今日、三重県内のR23を走行中に、彼を見た。
たまに見かける彼の多くは、夏に出没する。
ドライバーの好奇の視線に耐え、それでも親指を突きたてた腕を
道路に向かってまっすぐに伸ばしている。
一様にして彼は堂々としている。若いし、迷いもない。
今日、数年ぶりに見た彼は、いまどきなヒップホップスタイルに
身を包んでいた。むろん、一人だ。
そして、彼らの多くに見られるように堂々としている。
親指を突きたてた左手を道路に向かって伸ばし
もう一方の手には大事そうにダンボールを握り締めている。
彼らにとっての生命線であり、そのダンボールには
名前と年齢、あだ名、他に趣味なども書かれている。
「あいのりかっ!!」
いや、ここらでツッコミを一個、入れたかったのら。
で。
彼は、もちろんダンボールに行き先を書いていた。
書かれる行き先に多いのが「京都」や「東京」など
都市名を書くケース。これはまぁ、わかる。
他には大阪方面など、一歩譲って「~方面」でいいですと
妥協点を見出しているケースも見受けられる。
こういったものは好印象を与えるので、ポイントとしては高い。
だが、肝心の彼のダンボールには驚くべき文字が躍っていた。
「西へ」
ってか、アバウト!
西への後に、「‥」を書いてたらもっと盛り上がったのに!
(どーでもいい)。
彼になにがあったのだろう。
こんなにも西へ向かいたがる人物は、天竺を目指した三蔵法師以来ではなかろうか。
ところで
ご存知の方も多いと思うが、三重県を走るR23は
南北に伸びているのだ‥。
違う道路に立った方がいいんでない?
僕はさっきよりも、ちょっとだけ強くアクセルを踏んでみた。