雨と語る
獄舎を叩きつける雨。
この日、神さまは私への諭しとして、この恵みの雨を降らせて下さるのか。
祈っていても 、聖なる言葉に触れていても、
時として 私の心は信仰の2文字に疑心暗鬼さえ抱き、
寂しさや 罪の重さに負けてしまい 、
惰性に流された 安易な道に向かおうとしてしまう。
・・・されど待て お前よ待て ・・・
寂しさを増す雨音を通して、 主なる神は言われる。
洗礼さえも授かることもなく、 祈りの友さえいない 殺伐とした生活のなかで、
歯を悔い縛り 、涙を流しながらも、 お前なりに頑張っている。
・・・されど待て お前よ・・・
と主なる神は言われる。
お前の慈母(はは)※1に出逢った頃を思い出せ と。
私は切り抜かれた、小さな雨空を見上げ、
そんな神さまの温かい言葉に、
涙のしずくが ひとつ ふたつと頬を伝う。
※1 信仰に導いて下さった方
刑務所 独居房にて