「なつぞら」、終わっちゃった。
めちゃくちゃ好きだった。最高な朝ドラだった。
「なつぞら」があるから朝も起きれた。
主人公中心に回ってる、とか何だとか言われてるのも目にしたけど、良いじゃんね。
主人公なんだから。フィクションなんだから。
エンターテイメントなんだから。
細かいことなんて気にしないでよ、というキモチ。
最高ポイントは色々あった訳だけど、
やっぱ天陽くんと一久さんは外せないな〜と。
ただの「好き」とか「結婚」とかじゃなくて、人生のストーリーというか、上手く言えないけど。なっちゃんの人生を語る上では欠かせない2人。
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正直、吉沢亮氏には(イケメンだとは思いつつも)あんまり惹かれてなかったから、キャスト発表された時もすずちゃんの相手役は中川大志がいい!と思っていた私だけど。
始まったらまんまと天陽くんに撃ち抜かれ、「なっちゃんと天陽くんくっつけ〜〜」と願っていた。
でも、結果として、なっちゃんと天陽くんが結ばれない結末は大正解だったと思う。
なっちゃんも天陽くんのことは好きだったんだと思うんだよね。ただ自分でもその気持ちの正体が分かってなかったのかな、と。あんなに好きオーラが出てた一久さんともなかなか進展しなかったくらいだし。たぶん、天陽くんが結婚したと聞いて初めて気付いた気持ちだった。
そんな天陽くんはいつも、なっちゃんに「正解を教えてくれる」存在であり、背中を押してくれる存在だった。
対して一久さんは、なっちゃんと一緒にアニメーションの世界を歩んでくれる存在。
2人ともどこか理屈っぽいところは共通してる。
酪農か漫画映画か迷うなっちゃんに「だったら行くなや」と本音を漏らしてしまった天陽くん。泰樹さんに東京行きを許してもらって喜ぶなっちゃんを他所に複雑そうな表情を見せた天陽くん。
「待たない」と言いつつも「キャンバスで繋がっている」と言った天陽くん。最後に「好きだ」と伝えた天陽くん。
そして、なっちゃんの絵を描いていたところで、涙を流しながら消して、なっちゃんを諦めた天陽くん。
やっちゃんと結婚した天陽くんの顔は清々しくて、幸せそうだったけど、彼の中にはやっぱり「なっちゃんとの未来」もあったと思うんだよ。
もちろん、天陽くんは、やっちゃんのことが好きで結婚したんだし、「なっちゃんとの未来」への未練は一切なかったと思う。
天陽くんが最期にやっちゃんを抱き締めたシーンからもそれはよく分かった。
けど、過去の想いは捨てていた訳ではなくて。
だって、初めて天陽くんと一久さんがちゃんと話すシーンで、天陽くんは「俺には絵を動かす世界は分からない。なっちゃんと生きられるのは一久さんだけなんです。なっちゃんをよろしくお願いします。」(ニュアンス)って言うんだよ。
2人は生きていくと決めた世界が違ったんだ、物理的にも。
もし、なっちゃんが十勝で酪農を続けていたら、そういう未来もあったのかもしれない。もし、天陽くんが絵で生きていくと決めていたら、そういう未来もあったのかもしれない。でも2人はそれぞれ違う道を選んだの。
切ないような気もするけど、納得できる結末だし、だからこそ、恋愛感情は置き去った特別な関係性というのを感じる。
だって絵を通して、キャンバスを通して、天陽くんとなっちゃんは繋がってるから。
なっちゃんが仕事を辞めるか悩んだ時、天陽くんの自画像がなっちゃんに答えをくれた。
このシーンは「キャンバスで繋がってる」のシーンとリンクして、胸がぎゅっとなって。
現実には、天陽くんはもういなかった訳だから、なっちゃんが自分で出した答えなのかもしれないけれど、なっちゃんの絵の原点は天陽くんとの幼き日々にあるし、「天陽くんと話す」ことで「何のために」を見つめ直すことができた。
いつでも、天陽くんはなっちゃんの前を歩いて導いてくれたり、後ろからそっと背中を押してくれたりする存在だったね。
一方で、恐らく人物画は殆ど描かなかった天陽くんが、雪月の包装紙になっちゃんを描いたの。
自分の道を切り拓き、開拓精神を持つなっちゃんは、天陽くんから見ても、特別な存在だったんだなあ、とね。
だから、2人は「恋愛」として結ばれなくて良かったよね。
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天陽くんは、結局のところ、なっちゃんの隣を歩く存在ではなかった。対して、なっちゃんの隣で共に生きていくのが一久さんだった。
一久さんは極めて不器用だし、なっちゃんもどうやら鈍感で、2人の仲はなかなか進展せず。気づいたら結婚する流れだったけど。(笑)
何処が好きとかそういうのじゃなくて。
「一緒に生きていく」2人だった、と。
一久さんは、真面目でこだわりが強くて、やり始めたらとことんやって。周りを困らせることもある一方で、 その情熱はなっちゃんに響いて、調和して。
「真面目」といっても、頭が堅い訳ではなくて、なっちゃんが仕事を続けることにも理解があって、むしろ一緒に作品を作る喜びを知っていて。
「才能を好きになったんじゃない」っていうシーンがあったけれど、なっちゃんの才能を一番理解する存在であることは間違いなくて。
一見、頭が堅そうに見えるのに、全然そうじゃないの。
「ありえないものをありえるように見せる」ことを語れる一久さんは、考え方が柔軟で、だからこそこだわりが強いんだよね、きっと。
天陽くんの絵を「本物のお馬さんを見た!」と報告する優ちゃんに「よく本物だと分かったな、偉いね」と言える一久さんはまさに一久さんだった。
アニメーションの仕事も家庭もとっても大切に想う2人だからこそ、なっちゃんと一久さんは人生を共にする夫婦となり、同志であるんだな、と。
(余談だけど、仕事場では妻にも敬語を使う一久さんが好きだった。そして、普段は「君」だの「あなた」だの言う一久さんが時折「なつ」と言うのに妙にきゅんとしていた。(笑) )
そして何よりも、ラストシーンの坂場家。
優ちゃんが「ママとパパ、ソラとレイみたい!」と言ったの。あれは、おお〜そうか〜〜(泣)となってしまった。
私は、うっかりソラとレイをなっちゃんと天陽くんに重ねて見ていたので…。
そうか、優ちゃんからすれば、ママとパパがソラとレイなのか、と。
たしかに、手を取り合って生きていく2人は、固い絆で結ばれているソラとレイだな、と。
(本当に手を取り合って、優ちゃんに「それはだめ!!!」と言われるのは微笑ましい限りでしたね。)
めっちゃ良いラストだった。
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ほんっと半年間たのしかった〜。
Fin