放射能汚染と健康被害
焦点:放射能リスクの情報提供、
福島原発事故を再考の契機に
[オスロ 5日 ロイター] 東日本大震災で被災した東京電力<9501.T>福島第1原子力発電所からの放射性物質拡散に世界的な関心が高まるなか、専門家らは放射能漏れの本当のリスクについて、「世界の終末」とむやみに恐怖をあおることなく、情報を適切に伝える新たな方法を見つける必要があると指摘している。
放射能についての情報は、リスクに関する数字を網羅すべきであると同時に、人々の現実的な不安にも言及したものでなければならない。
日本国内の公衆衛生への影響度合いで言えば、現時点で死者・行方不明者が約2万8000人となった地震と大津波の方が、福島原発からの放射性物質拡散よりも大きくなるというのが多くの専門家の一致した意見だ。
問題の一面は、科学者たちが放射能に関する良いニュースと悪いニュースの両方を伝え、しかもそれが矛盾したようにも聞こえる点にある。
情報に対する反応には、個人レベルと社会的な受け止め方で違いもある。先進国に暮らす人が一生のうちにがんを発病するリスクは約3人に1人。一方、病院に搬送された福島原発作業員2人が被ばくしたとされる170ミリシーベルトの放射線量は、がん発病のリスクを約1%上げる可能性があるとされる。
日本ではこの先数十年、がんにかかる多くの人が、もし福島から遠く離れていたら避けることができたのではないかと考えるかもしれない。安心のため、たとえリスクが小さいと分かっていても、原発から遠く離れることは理にかなう。一方、どこか知らない土地に家族で引っ越すストレスの方が、健康にはより大きな影響をもたらすだろう
過去の原発事故の研究からは、放射能への不安や急いで逃げようとする心理的影響の方が、極めて切実な問題であることが分かっている。
また、米国でハリケーン「カトリーナ」による災害後の数年間にわたる心臓発作リスクを調べた研究者らは、そこから得た日本への教訓として、放射能に関する不安が精神医学的な問題を増大させる可能性があると語っている。
国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)は、チェルノブイリ原発事故で汚染された地域の平均的な放射線量は、病院でのCTスキャン1回分に相当すると推計。こうした被ばく量は「一般的な人の実質的な健康被害にはつながらない」としている。
一方でUNSCEARは、チェルノブイリ事故では、当時18歳未満だった人の6000人が甲状腺がんになったと報告。これは極めて高い数字と言える。また別の国連の報告書は、チェルノブイリでは最終的にがんで4000─9000人が死亡した可能性があると指摘。原発反対の環境保護団体グリーンピースは、この数字を9万3000人と推計している。
こうした数字を前にすれば、普通の人は混乱し、ほとんどすべての情報を疑ってかかるようになるのも無理はない。
福島原発事故のケースでは、多くの日本人が政府に疑念を抱いている。健康リスクはわずかだと説明する専門家の一部は原発産業の手先だと非難され、環境保護主義者たちは反原発キャンペーンの一環としてリスクを誇張したがっているようにも映る。
カーディフ大(ウェールズ)の心理学教授ニコラス・ピジョン氏は「当局を信頼できない所に不安は宿る。原子力産業は冷戦から生じて以降、極めて秘密主義的だった長い歴史がある」と指摘する。
しかし、専門家はそれでもリスクに関するメッセージを発信するべきだ。
ピジョン氏は「統計を生かすことを恐れてはならない」とも指摘。放射性物質の拡散を懸念して空路で日本から脱出した人が、日本に残って地上にいた場合より多くの放射線を、国際線の航空機内で浴びた可能性もあるとしている。
福島原発事故は「産業災害であるが、『核の黙示録』ではない」。こう指摘するインドの核科学者R・ラジャラマン氏は、ドイツのメルケル首相ら複数の政治家が「終末論的な出来事」と表現していることについて、「こうした恐れのすべては極めて誇張されている」と語っている。
科学者たちの間でも論争や見解の相違はある。
福島原発事故について経済産業省原子力安全・保安院は、国際原子力機関(IAEA)が決めたレベル0─7の国際原子力事象評価尺度(INES)で「レベル5に相当」と判断。しかし、グリーンピースから委託を受けるドイツの核問題専門家ヘルムート・ハーシュ氏は、チェルノブイリ事故と同じ「レベル7」と評価している。
また、環境へのリスクを調査するストックホルム大学レジリアンスセンターのヨハン・ロックストルム氏は、福島原発事故に関する一部の反応について、「政治的な要因」も見え隠れすると語る。
「科学的評価と、それに人がどう反応するかには常にギャップがある。人は得られる情報を常に信用するわけではない」。東南アジアの一部では2004年のスマトラ島沖大地震後にサイレンが設置されたが、ストックホルム環境研究所の津波専門家ラスムス・クロッカー・ラーセン氏によると、現地ではサイレンが鳴っても、誤報や避難中に家が荒らされるのを警戒して逃げない人が多いという
この記事読んでいると政府発表がどこまで信用して良いのかわからなくなってきます。
元々政府や東電の発表には疑念を抱いていましたがやっぱり情報操作ってものが
ありそうです。
どちらにしても人は皆ひとつの出来事を自分達の都合の良いように理解(発表)して
都合の悪い事は隠して(無視して)しまう習性がありますからね。
