という、タイトルでは、ピンと来ないと思う。 また、こんなこと書いてる文章を見たことがない。
しかし、これは実際に公務員を経験した者として、どうしても書いておきたい。
無闇に「たたかれている」善良な公務員のためにも。
というのは・・・
私は司法試験浪人(受験4回)後、「とにかく働かなければ、実社会に出なければ」と思い、
国家公務員試験Ⅱ種を受験、無事合格した。
そこで、たくさんの省庁の中から、農林水産省(当時から環境問題・農業問題に関心が強かったので)を選び、面接も受かり、採用された(勤務地は本省[構造改善局管理課]、いわゆる「霞が関」)。
結局、2年で辞めることとなったのであるが、おもな理由はこんなことである。
①残業がすごく、毎日終電近く。(しかも、残業代も「予算」で縛られているので、もらえるのは実残業時間の1/4程度=3/4はサービス残業)
②将来に夢がない(国家Ⅱ種では、昇進しても本省の課長補佐どまり・・・当時の話だが)。
③仕事が真の意味で「農家のため」、あるいは「国民のため」になっていない。
以下、もう少し解説すると・・・
①については、国家公務員の給与は人事院勧告を受けて、政府が予算案を提出し、国会の議決を経て決定される。
(ちなみに2009年実績でⅠ種(キャリア組)初任給は月額172,200円(都市部勤務の場合、物価水準に応じて地域手当が月額25,000円程度別途支給される。民間企業の大卒初任給平均は月額205,074円(日本経団連調べ)。
・・・キャリア(Ⅰ種)といえば、超難関試験(合格者は東大・京大・早慶をはじめとした一流大卒業者ばかり)に合格し、将来の日本を背負ってたつ人材ばかりなのに、信じられないほど安い。 Ⅱ種、Ⅲ種も同様に民間より(少なくとも大企業と比べると)相当安い。
さらに、予算枠があるので、残業しても、満額は支払われない。・・・労働基準法違反! と書きたいところだが、そもそも「国家公務員には労働基本権が認められていない」!
結果、公務員は「自分と家族を守るため」、官舎を建て、給料が少ない分、せめて家賃を浮かそうとしてきたのである。
②これは、入口である公務員試験そのものの難易度が違うのだから、「仕方ない」とも言えるのだが、民間企業であれば、高卒で入っても優秀なら、ある程度は「異例の昇進」ができる会社は多いと思う。
それは、その方が「企業にとってプラス」だから。
ところが、国家公務員の場合は「厳然と」Ⅰ種とⅡ種、Ⅲ種は昇進のスピード・出世の上限に線引きがあり、Ⅱ種・Ⅲ種ではどんなに優秀でも、ダメ、だった。「キャリア」はあっという間に階段を駆け抜けていく・・・。
このあたり、私が勤めていた時に比べると、今はちょっと柔軟になったらしいが。
③これが「今日の本題」だが、国家公務員の「人事評価」の基準(特にキャリアの場合)は、「どれだけ予算をとったか」である(民主党政権になり、「であった」に変わるといいが)。
前年より多くの予算を勝ち取った「課長」、「部長」、「局長」が、高く評価されるのである。
したがって、彼らは「いかに予算を取るか」ということに必死になる。
で、どういう予算案が認められるかと言うと・・・
予算案は各省庁で、一つ一つの事業に予算が割り振られ、積み上げられたものが、最終的には国会で議決される。
そして、この前段階で財務省が認めなければ予算案として国会に提出されないわけで。
すると・・・、国会で通る予算(案=アイディア)でなければならない。
ということは、政権政党にウケるアイディア(つまり、政権政党は自党の集票に有利な政策・方針を打ち出すので、それに沿ったアイディア)=予算案でなければ、財務省にも、もちろん、省内でも認められない。
このとき、「本当に農家のため(国民のため)になる予算案」であっても、政権政党の思惑に沿っていなければ、残念ながら、却下されてしまう。
むしろ、政権政党ウケ、財務省ウケする予算案のほうが通ってしまう。
