【平成12年6月30-7月1日】
21:00出発。途中,信号待ちのとき氷砂糖1個与える。時々バックミラーで見たり,振り向いたりしてケンタの様子を見る。丸い大きな目をしてうす明かりの後部座席で微笑んでいる。
江田駅を緩やかな下り坂の下に見て左側は線路。珍しくケンタが『川崎、まだ?』と訊く。2-3分走って渋滞の列になる。
ケンタが『イタイ』という。後ろを振り返りケンタの顔色を見る。渋滞だから『ちょっと待ってね』と走りつづける。暫くすると又ケンタが『イタイヨ』と身体をベビーシートの上でくねらす。
『チョット待ってね。今運転しているから』と今度は声音を強めた。1-2分も走ったろうか,ケンタが今度は泣き声で『イタイヨ』とシートベルトを外す動きをする。(これは、異常だと気が付いた)。
幸い左側にガードに通ずる道が開いていた。4点 ハザードランプを点灯して、『ケンチャン、どこが痛いの?』とドアを開けてシートベルトを外しにかかった。
抱き上げようとすると臭う。湯上りの着替えたばかりの洋服の背中に染み出している感じ。『何,ケンチャン。うんちしたの。イタイではないでしょう。ウンチ出たんでしょう』とケンタを車の床に立たす。
のんびり運転してきたが,頭が急に回転始めた。(おむつは持っていない。川崎の家まではまだ20分走る距離。タオルや雑巾はどこにあるのかな。
なぜ,ウンチなのかな、下痢か、熱はあるか、食べ物が原因か,オムツの履かせ方もまずいか,)ケンタは不安そうに俺の顔を見ている。
立っているケンタの顔をみて『ケンチャン、イタイではない。ウンチ出たと言うの』と言い聞かせながら、古い記憶を手繰り寄せた。