愛を想う | 寿 栄 -鎮魂の歌

寿 栄 -鎮魂の歌

養護施設生活&矯正施設生活を総算すると人生の半分以上の割合を占める悪たれ人生を、最後の懲役となる約8年余りの服役生活のなかで、思い描いた文章をまとめています。

愛を想う -まだ見ぬ母へ贈る-

 

鉄の格子に閉ざされた この刻(とき)の流れのなかで

           あなたが与えてくれた愛を想う

   見も知らぬ 私に示してくれた

     あなたの限りなく深い愛は

   音もたてずに過ぎ去って行く 優しい春風のよう

         雄大に流れいく あの美しい雲のよう

    あなたの愛は 私の永遠のいのち

 

   あふれる涙  頬に伝う涙

     それは躓き倒れそうになった私を

      私を優しく支え続けてくれた あなたの愛の証

 

   けれども

     その愛はどこを探しても見えず

       手にふれようにも 触れることは出来ず

   それは

      限りなく透明で 限りなく静かな

   私にささやきかける優しい風

 

 

否定的な想いに囚われ

白い壁に閉ざされた 刑舎のの窓を見上げると

美しく流れる あの雲の彼方から

あなたの叱責の声が聞こえてくる

それは厳しい あなたの深き愛

 

     自分の罪を知ることの大切さと

      自分の置かれた立場を受け止めることの大切さを

        諭してくれる あなたが教えてくれた

                   優しく 厳しい 愛

 

それはとどまることのない 永遠のいのち

いまもなお 内なる私のなかに光り輝く

とても大切な永遠のいのち

 

      春風が 私のこころの裡に 火を灯して過ぎ去る

それは 暗闇に光続ける 永遠の灯火

          決して消えない あなたが示してくれた愛

 

     その灯火を隣人に分け与えて行けたら

               あなたは喜んでくれますか

      荒んだ この人生を立ち帰り

        あなたの信じて来た道を歩けたら

 より多くの隣人に あなたが灯した明かりを

  分け与えて行けることが出来たら

         あなたは褒めてくれますか

 

 独居房にて -寒さ厳しい日に-

 

    私が敬愛する #Paix2 の歌です。