追記:末尾にご紹介した高濱先生の著書『13歳のキミヘ』が昨日届いて読んでみたのですが、先日の卒業講演会のお話の内容は、この本をベースにしたもののようでした。


目次だけ紹介しておきます。


第1章 人に強くなる(合わない、と言わない 親をいたわれ ほか) 

第2章 自分を磨く(きついほうを取れ 部活はいいぞ ほか) 

第3章 立ち向かう(もめごとは肥やし、コンプレックスは宝物 悪い人ばかりではない ほか)

第4章 学ぶ(定期テストは人生の分岐点 わからないままにしない ほか) 

第5章 律する(肉体を鍛えろ 親よりあとに死ぬことが大事 ほか)

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昨日〈花まる学習会〉の卒業記念講演会のオンラインライブ配信にお誘いいただきました。

 

卒業生といっても娘は〈花まる学習会〉には小3の頃までの2年間しか通っていなかったので、久しぶりに卒業記念講演会のご案内を頂いたことに(しかも小学校卒業してから1年も経ってる!)少し驚きましたが、〈花まる学習会〉の懐の深さのようなものを感じ、高濱先生らしいな、と思いました。高濱先生の教育方針には当時からとても共感を持っていたので、とても楽しみでした。

 

思えば娘にとっての先生は、保育園時代の先生、伸芽会(幼児教室)の先生、小学校の先生、伸芽'Sクラブ(学童)の先生、劇団の先生、サピックスの先生、そして、いまの中学校の先生など、12歳にしてすでに多くの恩師に支えられ、気付きや指針を頂き、育てて頂いてきたわけですが、その中でも、〈花まる学習会〉の高濱先生の教育方針は、とりわけシンプルで明快で、当時、ストンと腹に落ちたのを今も覚えています。

 

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、〈花まる学習会〉の有名な教育方針は、「メシが食える大人になる」です。当時から「メシ」というワードに惹かれていたんだなと、我ながら笑ってしまいました(高濱先生の仰る“メシが食える”は、自立できるという意味ですけれど)。

 

下記が〈花まる学習会〉の採用サイトに掲載されているVISIONです。

 

 

 

 

 


 

そして、〈花まる学習会〉を立ち上げた、高濱先生のプロフィールこちら。

 

1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。

 

ホームページには次のようなことが書かれています。

 

図形で言えば補助線や立体の裏側、また、人の言っていることの要点や本質などの“目に見えないものをイメージする力”(見える力)を支えるのは、幼児期の経験総量です。楽しいことであればいくらでも没頭できる小学校低学年期までに遊びとして、またはまるで遊びのような環境のなかで鍛えることが重要です。また、論理的思考力や最後まであきらめずに考え抜く力(詰める力)は、小学校高学年期にこそ伸びる力です。わからないままにしない学習法を身につけ、やりきる力を鍛えます。さらに、大自然での異学年交流・遊びのなかで、豊かな人間力やコミュニケーション力を鍛えます。花まる学習会は、子どもたちの発達段階にあわせた日々の授業と野外体験で、思考力だけでなく、非認知能力や感性を育みます。

 

「非認知能力」という流行りのキーワードは、魅惑的だけれど捉えようがなく、正解が解らないがゆえに一体どのように育めばいいか分からない、多くの親を困惑させる教育関連のワードのひとつかと思いますが、学力を測る物差しのようなものがなく、指標もあいまいなため、眉唾に思う親がいても不思議ではありません。

 

ただ、振り返ってみると低学年の頃は、やはり遊びの中で実体験したことが、その後の成長のための土壌になったと感覚的には思っています。こればかりは正解が解らないので、断定的なことは言えませんが、〈花まる学習会〉や、小学校の課外活動や劇団で経験させてもらったことは、学力以上に大きなものだったと考えています。

 

さて、前置きが長くなりましたが、高濱先生の卒業公演、やはりとても面白かったです。

 

卒業生のみの限定公開でしたので、詳しくは書けないのですが、リスペクトも込めて、面白いなと思ったことを少しだけ(本当は高濱先生の肉声で聞いたほうが何倍も楽しいんですけれど)。娘も笑いながら観ていましたが、むしろ親のほうが参考になることが多かったように思います。

 

・「○○さんと合わない」「○○な会社と合わない」と言わない。そもそも人は違う。合わないなんて甘いことを言ってると世界が狭くなってしまう(程度にもよるが)。

 

・おじいちゃんおばあちゃんになって、亡くなる前に後悔することの第一位は、「思春期に好きな人に好きと言えなかったこと」。だから、告白しなきゃダメ。異性とはこんなにも違うのかと知ったほうがいい。世の中の夫婦の1/3は離婚しているか、我慢しているか。これは、恋愛経験が乏しく、異性への理解が足りないから。

 

・フラれても大丈夫。ネタになるから。恥をいっぱいかいたほうがいい。ちなみに高濱先生は、東大卒だけど三浪四留である。

 

・美味しかったら美味しいと言おう(ご飯が美味しいのは当たり前じゃないと知る)。

 

・隣の席の子が微笑むことをする。

 

・きついほうを取れ。軽い方を取るな。

 

・学校に行く価値は部活にある。課題を見つけて修正して努力することを学べる。

 

・心を見つめ、「好き」を見つめよ。ほとんどの人が、中間、期末試験で、いい成績を取らないといけないという仕組みの中にロックされてしまう。その序列の中で良い成績になることが全てになる。良い成績を取ると、本人が望んでいない場合も、例えば「医学部へ」のような形で勧められるようなことがある。人に言われたままの道を歩んでいると、四十歳になって転職したいと思ってもやりたいことが見つからない大人になってしまう。

 

・日記を書き続けると「自分の好き」の答えがわかる。

 

・友人を大切に。

 

・嫌いというのは甘え。逃げの言葉。できる子は、やりたくないこともちゃんとできる。

 

・解らないままにしない。できるようになるためには、できなかった問題を復習ノートにまとめて、理由をつきとめ、繰り返すだけ。この作業がみんなできない。

 

・どの分野でもトップに立っている人は、読書家。

 

・親より後に死ぬことが大事。

 

・自分で決める。決意する。これが青春期の1歩目。

 

 

この講義のテーマに似たような本があったので、高濱先生の10年前の本ですが、これから買って読んでみます。