人レフトが欲しい!」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯え⋯⋯?
レフト⋯⋯⋯レフトはいます、けど⋯⋯?
ていうか⋯「もう一人」ってことは、いるのは分かってんだよな⋯?
え、でも⋯⋯なんで「もう一人」⋯⋯??
阿部「レフトが水谷一人でこの先どうすんだ!」
プロや強豪校じゃないんだから⋯まして部員は全部で10人⋯⋯レフトが一人なのは当たり前だと思うんだけ、ど⋯
ていうか他のポジションも全部一人じゃないの??
阿部「今週から練習試合組んでんだぞ」
や⋯あの⋯そりゃオレもそんなスタミナ抜群のタフガイとはいいませんが⋯でも投手じゃないんだから1日2試合くらいもつよ?
阿部「水谷をレフトにおいて試合をするなら、そこにもう一人いるんだよ!」
オレ「え⋯オレひとりで守れるけど⋯」
阿部「ざっけんなっ!」
ヒィ!!(震)
すくみ上がったオレをタレ目でギロっとねめ回した阿部は、次に全員を見て言った。
阿部「そういうワケだ。西広をガンガン鍛えると同時に、新入部員も募集する。体育の授業で『これは』って奴がいたら声をかけるようにしてくれ」
ちょ、ちょっと待って⋯
オレは体育の授業のヒーロー程度に負ける部員なの!?
奴の台詞から拳が飛び出してきて脳天ボコってきてる気がする⋯クラクラする⋯
田島「篠岡!なんか書くもんかして!」
思わず座り込んだ向こうで、田島が何か騒いでると思ったら、急に背中に激痛が走った。
オレ「~~~~~!!!?*@#$%&☆!」
キューキュッキュという音と共に背中に何かがゴリゴリめり込んでくる。
くすぐったさと痛さとシンナー臭さに更にクラクラしていると、最後に一際ゴリっと何かが背中にめり込む感触と共に田島の満足げな声が聴こえた。
田島「おし!これでどーよ!」
おそるおそるまだ痛みの残る自分の背中を見ると⋯白い練習用ユニフォームに何か黒い字がのた打っている⋯
ボタンを外して一度脱いでみた背中にはでっかい「7」の背番号。
それだけならギリギリ厚意⋯⋯と思えない事もない⋯んだけど⋯⋯
7の数字の下に書かれていたのが、
「西うらのクソレフト、見参!!」
更に追い討ちをかける一言が⋯
田島「その通り名はお前のだからよ!いつもしょっとけ!」
た じ ま ⋯ !(泣)
花井「た、田島⋯!お前な!!」
おお⋯!さすがクラスメート兼キャプテン!
かばってくれるなんて、フミキ感激!(愛)
花井「どうして『見参』がかけて『西浦』の『浦』が書けないんだよ!この先、それこそ背負ってく自分の学校の名前くらいちゃんと漢字で覚えろ!」
は な い ⋯ !!(号泣)
ずれてる⋯ずれてるよ花井⋯⋯!
そんな訳で⋯夜中の洗面所でオレは自分の練習用ユニをじゃぶじゃぶ洗っている⋯⋯
こんな事になったのも、阿部があんな提案をしたからだ⋯!酷いよ阿部!!(泣)
あ~⋯⋯これ油性ペンだよ~⋯⋯