復活日に ー刑務所にてー | 寿 栄 -鎮魂の歌

寿 栄 -鎮魂の歌

養護施設生活&矯正施設生活を総算すると人生の半分以上の割合を占める悪たれ人生を、最後の懲役となる約8年余りの服役生活のなかで、思い描いた文章をまとめています。

雨と語る

獄舎を叩きつける雨。

この日、神さまは私への諭しとして、この恵みの雨を降らせて下さるのか。

 

祈っていても 、聖なる言葉に触れていても、

時として 私の心は信仰の2文字に疑心暗鬼さえ抱き、

寂しさや 罪の重さに負けてしまい 、

惰性に流された 安易な道に向かおうとしてしまう。

 

 

・・・されど待て お前よ待て ・・・

 

寂しさを増す雨音を通して、 主なる神は言われる。

 

洗礼さえも授かることもなく、 祈りの友さえいない 殺伐とした生活のなかで、

歯を悔い縛り 、涙を流しながらも、 お前なりに頑張っている。

 

・・・されど待て お前よ・・・

と主なる神は言われる。

 

お前の慈母(はは)※1に出逢った頃を思い出せ  と。

 

私は切り抜かれた、小さな雨空を見上げ、

そんな神さまの温かい言葉に、

 涙のしずくが ひとつ ふたつと頬を伝う。

 

※1 信仰に導いて下さった方

 

刑務所 独居房にて