ワタユタケBest Selectionレビュー

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 素人レビューをまた書いてみました。
 長いですが、宜しければご覧下さい。

(1)Variant/ヴァリアント
 Liveでは定番曲で、
最近はアンコールによく使われており、
特に矢萩さんがファンに仕掛けてくる
イタズラ(笑)によって何かが起こる
Instrumentalです。
 伝説の「安全地帯」横浜スタジアム
のコンサートで披露された
「ONE NIGHT THEATER inst.1」
と新作部分を合体させた曲であり、
「Variant」とは、inst.1の「亜種」
という意味。
 CD bookletによれば、
矢萩さんはmainの音に対し
「Octave下+5度上のPitch shift」
をかけており、
「少し古い感じのSound」
と述べていますが、
それこそがこの曲の醍醐味です。
 Hard Rock系のhigh toneな
Vocalが似合いそうですが、
ここはInstrumentalでも
そのVocalの存在を感じさせる
かのような二人のノリノリの演奏で
盛り上がりましょう。
 YouTubeにupされている告知映像
(short version)は
本当にこの曲にピッタリですね。
どこかのsports carのCMにでも
使われないかなと思います。
 矢萩さんは曲の大半でarmingで
vibrateをかけ、tremolo bridge
が壊れるのではと心配になる程です。
武沢さんのcuttingも冴えています。
二人の得意な演奏が生かされた曲です。
 Bメロ(0:32-)では、
矢萩さんが前半ではarmingをかけ、
後半はtrillで高速で音程を滑らかに
上下させているようです。
武沢さんはdelayをかけて
高速typingのような演奏です。
 2番サビC,C'',C,C'メロのうち、
2回目Cメロ(2:09-)では
武沢さんがhigh positionで
細やかでspeedyな押弦をしています。
 2番サビ後のDメロ(2:33-)では
rhythmが4/4拍子→変拍子の
7(3+4)拍子×8回に変わります。
 Dメロの後は4/4拍子の
Aメロ(2:54-)に戻りますが、
こうした曲作りの緩急も流石です。

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(2)夕暮れ
 OriginalはAlbum「安全地帯V」
に含まれる武沢さん作曲の
Instrumentalの名曲です。
なので安全地帯のCoverというよりも
武沢さんのSelf-coverというべき
でしょうか?
 Originalよりも打ち込みが
少ない感があり、
よりAcoustic Guitar
+Bassのsoundが前面に出ています。
 Instrumentalですが、
明確な歌詞がimageされている
ように思えます。
 Introは二人のAcoustic
Guitarのハモリ。
 A,A',A''メロは
武沢さんのmain melodyに、
矢萩さんがobbligatoのbacking
を入れます。二人のGuitarの
掛け合いが実に心地良いです。
 少しずつ陽が暮れて薄暗く
夕闇から夜へと移りゆく情景が
目に浮かびます。
 サビB,B'メロ(1:03-,1:20-)
は天候が変わり、少し風や雨が
降ってきたのでしょうか?
ハモリのGuitarが美しいです。
 それもいつしか止んで、
再び穏やかな夕暮れの景色
(2番Aメロ:1:35-)となっていきます。
 2番サビの後はA''メロ(2:49-)
となり、その後のEnding(3:04-)
はBassやPercussionが止んで、
二人のGuitarのみとなり、
A''メロの後半4小節だけが
refrainされて曲が優しく終わります。
 Originalは当時、天気予報のBGM
にも使われたとの事です。
 このワタユタケ版もどこかのTV局
やラジオの天気予報で使ってくれない
かな。

