仕事が決まり、初出勤の日がやって来た。
保育園のバスが朝娘を迎えに来た。
娘をお願いします。
と、頭を下げて、
保育士さんに連れられて、
バスに乗り込むと、
娘は泣きながらバスの後部座席の窓から、
わたしの顔をいつまでも見つめていた。
娘の泣き顔を見て、
わたしは、
急に胸がキューっとなって、
締め付けられた。
(〇〇ちゃん、ごめんね…)
(ママと離れたらやっぱり淋しいよね…)
(けど、ママどーしても働きたいの…)
(いい子でいてね)
と、自分も泣きたい気持ちを振り切り、
わたしは、大名にある仕事場に向かった。
お蕎麦屋さんに着くと、
おはようございます!
今日から宜しくお願いします。
と、頭を下げて、ご挨拶をした。
「はい。こちらこそお願いしますよ」
「じゃあ、厨房入って」
と、言われて、
わたしは、ラーメンを担当することになった。
この店は、蕎麦屋なのだが、
ラーメンもやっているのだ。
九州は、豚骨ラーメンだ。
何回かやっているうちに、
わたしは、ラーメンを作るのが上手くなった。
家に帰って来てからも、
麺の茹で方を熱心に研究していた。
娘も保育園に慣れたようで、
お友達が出来たのか、
毎日楽しそうだ。
このまま、順調に行くといいなぁ…
そう思っていた。
わたしがお店にも慣れた頃、
ある日娘が熱を出した。
保育園を休ませて、
わたしは、店を休むことになった。
Keiko
つづく
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