「ヘアメイクの仕事をしています」と言うと
多くの方は「髪やメイクを整える仕事」を思い浮かべると思います。
もちろん、それは間違いではありません。
でも、20年以上、一技術者として
そして経営者として、何千人もの花嫁様やお客様、スタッフと関わってきた中で
私が最も興味を持つようになったのは
**「人の思考」**でした。
現役ヘアメイクでありながら、私はほとんど顔を出しません。
作品もほとんどSNSには載せません。
理由は単純で、私が携わる仕事の多くが、式場や企業、広告代理店のお仕事だからです。
肖像権や守秘義務を考えれば、それが当たり前。
だから私のSNSは驚くほど静かです(笑)。
でも、その代わりに20年以上見続け、知りたいと思い続けてきたものがあります。
それは、人の心の動きです。
なぜ花嫁様は前日になって髪型を変えたくなるのでしょう。
なぜ「かわいい」という一言だけで
同じイメージを思い浮かべる人もいれば、まったく違うものを想像する人もいるのでしょう。
なぜ経験を積むほど、「こういうことだろう」「言わなくても伝わるだろう」と思い込んでしまうのでしょう。
現場には、技術だけでは説明できない出来事が毎日のように起こります。
私はその一つひとつを見ながら、「人はなぜそう考えるのだろう」と興味を持つようになりました。
このコラムでは、ヘアメイクの技術や流行だけではなく、現場だからこそ見えてくる、
人の思考や、そこから生まれるすれ違い、信頼、葛藤。
花嫁様のこと。
美容師のこと。
スタッフのこと。
そして、ときには私自身のことも。
現場で起きる小さな出来事の中には、仕事だけではなく、人との関わり方や
自分自身を理解するヒントがたくさん隠れています。
ヘアメイクという仕事を通して見えてきた、人の心の動き。
そんな視点を、これから少しずつお届けしていきたいと思います。