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(3)ポラリス
 文化放送のラジオ番組
「編集長 稲垣吾郎」2019.1/23分
で放送されたのは記憶に新しい所です。
稲垣さんが小学生の頃にTVで見た
「安全地帯」を、お父様が
「すごくいいBandだ」と言われていた
との事。安全地帯のGuitarist二人の
この曲もきっと気に入ってくれた
事でしょう。
 1,2,3回目A&A'メロ。
 主人公は果てしない夢を求めて、
後の2番の歌詞にある「荒野」の中を、
melodyを口遊みつつ彷徨い歩いている
のでしょうか。夢を追う事で払ってきた
代償への思いも語られます。
 Guitarのstrokeとズンズンチャッツ
のDrumsが実にカッコよく雰囲気を
盛り上げます。 
 サビ(C,C'メロ)(1:14-,1:27-)
では払ってきた代償が何なのかが
語られます。夢を果たした後、
どうしたいのかも…。
 そのKeywordは「キミ」です。
 武沢さんの清涼感ある歌声と
Acoustic Guitar&Strings
とのharmonyが、
矢萩さんのWAH,WAH phrase
&武沢さんのTonelab LEによる
大きく歪んだ周期的な反響音と交わり、
壮大な宇宙の広がりを表現しています。
 2番&間奏後のD,D'メロ
(2:58-,3:11-)はGuitarが止んで
神秘的な雰囲気となります。
 主人公の意識は現実を離れ
「キミ」のいる世界とシンクロ
しているのでしょうか。
そこは実在の世界なのか、それとも…。
 それでもその気持ちを抑え、
残してきた愛を想いながらも、
今は前に進まなければならないという
強い意志を表しているのが
続く3番(3:24-)~Lastです。
 Polarisとは北極星。
 地球から見て殆ど動かないその星は、
主人公の歩みを見守ると共に、
進むべき道標でもあったのでしょう。

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(4)春風
 どこか安全地帯のSingle曲
「悲しみにさよなら」のアレンジ
を思わせる、Title通り爽やかで、
ご機嫌なInstrumentalです。
 この曲を聴いたあの方は
「なんか安全地帯みたいな曲だな」
と感想を漏らしたそうです。
 そして、作曲した武沢さんは
「ある程度の年齢になった男性が
歌うことを想定してKeyを下げて調整」
したとの事。その男性ってあの方の事
かなぁと当時は思ったものです。
 でも、その一方で、あの方が付けて
くれる(そして歌う事を願った)歌詞
以外に、元々、武沢さんが考えていた
であろう歌詞で、武沢さん自身が
歌ってくれる事も密かに願って
いました。
 結局、この曲があの方に歌われる
事はありませんでしたが、Liveでの
定番曲かつ代表曲の一つとなり、
その後、別の曲ではありましたが、
武沢さん自らが歌う曲がMajor label
でreleaseされる事になり、
当時患っていた病気も乗り越えて、
今、精力的に活動している姿を
目に出来る事はとても感慨深いです。
 1番 main melodyは武沢さん。
 サビではC(0:50-)→C'メロ(1:07-)
でOctave上げして、変化を付けて
います。C'メロ7小節目(1:20-)
からはハモリです。
 2番A,Bメロ(1:28-,1:35-)。
mainは矢萩さん。
 2番サビは間奏を挟まず繰り返さます。
 1回目サビ(矢萩さん)
C(1:53-)→C''メロ(2:10-)
でOctave上げ。
 1→2回目サビでPitch上げ。
 2回目(武沢さん)
C(2:30-)→C'''メロ(2:47-)
でOctave上げ。
 3回目サビ(Ending)
Cメロ(3:04-)武沢さん、
C''''メロ(3:21-)矢萩さんで
各々アドリブ。
 タイプの違う二人の演奏が
曲を盛り上げ、Lastのハモりまで
心地良い時間が流れます。