で、大きな問題は、ここで通った予算案が、あくまで「机上の空論」であることである。
・・・だから、「事業仕分け」でボロボロにされたわけだが。
もちろん、県からの要望、とか、地方農政局からの提言、というのが全くない、ことはない。
が、優先されるのは、「政権政党ウケすること」であるので。
結果、予算がついたアイディアが、地方の現場から見ると、「無駄」だったり、「現実的でない」こともある。
そういった場合、民間企業であれば、「使わなくても良い」ものは使わず(=経費節減)、利益を増やす、わけだが、 「困ったことに」、国の場合は「取った予算は使わなくてはいけない」のである。
*予算を消化せずに残すと、「人事評価上マイナスとなる」からである。(←「利益」が評価基準となる民間の逆、である)
そうすると、予算消化のため、「この事業をしなさい」と県に圧力をかけ、県は市町村に圧力をかけ、市町村は農家を騙して、じゃなくて「説得して」事業をやらせることになる。
農家負担がゼロ、ならまだいい。たいていの場合は補助事業で、事業費の一部を国や地方が「補助する」のであって、農家は事業費の一定割合を(JAから借り入れたりして)負担する。
・・・やりたくもないのに。
「天下り」の問題も、人事の「仕組み」が原因である。
「キャリア」と呼ばれる国家Ⅰ種採用組は、先ほど書いたように、Ⅱ種・Ⅲ種を尻目に、一段置きに階段を駆け上って行く(昇進する)。
が、上に登るにつれ、「ポスト」が減っていく。
仮に同期入省が20人いたとして、本省の課長補佐までは大多数の大多数の人が昇進できたとしても、課長になると若干減り、部長でさらに減り、・・・・官僚の最高位、事務次官になれるのは1人いるかいないか、である。
で、そこまで上に行けなかった場合、残念ながら、省内に居場所(=ポスト)がないのである。
本人が望むと望まざるとにかかわらず、省を退職して、新たな仕事先を見つけなければ生きていけない、家族を養うことが出来ない。
だから、「天下り」先を作る必要があったのである。
もちろん、なかには、国家公務員として相当出世して十分な報酬をもらっていた人が、さらに天下り先で仕事もせずに、高額な役員報酬、2度目の退職金、をもらっているケース(これは論外なのだが)もあるが、昇進レースから振り落とされた、中年のキャリア組。
彼らだって、生きていかなければいけない。
家族を守らなくてはいけない。
(繰り返しになるが、とても重要なとこなので)
だから、悪いと思って(?)いても、公務員在任中から、天下り先を作り、あるいは育て、自分の将来に保険をかけていたのである。
これを「でも悪い!」の一言で済ませられるだろうか。
私は根本的な原因は、昇進レースからはずれた国家公務員(特にキャリア組)のポストが省内にないこと、だと思っている。
もともと、優秀な人材なのだから、部長や局長、といった部下を大勢持つポジションでなくても、その能力を生かせるポスト、と適正な報酬さえ用意すればいい。
「人材流出」を防ぐことができる。
たった2年しかいなかったが、農水省時代、素晴らしい先輩も大勢いた。
能力も高いし、部下への配慮もある。
でも、そんな人ほど、理想と現実とのギャップで苦しんでいる。
「人が悪い」のではない、「仕組みが悪い」 このことは、しっかりと伝えていきたいし、
まさに私はこの「人を活かす仕組みづくり」のプロ、として、
今後も多くの会社を「社員がイキイキと楽しく能力を発揮できる場」に改革して、
「社員もその家族も、すべての取引先も喜ぶ」ゆえに、社会貢献も果たす、
会社作りのお手伝いをしていきたい。
*長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
できましたら、「なるほど」でも、「同感です」でも、「それは違うと思う」でも、短くていいので、
コメントを頂ければ幸いです。