社長室のドアを開ければ少し疲れた様子の社長がソファーに座っていた……ちょっとアルコールも入っているな
「……こんな時間に呼び出して悪い……」
社長がゆっくりと立ち上がり俺の前に立つ……するとグイッと引き寄せられ口付けられた……だが、その口付けは悲しげな瞳で……
「……これが欲しかったんだろ?」
社長が手にしていたのはUSB ……それは……まさか……
『……お前……やっぱり知ってたのか?』
「……ククッ……あんた凄いね……こんなモノの為に男まで抱くんだ?……いつもそんな事してたの?」
違う……確かに目的の為なら男でも女でも抱く……だが……お前は違う……心底欲しいと思った
しかし、今それを言ってなんになる……コイツの目にはもうスパイとしての俺しか映っていない

「……これ、あんたにやるよ……」
『っ!?お前……何言ってんだよ?それ手離したら……お前、全てを失うかもしれねぇんだぞ?』
「……これがないと……あんたヤバいんだろ?」
コイツ……クライアントの事まで知ってるのか?……あぁ、松本社長か……かなりの情報通だと聞いている
『……要らねぇよ……』
「受けとれよっ!!どうすんだよっ!!」

『……お前には関係ねぇよ……』
「ふざけんなよっ!!消されたいのかよっ!!」
お前から全てを奪うくらいなら……それも悪くない