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(5)2010
 2010年「安全地帯」のコンサートで
構成上どうしてもInstrumentalが
必要になったため急遽用意された曲
だそうです。
 まず20年近く前に矢萩さんが
作っていた元々の原曲の存在があって、
2010年のコンサートで使うために
記憶の中から引っ張り出したそうです。
後になり、この2010年コンサートで
演奏したものと、実際の当時の原曲
とを聴き比べると違いがあったそうで、
この曲は「その両者の良いとこ取り」
をして完成した曲との事でした。
 「ONE NIGHT THEATER inst2」
に比べると、この曲は人生経験を
重ねてから作られただけあって、
より肩に力の入っていない
自然体のダンディさが出ている
ように感じます。
 CDにも含まれない不遇の曲でしたが、
ワタユタケにより日の目を見る事に
なりました。
 この曲には1,2番といった
曲構成はありませんが、
曲全体としての起承転結のような展開
(A,A',B,C,D,B',B''メロ?)
はあります。 
 A,A',Bメロ(0:32-,1:01-,1:31-)
は矢萩さんのムーディーなpick弾き。
 展開が変わって、main melodyが
交代するCメロ(2:01-)で、
武沢さんは冒頭でViolin奏法
(Volume奏法:2:03-)。
 続く高音域の歪んだ音で、
曲が一番激しく燃え上がる
Dメロ(2:31-)も武沢さんSolo。
 2:49-2:56ではhigh positionで
trillのような素早い押弦と
細かいpicking。 
 それに呼応して矢萩さんの演奏が
盛り上がっていくのがB',B''メロ
(3:05-,3:37-)。
 Last直前の3:46-3:48付近では
picking harmonics(?)を見せ、
陶酔している表情や仕草、
聴き手をうっとりさせる
色気のある演奏が素晴らしいです。 
 Ending(4:07-)は
それまでの4/4拍子が、
変拍子の5拍子(均等)×7回+α(-4:21)
に変化しているのかな?

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(6)冒険者
 Originalは80年代後半のF1ブームに
EPSONのCM songとして大ヒットした
矢萩さんのSolo曲(中嶋悟さんが出演
したCM)。制作当時の苦労話は
Liner Notesにあるのでお楽しみに。
 この曲のpointとして、矢萩さんが
当時50代後半の声で歌っている事が
挙げられます。
 矢萩さんは
「あれは犬が歌っているんです」
と自らの歌唱を自虐的に語り、
しばらくはファンの前で
決して歌おうとはしませんでした。
 しかし「Special Guitar Clinic
& Mini Live」
(2016.4/3南青山Future Seven)
で(?)、遂に歌ったと聞いた時は
とても嬉しかったのを覚えています。
今ではLiveが盛り上がる後半での
定番曲です。
 少しhuskyで澄んだ歌声だった
若い頃に比べると、現在の歌唱は
確かにKeyが低くなっていますが、
当時にはなかった渋さや味わいのある
深い歌声になっています。
 一方、演奏については、
Originalに比べてかなり大胆な
アレンジがなされています。
 Up-tempoな Pop調(?) の
Originalに比べ、
こちらはElectric Guitarが効いた
Rockなsoundに生まれ変わっています。
 1番A,Bメロ(0:16-,0:34-)は
武沢さんがcuttingでbacking。
矢萩さんは歌唱に専念。
 重厚でRockな間奏を挟んでの
2回目A,Bメロ(0:58-,1:15-)からは
矢萩さんも歌唱しながらpick弾きでの
backingを開始。
 ChorusはOriginalの大山潤子さん
(?) ではなく武沢さんなのもpoint
が高いです。
 Originalと聴き比べてみると、
そこには年を重ねられ渋さを増した
等身大の冒険者の姿があります。
そして、それは矢萩さん自身の生き様
でもあるのです。

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(7)Christmas Day/クリスマス・デイ
 当時、病床にあった武沢さんの頭に
ふと舞い降りた奇跡のサビのmelody。
 武沢さんは急いで譜面を起こし、
それに合わせたA,Bメロを付けた
そうです。
 最初から誰かが歌唱することを前提
としていたかのような曲構成とmelody
は、後日「TWIN GUITAR 3」で、
高橋洋子さんをGuest Vocalに迎え
「A Merry Christmas To You
feat.高橋洋子」としてもrelease
されました。
 曲はサビ部分をアレンジしたIntro、
大人しめのA,A'メロ(0:23-,0:38-)
に続いて、Bメロ(0:52-)からChorus
が徐々に背景に入り始め、少しずつ
盛り上がってサビ(C:1:06-Unison)
に至ります。サビはとてもcatchyで
心地よいmelodyです。
 このmelodyがあのような状態の中、
頭の中に降りてきて、それを形にできる
って…。やっぱりすごいです。
 歌唱に相当するmain melodyは
武沢さんで、2番A,A',Bメロ(1:39-,
1:53-,2:08-)ではOctave上げにして
演奏に変化をつけています。Guitarが
そのまま歌っているかのような演奏
です。
 矢萩さんは1,2番ではbackingに
徹していますが、満を持しての
2番サビ後の間奏での
歌心あるGuitar Solo(2:47-)は
絶品です。
 続く見せ場は間奏明けの
サビの繰り返し。
 演奏が止んでの二人のChorus
(3:02-)
→二人のGuitarのハモり(3C':3:27-)
→絶妙なアレンジの矢萩さんGuitar
Solo(3C'':3:52-)。
 特にサビの演奏とChorusに
重ねられた、矢萩さんのSoloが
抜群にカッコいい。
melodyを壊すことのない名演は
やはりセンスの賜物なのでしょう。
 6/8拍子のrhythmに乗り、
しんしんと降る雪と橇の鈴の音色が
聴こえてきそうなInstrumental
の名曲です。