その習性が顕著に出ているのが今回の原発事故。
福島原発事故を再考の契機に
[オスロ 5日 ロイター] 東日本大震災で被災した東京電力<9501.T>福島第1原子力発電所からの放射性物質拡散に世界的な関心が高まるなか、専門家らは放射能漏れの本当のリスクについて、「世界の終末」とむやみに恐怖をあおることなく、情報を適切に伝える新たな方法を見つける必要があると指摘している。
放射能についての情報は、リスクに関する数字を網羅すべきであると同時に、人々の現実的な不安にも言及したものでなければならない。
日本国内の公衆衛生への影響度合いで言えば、現時点で死者・行方不明者が約2万8000人となった地震と大津波の方が、福島原発からの放射性物質拡散よりも大きくなるというのが多くの専門家の一致した意見だ。
問題の一面は、科学者たちが放射能に関する良いニュースと悪いニュースの両方を伝え、しかもそれが矛盾したようにも聞こえる点にある。
情報に対する反応には、個人レベルと社会的な受け止め方で違いもある。先進国に暮らす人が一生のうちにがんを発病するリスクは約3人に1人。一方、病院に搬送された福島原発作業員2人が被ばくしたとされる170ミリシーベルトの放射線量は、がん発病のリスクを約1%上げる可能性があるとされる。
日本ではこの先数十年、がんにかかる多くの人が、もし福島から遠く離れていたら避けることができたのではないかと考えるかもしれない。安心のため、たとえリスクが小さいと分かっていても、原発から遠く離れることは理にかなう。一方、どこか知らない土地に家族で引っ越すストレスの方が、健康にはより大きな影響をもたらすだろう
過去の原発事故の研究からは、放射能への不安や急いで逃げようとする心理的影響の方が、極めて切実な問題であることが分かっている。
また、米国でハリケーン「カトリーナ」による災害後の数年間にわたる心臓発作リスクを調べた研究者らは、そこから得た日本への教訓として、放射能に関する不安が精神医学的な問題を増大させる可能性があると語っている。
国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)は、チェルノブイリ原発事故で汚染された地域の平均的な放射線量は、病院でのCTスキャン1回分に相当すると推計。こうした被ばく量は「一般的な人の実質的な健康被害にはつながらない」としている。
一方でUNSCEARは、チェルノブイリ事故では、当時18歳未満だった人の6000人が甲状腺がんになったと報告。これは極めて高い数字と言える。また別の国連の報告書は、チェルノブイリでは最終的にがんで4000─9000人が死亡した可能性があると指摘。原発反対の環境保護団体グリーンピースは、この数字を9万3000人と推計している。
こうした数字を前にすれば、普通の人は混乱し、ほとんどすべての情報を疑ってかかるようになるのも無理はない。
福島原発事故のケースでは、多くの日本人が政府に疑念を抱いている。健康リスクはわずかだと説明する専門家の一部は原発産業の手先だと非難され、環境保護主義者たちは反原発キャンペーンの一環としてリスクを誇張したがっているようにも映る。
カーディフ大(ウェールズ)の心理学教授ニコラス・ピジョン氏は「当局を信頼できない所に不安は宿る。原子力産業は冷戦から生じて以降、極めて秘密主義的だった長い歴史がある」と指摘する。
しかし、専門家はそれでもリスクに関するメッセージを発信するべきだ。
ピジョン氏は「統計を生かすことを恐れてはならない」とも指摘。放射性物質の拡散を懸念して空路で日本から脱出した人が、日本に残って地上にいた場合より多くの放射線を、国際線の航空機内で浴びた可能性もあるとしている。
福島原発事故は「産業災害であるが、『核の黙示録』ではない」。こう指摘するインドの核科学者R・ラジャラマン氏は、ドイツのメルケル首相ら複数の政治家が「終末論的な出来事」と表現していることについて、「こうした恐れのすべては極めて誇張されている」と語っている。
科学者たちの間でも論争や見解の相違はある。
福島原発事故について経済産業省原子力安全・保安院は、国際原子力機関(IAEA)が決めたレベル0─7の国際原子力事象評価尺度(INES)で「レベル5に相当」と判断。しかし、グリーンピースから委託を受けるドイツの核問題専門家ヘルムート・ハーシュ氏は、チェルノブイリ事故と同じ「レベル7」と評価している。
また、環境へのリスクを調査するストックホルム大学レジリアンスセンターのヨハン・ロックストルム氏は、福島原発事故に関する一部の反応について、「政治的な要因」も見え隠れすると語る。
「科学的評価と、それに人がどう反応するかには常にギャップがある。人は得られる情報を常に信用するわけではない」。東南アジアの一部では2004年のスマトラ島沖大地震後にサイレンが設置されたが、ストックホルム環境研究所の津波専門家ラスムス・クロッカー・ラーセン氏によると、現地ではサイレンが鳴っても、誤報や避難中に家が荒らされるのを警戒して逃げない人が多いという
この記事読んでいると政府発表がどこまで信用して良いのかわからなくなってきます。
元々政府や東電の発表には疑念を抱いていましたがやっぱり情報操作ってものが
ありそうです。
どちらにしても人は皆ひとつの出来事を自分達の都合の良いように理解(発表)して
都合の悪い事は隠して(無視して)しまう習性がありますからね。
その習性が顕著に出ているのが今回の原発事故。