砧(きぬた)
「砧」とは木槌で衣の生地を打ってやわらかくしたり、つやをだしたりする道具のこと。能に「砧」があります、女主人公が砧を打つことが情念の表現になっていると言われています。
秋の扇とともに、砧という「モノ」は、忘れられた女性の寂しさと、忘れ去った者に対する恨みを表徴しているのでしょうか。
また俳句の秋の季語としても、「砧」「砧打つ」などがもちいられています。
これは直接には砧という道具、あるいは砧を打つ行為なのですが、その背後にこの能の情趣を想起しながら使用されているのでしょう。
「砧打つ」は昔の庶民は麻織物しか着られず、織り目が粗く冬には寒かったために「砧打つ」で織り目を詰めたとも言われています。
「砧」からは心も季節も物哀しいことを想像せざるを得ませねぇ。