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(8)星の川
 Liner Notesの矢萩さんが意図した
imageを読んだファンは絶句し、
涙を誘われました。
 作詞の松井五郎さんはその意図を
更に絞り込み、涙なしには語れない
世界観を示しました。
 それが矢萩さん作・編曲の
切ないmelody&歌唱と一体となり、
聴き手の心を揺さぶらずにはいない
名曲が生まれました。現実の世界と
別の世界との狭間で揺れ動く、
愛しい人への切ない想いが詰まった
傑作です。
 1番A,A',Bメロ(-0:56)。
 もう結ばれる筈もない人との
悪戯な出逢いへの想いが語られます。
 サビ(C,C',C''メロ:0:56-,1:08-,
1:22-)では、どうにも堪えきれない
主人公の胸の内が溢れ出しかけますが、
C''メロ後半で「星は~泣~いてる~」
と溢れ出しかけた感情を再び無理やり
封じ込めます。
 2番。現世で叶わぬなら「別の国」
でと思いつめます。
「幸せはどうすれば
君の手に届くんだろう」…。
これから二人で行くのではなく、
「君」はもう既にそこにいる
のでしょうか…。
 間奏の矢萩さんのGuitar Soloは
夜空に想いを叫びます。
 転調するD,Eメロ(3:25-,3:39-)。
 これまでどうにか封じ込めてきた
主人公のさみしさ、切なさ、愛おしさは
極限に達し、その意識は「別の国」との
境にある、あの川の「桟橋」にまで
飛んでいきます。
 そして、これから乗る舟を固定する
ために縄を「桟橋」にかけるのですが、
「君」の言葉を思い出したのか、
「別の国」に行って「君」と結ばれたい
気持ちと現実の世界に残らなければ
ならない気持ちとの狭間で揺れ動く
のです。
 武沢さんのdelay飛ばしの
繊細な演奏が、切迫した焦燥感を伴い
激しく葛藤する主人公の心を表して
います。
 3番Cメロ(3:55-)。
 主人公の心は「桟橋」から現実に
引き戻され、自分はまだこの世界に
生きている事、そしてこれからも
「なにか」のためにここで生き続け
なければならない事を悟ります。
しかし尚も「どうして」「どうすれば」
ともがく主人公。
それでもLastの3番C'''メロの
(4:29-4:30)で無音の中、
肉声に近い声で「星は…泣~いてる~」
と最後はやはり全てを封じ込めて
ぐっと耐え忍ぶのです。
 「見つめれば今夜も泣いている星」は
こらえても心の中で泣き続けている自分
の姿が投影されたものなのでしょうか…
それとも自分と同じように泣いている
「別の国」の「君」なのでしょうか…。

