メッセージ『小さな赤ちゃん』 | ワンライフプロジェクトのブログ

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平成18年(2006年)に 福岡県筑後市で 『ワンライフプロジェクト』 という活動を立ち上げました。
『たったひとつの命だから』この一行の言葉にあなたは何とつなげますか?
 

私は最近『命』ということについて とても深く考えるようになりました。

 

それは今年の5月に第一子を出産したことにつながっております。

出産といっても私ん出産は普通の出産とは違っておりました。

予定日の8月28日には3ヶ月も早い5月22日に 538gの長女を出産したのです。

 

彼女を妊娠したのは なかなか子宝に恵まれず不妊治療を始めて授かったとても大切なひとつの命でした。

 

妊娠がわかった時から大切に大切にお腹の中の子供のことを思う日々が始まりました。

エコーで初めて2mmの心臓がピコピコ動く様子を見て涙をし、二週間後のエコーでは なんとなく人間の形になって手足を動かす姿を見て、言いようのない感動を味わい 初めて胎動を感じた日は確かに私のお腹の中でひとつの命が成長しているのだと実感した日でした。

 

毎日毎日が嬉しくお腹に語りかける日々でした。

 

  順調にいっていると思っていたある日、なんとなく胎動が少ないなと思い 念のため病院で診てもらおうと思って診察を受けたら

「羊水が少ない危険な状態です。」と言われ即入院。

しかしまだ25週。

外に出るにはまだまだ早すぎて赤ちゃんにとってもしんどい状況なのはわかっていただけに 絶対に出産はまだしたくないと思っていました。

 

しかし主治医の先生から言われた言葉は、

「このままお腹の中にいたら、赤ちゃんはいずれお腹の中で命を落としてしまいます。出しても生きられる確率は半々。でも赤ちゃんが生きられるのなら、外に出してあげてそのチャンスを与えてあげたい。」と。

しかし、リスクは高く、半分は生きられないかもしれないし、助かったとしてもまたその半分は重い後遺症を残すかもしれない。

 

その選択をせまられたとき、本当にただただ涙を流すしかありませんでした。

 

でも主人と一緒に考え、

「赤ちゃんの生命力を信じよう。そして何がおこっても逃げずにむきあおう。」と決心し、26週目に、たった538gを出産したのです。

 

最初の出会いは、産声もなく、サーファクタントという薬を使って、肺を広げ、人工呼吸器をつけ、点滴でたくさんのチューブにつながれた娘の姿でした。

 

生きているというより生かされているという感じがして痛々しく、言いようのない自責の念にかられてしまい涙が止まりませんでした。

 

しかし、NICUの先生からは、

「お母さん、赤ちゃんにさわってあげて下さい。」と言っていただき、マッチ棒のような細い指をにぎりました。

 

そうすると、小さな赤ちゃんがしっかりと私の手をにぎり返してくれ、生きてるよ~と手足を動かして答えてくれたのです。

 

その瞬間、この子の命の重みがずっしりと私に伝わってきました。

 

たった538g。でも確実にこの子は生きてるのだと。

 

それからNICUの先生や看護婦さんが24時間ずっと見守り続けてくれました。

そして、たくさんの人たちの支えのおかげで、順調に成長し、4ヶ月半の入院生活の末、10月中旬に退院できるまでに大きくなりました。

 

本当にこの子からは生命の強さ、たくましさをもらい、勇気づけられたと思います。

 

    そして何よりも、あなたという一つの命を助けるために数え切れない人々が、手をさしのべ応援し、支えてくれたのだということを忘れることなく感謝の気持ちを忘れない子どもに育っていってほしいと思っています。

 

    「たった一つの命だから」の後に続く言葉は、言葉で表しきれないけれども、

     「たった一つの命だから、輝きつづけて」とおもっています。

 

    これから先の人生、つらいことがたくさんおこると思うし乗り越えなければならないこともたくさなると思います。

でも、「どうせ私なんて。」なんて絶対思ってほしくないのです。

 

一つの命を助けるため、守るためにたくさんの人が、祈り続けた日々のこと、決して忘れないでほしいと願っています。

 

    乱筆、乱文 申し訳ありません。

    どうか命の重みを、一人でも多くの方に伝えてください。

    自殺や他の命を軽視したりすることの多い世の中に、一人でも多く、この活動の思いが伝わる日が来ることを祈っております。

 

                                          

                                                        土田 祐子