ミラーに映る彼女
ミラーに映る彼女
道の反対側からこちらに向かってくる彼女
明らかに地蔵めがけて駆け寄ってくる
サングラスの下の眼は見えない
道の半分以上地蔵側
当たりを見ても地蔵しかいない
胸の鼓動はドッキン、ドッキン、ドキ、ドキ、ドキ…
思わず急に立ち止まる地蔵
胸がドカーンと鳴り響く
彼女は何もなかったように横をすり抜ける
狭い道一瞬だが振り返り
元の道筋にふら付きながら戻る
気まずかったのか走り去る
あっぶねぇぇぇぇぇー!!!
なにしてくれてんのぉぉー!!!
あ~あ、愛車のドアミラーやっちゃったょ…
コンクリートの柱って強いのね。。。
よそ見してたんでしょ!後2秒遅かったら、完全に正面ですからね。ルームミラーで見たけど、相手の軽自動車しばらく蛇行して走ってましたから、相当彼女も焦ったんでしょうねって逃げ足早い。完全に自損事故ではないですかー!ドアミラーちゃん土台からプラプラしてるよねー、おわー!ザクロみたいに割れてるしー…
彼女の罪悪感より地蔵の喪失感が勝ってますから~!って叫んでみたところで、な~んも現状はかわりません。早速そのまま見積もりを取りに、車屋さんでまた怖い話「地蔵さん、この車種…運が悪くドアミラー高い…です。」
えっ!軽自動車ですよ軽!お値段聞いたら片手出ました。まじっ!相手の過失を避けた代償が片手全開だとは、急に頭のてっぺんが熱くなってきましたよ。ンガァ~!
まぁ、衝突もなし怪我もなく済んだのだから良しとしましょう。グフフ…ンガァ~!
『時代も変わったのじゃ!仏の顔も三度まで?そんな調子のいいこと言ってるから、乱れた道徳や礼節を持ち合わせてない奴らにいいように振り回されておるのじゃ!仏の顔も1.5度に改正じゃバカチンが~!』
あっ!す、すいません。。。
地蔵としたことが
つい取り乱しました~!!!
地蔵