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(9)Shells wander the universe
 宇宙というThemeでまとめられた
「TWIN GUITAR 3」で、Album
conceptをlistenerに印象付け、
物語の導入に使われたInstrumental
曲です。
 Introは宇宙という海の中を漂う
ような神秘的なSEとSynthesizerで
始まります。
 shellは漆黒の宇宙(universe)
の中を、ひらひらと心許なく花びらが
舞うように流され彷徨う(wander)
一枚の貝殻。
 複数形shellsは宇宙を漂う
一人乗り気球型小型宇宙挺
cosmic balloonの操縦席の
主人公ワタユタケの二人を指している
のでしょう。
「TWIN GUITAR 3」の物語は
こうして始まりました。
 Intro-A,A',A''メロ
(0:18-,0:32-,0:45-)までは
慣性航行のまま、宇宙を当てもなく
彷徨うimageでしょうか。
 宇宙挺の進行音を示す矢萩さんの
main melodyと、その軌跡に続く
武沢さんの残響を伴う単音backingが、
宇宙空間に投げられた石から
水面に広がる波の輪のように
静かに響いて広がっては
消えていきます。
 Bメロ(0:59-)。二人は何かに
気が付いたのでしょうか。
矢萩さんは途中から指→pick弾きに
変えて、2回glissandoを入れます。
glissandoはエンジン再点火の合図
です。
 サビC&C'メロ×計4回
(1:16-,1:44-,2:11-,2:39-)。
何かに気付いた二人が、慣性航行を
止めてエンジンに点火し、
能動的に何かを探し求め始めるような
imageに聴こえます。
 Twin Guitarのハモリ
→交互に各々のSoloの繰り返し
→ハモリとなっており、
二つの別々の貝殻=二隻の宇宙挺が、
最初は並走していたものが、
互いに抜きつ抜かれつ、
付きつ離れつしながら、
時に左右に分かれ、
時にお互いが交錯し、
最後は再び並走するような
宇宙航行の様子を表している
かのようです。
 その後、二隻はまた慣性航行に
戻ったのでしょう。
 A,A', A'',B''メロの後、
終始感に欠ける余韻のあるSEで
終わります。
「これから宇宙の冒険が始まる」
というimageであり、
Albumの幕開けとして相応しい曲
でした。

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(10)ダニーボーイ
 このBest版で唯一の民謡や賛美歌
等のCover曲。実はこのような
InstrumentalのCover曲こそ、
ワタユタケの優れたアレンジと
歌心のある演奏が発揮されます。
 原曲melodyは「Londonderryの歌」
というIreland民謡。
「Danny Boy」はこれに歌詞が
付けられたものの一つで、
例えその身が滅び、お墓の下で眠って
いても、戦地に赴いた息子の
無事の帰還だけを願い待ち続ける
親の愛を歌っています。
原曲は穏やかで優しい癒しの曲調です。
 対するこの曲は、(1)大空のように
広い母親の愛に抱かれるimageや、
(2)「見上げてごらん夜の星を」
のような夜空のimage、
(3)「Danny Boy」を元に作られた
という「You Raise Me Up」の、
苦悩から立ち上がり前に進もうとする
歌詞とCeltic Woman版のアレンジ
(特に大サビ)のimage、等を
感じさせます。
「TWIN GUITAR 3」では
「星の川」の次の曲だった事もあり、
個人的には(3)のimageを
より強く感じました。
 Intro~1番main melodyは
武沢さん。
 A,A'メロはその透明感のある
瑞々しいGuitarの音色が、
矢萩さんのobbligato&Piano
(Keyboards)の音色と溶け合い、
静けさの中での凛とした空気
を感じさせます。
 そんな中、「星の川」で
苦悩、悲嘆して見つめていた
「星」が浮かぶ夜空が
少しずつ白み始め、
主人公はうつむいていた顔を
少しずつ上げ、
視線の先の地平線の彼方を見つめ、
自らに語りかけているのでしょうか。
 サビB,B'メロ(1:02-,1:19-)。
 武沢さんが流麗な独特の歪みのある
高音域のmelodyを奏で、
Bass、Drums、Synthesizer等
が加わり、雰囲気が一変します。
壮大な空間の広がりと重厚な力強さ
とが感じられ、「You Raise Me Up」
に通じる、苦悩から立ち上がり
前に進もうとする強い意志を感じる
演奏です。
 2番mainは矢萩さん(1:44-)。
A,A'メロでは指弾き+armingで、
Saxophoneのような甘く艶やかな音色
で演奏しています。
 1番で立ち上がった主人公に、
傍にいる誰かが
「大丈夫かい?さぁ行こうか?」
と手を差し伸べ、
優しく囁きかけているかのようです。
 一方、冒頭からDrums、Bass、
Synthesizerが入る事で
1番よりも重厚な演奏となり、
主人公の気持ちが
過去や「別の国」ではなく、
現実世界や未来へ向かい始めている
事を感じさせます。
 2番サビB, B''メロ
(2:19-,2:36-)。
矢萩さんはpick弾きに変更し、
武沢さんとはまた違う、
艶やかでノビのある高音域の音色が
響きわたります。
 間奏(2:51-)では、
矢萩さんがB''メロからの流れのまま
カッコいいGuitar Soloを奏で、
曲のClimaxを迎えます。
 過去や「別の国」から、
現実世界や未来へ視線を向け始めていた
主人公の心はここで完全に解き放たれ、
二本の足で大地を踏みしめ立ち上がり、
愛しい人への想いを抱きつつも、
今この世界で成すべきこと、
守るべきもののために
決意も新たに歩み出していくのです。
 Ending(3:09-)。武沢さんの
GuitarとUilleann Pipesの
Unisonが優しく流れます。
 主人公は完全に立ち直った後に
今一度後ろを振り返り、
結ばれる事のなかった愛しい人に、
心の中できっとこう述べるのです。
 「今まで支えてくれて有難う。
僕はもう大丈夫。
だからもう心配しないで
(どうか安らかに)」と。

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(11)ONE NIGHT THEATER inst2
 矢萩さんによれば「演奏したのは
横浜スタジアムとその前後のコンサート
で何回かしか記憶にない」という
希少なInstrumentalでした。
それを30年以上経った今、
CDとして聴ける事に大きな感慨
を覚えます。
 conceptは多分「2010」と
似ていますが、
二人が20代の頃の曲だけあって、
よりキザっぽさや、狂おしい程の
激しさ、情念を感じさせる、
真夏の一夜の夢が描かれています。
 曲構成はA-B-B'-C-C'(/C'')
が2回(0:33-,2:45-)あり、
これらがおよその1,2番と言えます。
両者の間にB'&Dメロ(2:06-,2:25-)
が入り、LastにBメロ×2回が続く
流れです。
 Intro。Volumeノブを右手薬指&
小指で操作する武沢さんのViolin奏法
(Volume奏法)で、一夜だけの夢が
幕を開けます。
 Aメロは矢萩さんがarmingと共に
volumeペダルでのViolin奏法。
 矢萩さんは指弾き⇔pick弾きの
切り替えを、pickを置いたり
張り付けたりする事なく、seamlessに
右手の指の間に挟み込んで行うのは
有名ですが、それもこの曲では一味違い
ます。
 他の曲では「A(,B)メロ→サビ」や
「1番→2番」等、曲が転換する切れ目で
指弾き⇔pick弾きの切り替えを行う事が
多いのですが、この曲では例えば1小節
の中や1 phraseの中といった
細かい単位の中で両者を細かく繊細に
使い分けています。
 Dメロ(2:25-)では狂おしいまでの
Guitarの音色が鳴り響きます。
 その後、再び甘い夢に微睡むような
2回目Aメロ(2:45-)を挟んで、
B,B'メロ(3:03-,3:23-)では
武沢さんが立奏standの
Electric Gut Guitarを弾きます。
情熱的なDメロの音色とは対照的な、
穏やかな調べが印象的です。
 最大の見せ場は終盤のBメロ×2回
(4:18-,4:37-)。
Octave上げしてTwin Guitarでの
カッコいいハモリです。
 武沢さんもElectric Guitarに
切り替え、二人が体を寄せ合って
演奏する姿は感動ものです。

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(12)時計
 Originalは安全地帯のSingle
「月に濡れたふたり」のc/w曲。
Album「安全地帯VI」には
入っていませんが、
「アナザー・コレクション~
アルバム未収録曲集~」
に含まれています(CDは廃盤?)。
 この曲はInstrumentalでのcover。
矢萩さんは「構成はすごくシンプル
だけど、昔から良い曲だと思っていた」
「やっぱり玉置はすごいなと思った」
「玉置に聴かせた時に、どんな反応
をするかが楽しみ」と述べていました。
 melodyラインを形作るAcoustic
Guitarがとてもよく似合う曲です。
 この曲は矢萩さんのchoiceですが、
Introと間奏以外はmain melodyは
武沢さん(左)。
 矢萩さん自身(右)はobbligatoの
backingを浮遊感のあるOpen Tuning
で演奏しています。
(詳細はLiner Notes参照)
 2回目A,Bメロ(1:01-,1:16-)で
武沢さんはOctave上げ。
押弦したfret付近で弦の長軸方向に
平行に左手指を細かく動かすvibrato。
choking vibratoの指の動きとは
90度異なる方向への動きで、
繊細な歌唱を表現しています。
 サビCメロ(1:28-)後の間奏(1:45-)では、矢萩さんがmain melodyを
弾きながら、口笛を吹いています。
これが実に味があっていいのです。
 間奏の後はB'メロ(2:00-,
Originalで「いつまでも変わらない
ものが~」の部分)、Ending(2:12-)
となり、心地良い余韻を残します。
 main melodyを構成する音の数が
極端に少ないのに本当にいい曲です。

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(13)impression~印象~
(月とペンギン)
 記念すべき第1作の
Crowdfunding版で制作の最後に
Bonus trackとして加わり、
CDのLastを飾ったInstrumental
です。
 矢萩さんは
「曲の構成などを度外視して、
自身の気持ちのままに、
自身が気持ちよく感じるサウンド
を作った。
自身の内面をそのまま表現できたので、
ものすごく達成感がある」
と話していました。
 この曲にはA-B-Cメロ(サビ)や、
1,2番といった曲構成がありません。
 途中B-A'-Bメロ(1:14-,1:29-,
1:43-)の部分で一息つきますが、
基本的には、
main melodyが武沢さんのAメロと、
矢萩さんがmainのA'メロとが
交互にアレンジを加えながら
繰り返される構成が曲の大半
を占めています。
 ただし、Aメロではmainの武沢さん
のmelodyに、矢萩さんがbacking
ではない演奏パートを少しずつ重ねて
いきます。
 このA,A'メロの繰り返しが
引いては寄せる波のような
独特の心地良いrhythm
を生み出しています。
 副題のペンギンが、
月に照らされた海の中を、
その羽根で流れに乗って
滑らかに空を飛ぶように泳ぐ様が
目に浮かぶ流麗なmelodyです。
 2:27-のAメロからPitchが上がり、
Drums が静かなものに変わり、
Bassが無くなり、
続くA'メロ(2:41-)後半での
「ティカティカティカティカン」
(2:51-)を合図に終盤に向かいます。
 2:58-のAメロは初めて矢萩さん
となり、Pitchが更に上がります。
 3:13-のA''メロは武沢さんで、
7,8小節目から矢萩さんも加わり
(3:25-)、最後にしてこの曲最大の
見せ場のCメロへ。
 Cメロ×2回(3:27-,3:41-)。
 二人の滅茶苦茶カッコいいハモりで
Climaxを迎え曲が終わります。
 この曲は何よりも、その流れるような
melodyの心地良さとそれを具現化する
二人のTwin Guitarを堪能して欲しい
ですね。

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(14)白銀のエンジェル
 スケートに夢や青春をかけるヒロイン
とそれを優しく見守り続ける主人公
との、切なさを伴う淡い恋が描かれた
曲です。
 1番A,A'メロ。
 人知れず苦しむ彼女の姿を、
主人公は誰もいないスケートリンク
観客席の柱の陰から見つめていた
のでしょうか。
 武沢さんの囁きかけるような歌声は、
彼女に注がれる主人公の優しい視線に
重なります。矢萩さんは抑えた
obbligatoのbackingです。
 Bメロ。彼女は見守る主人公の気持ち
を察して、辛く寂しい時でも強がって
微笑んでみせていたのでしょうか。
お互いを想う健気な心情が聴き手には
愛おしいです。
 サビ(C,C'メロ)。
 それでもヒロインは白銀の天使
のようにリンクを舞います。
 彼女を励ましてきた彼も
逆に勇気をもらいます。
 流してきた汗と涙は氷上で
煌めく結晶となり、
二人の夢を照らし続けるのです。
 2番A'メロ。
 二人はまだ友達以上、恋人未満
なのでしょう。
 でも、いつしかやがて
大人になった時に
二人には別れが待っていることが
暗示されています。
 2番Bメロ。哀しいのは主人公だけ
ではなかったのです。
 2番サビ(C,C'メロ)。
 お互いを想いながらも、
選手としての夢を追いかけるために、
二人は別々の道を歩み出す
のかもしれません。
 ココロにたくさんの元気を与えて
くれた、彼女との想い出の記憶を胸に、
主人公は自分の気持ちを押し殺して、
自ら引こうとしているのでしょう。
 間奏。でも本当は別れたくない、
時間よこのまま止まってくれ、
いう主人公の心の叫びが聞こえます。
つなぎ1小節の後、
矢萩さんSolo(1-3小節)
→武沢さんとのUnison(4-6小節目)
→武沢さんSolo(7小節目)
→最後の8小節目で再びUnison。
サビから流れるように連なる演奏が
melodiousで実にカッコよく、
曲のClimaxを迎えます。
 間奏明けサビ(C,C'メロ)。
 力強い低音backingが二人の強い意志
を反映しています。この先に道を違えた
としても二人は歩み続けるのです。
努力の先の栄光という名のゴールを
信じて…。

 尚、このBest版では
Re-Vocal Recording Version
とされており、
先行配信Singleと違い、
サビの歌唱を武沢さんの歌唱を
多重録音してUnisonにしている
ようです。
 間奏の演奏も少し配信Single
と異なる感じがあり、
もしかしたらこちらも新録
なのかもしれません。

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(15)TIME&SPACE
 軽快でカッコいいrock soundの
Instrumentalです。 
 driveは勿論、Keyboards
(Synthesizer?)のキラキラした
soundも入り、宇宙を舞台にした
Shooting GameのBGM等にも
似合いそうです。
 Introは曲の大半に通じる
武沢さんのリフで開始。
これが曲全体に軽快なrhythm
を生み出しています。
 このリフは、昔、矢萩さんと星勝さん
が手掛けた、アニメ「F-エフ」の
soundtrackにある、
主人公 赤木軍馬のTheme曲
「Movin' Out 軍馬のテーマ」
のIntroとの繋がりを感じさせます
(音程は異なるがrhythmや弾き方は
似ている。作曲はどちらも矢萩さん)。
 1番(0:34-)のmain melodyは
矢萩さん。
 A'メロ(0:47-)からは少し妖艶な
武沢さんのハモリのGuitarが加わり、
深夜のMysteriousなdriveを
imageさせます。
 サビBメロ(1:00-)では
一気に視界が開けたかのように
カッコいい演奏に変わり、
広い公道に出て、
一気に加速するようなimageです。
 2番サビB'メロ(1:53-)は4小節毎に
武沢さん→矢萩さん→二人のハモりと、
1番と変化が付けられています。
 2:08-2:10では矢萩さんが
4回glissandoを入れブンブンブンブン
いわせています。
 2番サビ後のCメロ(2:26-)は
6(3+3)拍子の複合拍子(6/4拍子)
×8回に変化しているのでしょうか?
矢萩さんは曲を単調にさせないため、
変拍子や複合拍子等を曲中で入れる
のが好きなようです。
 左は武沢さんで
「ポラリス」で見せたTonelab LE
による大きく歪んだ、周期的に反響
を繰り返す演奏でしょうか?
 右の矢萩さんのmain melodyも
delayがかかっています。
 これらによりCメロは
光も音も歪むような、
幻想的なSPACEを思わせます。
 3番(2:47-)はA'メロ(3:00-)から
矢萩さんのmain melodyに、
低音域の武沢さんのハモりが加わり
実に妖艶です。
 3番サビB'',B'''メロ
(3:13-,3:26-)はハモりが大半。
 B'''メロでは武沢さんのハモりが、
矢萩さんのmain melodyに
まとわりつくかのように、
前半は低音域→後半は高音域に変化して
実にカッコよく、その勢いのまま
Endingを迎えます。
 安全地帯の二人のGuitaristが
織り成す絶品のrock sound。
 カッコいい名曲がまた一つ加わった
気がします。

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 以上です。
 お読みいただき有り難うございます。
 もし、興味を持った方がいましたら
是非、ライブに行ってみて下さい。
 トークとのギャップもあって
とても楽しいですよ😃